大学の後輩のK君から電話が来て、「ちょっと蕎麦のことで相談に乗ってください」とのこと。
蕎麦で相談とは聞き捨てならないなあ、とばかりに新宿の居酒屋で会うことにしました。
K君はもう一人だいぶ年長のAさんと一緒に来てくれましたが、そのAさんはNPO法人日本炭化研究協会の役員だと紹介されました。K君は「こままささん、実は僕もこの炭化研究会を応援していて、バイオマス活性炭を活かせないかと思っているんです」と今日の会合の訳を説明してくれました。
どうやら炭をつくることで地域活性化をしたいということのようです。
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AさんとK君からこれまでのNPOとしての活動をいろいろと教えてもらって初めて知ったのは、炭にもいろいろあるということ。
木や竹などの有機物や石炭などの植物由来の鉱物を無酸素状態で200℃~600℃の温度で蒸し焼きにすると炭になります。これは炭化と言いますが、まだまだいわゆる活性炭とは違います。
活性炭は、この炭化した材料をさらに『賦活(ぶかつ)』と言って、600℃~1200℃の高温で焼くことで、さらに表面積を増加させたもののことを言うのだそう。ほ~、知らなかった。
これまでの技術で、いろいろな材料を活性炭化させる技術は確立しているものの、問題はそれが入り口から出口までのビジネスとして道筋が建てられるかどうか、ということでした。
そして最近こちらのNPOでは、缶入りコーヒーの抽出した残りのコーヒー豆のカスを飲料メーカーから引き取ってこれでバイオマス活性炭を造り、作った活性炭を使い捨てカイロの材料としてカイロメーカーに買ってもらうという道筋を作りかけているのだそうです。
このアイディアの素晴らしいところは、飲料メーカーはコーヒーカスをお金をかけて捨てていたものがビジネスの材料になるという点にあります。
カイロメーカーの方も、これまで活性炭の原料として定番だった椰子ガラが最近は供給量や供給価格の面で不安定になってきたところで、安く安定的に供給してくれて、しかも製品の品質が一定であれば興味津々というわけです。
活性炭はカイロの原料だけでなく、土壌改良材にもなりますし、水質浄化、さらには高品質のものは医療用としても引き合いがあるのだそう。活性炭ビジネスには未来がありそうです。
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「コーヒー豆でも良いんですが、僕はこれを蕎麦殻でできないかと思っているんです。蕎麦殻は良い活性炭になるというデータはあるんですが、蕎麦殻の安定供給や出口論になかなか結びつかなくて…」とK君。
「なるほど、私も蕎麦は打つけど…蕎麦粉のそれも蕎麦殻か…」
思いつくのは製粉工場があるとそこからはでそうです。もちろん幌加内や新得などの蕎麦の産地ならば大いに出てきそうです。
さらには蕎麦殻から活性炭を作るとしても、それを原材料にして製品に加工するというところが近ければ尚良い、ということになるでしょう。
幌加内、旭川、新得、もしかして札幌…、とイメージは膨らみますが、少しあたりをつけて探してみましょうか。北海道でも誘致したいところがあれば話を聞いて欲しいものです。
物を作ってさえいれば、廃棄物もビジネスチャンスになるかも知れません。北海道農業にもっと付加価値をつけるために活性炭を活かせないか。
また新しいテーマが出てきました。誰か助けてくれませんかねえ