北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

N700系ビのジネス環境

2009-06-23 09:55:12 | Weblog


 今日は朝から京都方面へ出張。

 午前中に京都まで行くのに新幹線のぞみで向かいました。車両はN700系で、この車両は車内でワイヤレス

ゲートの無線LANが使えるのです。

 窓際の席には足元に電源もあって、長時間の接続でも心配はありません。

 高いお金を払えば常時接続ができますが、月々380円という安さがウリです。

 N700系って良い車両です。
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【特別編】運命の花開く時~ポール・ポッツ

2009-06-22 22:55:25 | Weblog
 最近、冴えないおばさんの歌が実は上手で感動を呼び、Youtubeで爆発的なアクセス数を記録したという話題がありました。そのおばさんの名はスーザン・ボイル。

 彼女の映像は最後につけておくとして、その2年前に同じ番組でやはり冴えない男が一人登場して一躍人気者になっていました。

 彼の名はポール・ポッツ。最初に登場する時の自信のなさと少しずつ自信をつけて行く姿に、人の運命の花開く瞬間を感じました。まあご覧ください。

 人の歌で涙が出たのは久しぶりです。


---------- 【ここから引用】 ----------





らばQ「冴えない男の才能が発揮された時『ポールポッツ』(字幕動画)」

 http://labaq.com/archives/50811792.html


読者の方からこの動画を採り上げてほしいとの投稿を頂いたので、字幕をつけて紹介してみることにしました。

内容はイギリスのテレビ番組で、「Britain's Got Talent」という タレントを発掘するためのタレントショーです。

先に説明すると、このショーでは歌でも手品でも、体操でも自分が秀でていると思うものに応募して一般人が競います。

審査員は3人で、イギリスのソニーBMG・ミュージックエンタテインメント の音楽プロデューサーであるサイモンを筆頭に、女優のアマンダ、新聞編集者出身のピアースと一筋ならではいかない3人です。

3人はそれぞれブザーを持っていて、パフォーマンスの途中で3人にブザーを押されると、その時点で終了で不合格です。仮に最後までパフォーマンスできても不合格が大半です。

この3人の目をかいくぐるのは非常に困難で、かつ不合格の際にはひどいコメントを投げかけられることもしばしばです。特にサイモンは一般人が鑑賞してすばらしいと思うようなパフォーマンスでも、

「君はここへ何しに来たんだね?」

「君は下手すぎる」

「ひどいパフォーマンスで見るに耐えないね」

などと、観客が同情するほどひどいコメントを出すことで有名です。そんな前でパフォーマンスするわけですから、出場者は緊張の汗をかくわけですが、まさにそんなサイモンの餌食になりそうな、全く冴えないセールスマンが歌うためにコンテストに出場しました。
彼の名前はポール・ポッツ(Paul Potts)と言います。百聞は一見にしかずと言いますから動画をご覧あれ。 (以下略)


 http://labaq.com/user/jimaku/1k08yxu57NA.html

---------- 【引用ここまで】 ----------

 いかがでしたか。リンク先のらばQには準決勝→決勝→発表のシーンもリンクが貼られていますのでそちらもご覧ください。


 ちなみに、同じ番組で最近話題になったおばさん、スーザン・ボイルの映像はこちら。

 http://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0

 スーザン・ボイルさんの方は優勝出来なかったんですね、残念でした。
 

 ※ポール・ポッツの動画をそのまま埋め込めません。らばQからご覧になってください。 
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お酒と神様

2009-06-21 22:29:40 | Weblog
 東京は朝から強い雨が降りました。午後には止みましたがじめじめした梅雨らしい天候です。じめじめしていながら気温は結構高いので、スカッとしません。

 こんなときスカッとするにはビール(私は発泡酒しか…)をぐいっといきたいものです。こういう飲み物を与えてくれた神様に感謝したいところですが、神様とビールそのものではどちらにより感謝すべきでしょうか。

 ビールと神様に関する面白い記事があったのでご紹介します。また信仰ネタになりますが。


---------- 【ここから引用】 ----------



ビールが神や宗教より優れている10の理由
  http://labaq.com/archives/51021535.html

 時折友人から英語ジョークの類がメールで流れてくるのですが、くだらないと思いつつも、うなずいてしまうような説得力を感じるジョークもあります。

 もちろんくすっと笑ったあとにですが。

 そんな中からひとつ、「ビールが神や宗教より優れている10の理由」をご紹介します。
10. ビールを飲まないという理由で誰もあなたを殺しはしない
9. ビールはSexを制限したりしない
8. ビールが原因で大きな戦争になったことはない
7. まだ自分のことを考えられない未成年者に、ビールを強制的に飲ませることはない
6. ビールを飲み始めたら、そのビールをあげるために誰かの家のドアをノックすることはない
5. ビールブランドのために、焼かれたり、首を吊られたり、拷問を受けたりすることはない
4. 2本目のビールを飲むのに二千年以上とか待たなくてよい
3. ビールのラベルには、虚偽の表示をしてはいけないという法律がある
2. ビールを持っているということを証明できる
1. ビールに一生を捧げようとしても、それを思い留まらせようと助けてくれるグループがいる

 いやあ、ビールって素晴らしいですね。

 これから暑い季節なので、入信してみようと思います。

---------- 【引用ここまで】 ----------

 この書き手はとうとうビールの信者になってしまったようです。さぞ幸せなことでしょう。

 神様と酒と幸せという点ではジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)もこんなセリフを吐いているそうです。

 「信仰を持つものが無神論者より幸せだという事実は、酔っ払いがしらふの人間より幸せなことに似ている」

 さすがに皮肉たっぷりです。

    ※    ※    ※    ※

 日本の神事では、神饌といってお米やお酒、魚などを祭壇に備え、そこへ神様に降りてきて頂き(降神)、お願い事をする(祝詞奏上)という流れになっています。

 お願い事が終わるとまた天上の世界にお戻りいただき(昇神)、残された神饌は神様が飲んで食べてくださったありがたいものであり、それを人間がいただくということです。

 神饌を献上する儀式を「献饌の儀」、神様の前からお下げすることを「撤饌の儀」と言います。
 
 お祓いを受けると紙袋にお土産を持たせてくれますが、袋の中には大抵「撤饌」と書かれたお酒が入っているはず。

 これはお祓いの際に降りてきてくださった神様が飲んでくださったものを下げてきた物です、という意味が込められているのです。


 御神酒をいただいちゃうと幸せになるのは洋の東西を問いませんね。
 
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プランド・ハップンスタンス理論

2009-06-20 23:42:36 | Weblog
 


 来年に向けた就職活動がさかんに行われています。私の娘も夏休みに上京して会社訪問をするのだそうですが、上手く行ってくれると良いなあ。

 さて、今の自分の立場を振り返ってみて、若かりし頃に予測出来た事ってあったでしょうか。

 「おれは絶対に社長になる!」と言って本当に社長になる強者もいることはいますがごく少数。それに比べると、「こんなはずじゃなかった」と臍をかんでいる人もいれば、逆に予想もしない生き方を選択した人も多いはず。

 自分の仕事や身分が人事異動や転職などで変化して、いろいろな経験を積んできた道筋を「キャリア・パス」と言います。

 何かの目標に向かって意図してキャリア・パスを形成して行くのと、出会いに身を任せるのとでは何が違うのでしょうか。


---------- 【以下引用】 ----------
「プランド・ハップンスタンス理論」とは
http://www.educate.co.jp/2008-10-05-11-32-19/64-2009-03-06-08-11-14.html


 1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授らはキャリア形成に関する斬新な研究を発表しました。数百人に及ぶ成功したビジネスパーソンのキャリアを分析したところ、そのうちの8割は「いまある自分のキャリアは予期せぬ偶然に因るものだ」と答えたというのです。そのデータをきっかけとして構成されたのが、プランド・ハップンスタンス(planned happenstance)理論です。「計画された偶然」「意図された偶然」などと訳されます。

 この理論が大きな話題を呼んだ背景には、従来のキャリア論(自分が積み上げる職歴を意図的に計画すること)の限界があります。「職業とそれに適した性格や能力」、「自分のやりたい事」、「自分の得意な事や苦手な事」、「両親をはじめとした周囲からの期待」、などなど。これらを合理的に分析してゆけば、どのようにキャリアを歩めば良いかの正解が得られるというのが従来の考え方でした。

 少しでも実際のキャリアを歩んでみた人は、上記のような考え方が有効では無い場面に多々出くわしているはずです。職業名から想像するステレオタイプと反対の人、例えば地味な商社マンや派手な銀行マンで成功している人は確かに存在します。「自分のやりたい事」が簡単にわかれば苦労はしません。自分が苦手だと思っていたこと、例えば人前でのプレゼンテーションが実は得意だと判明したりする経験は少なくないです。周囲から大反対された転職がきっかけで花開いた人も沢山います。

 となると自分のキャリアを真剣に考えることはムダなのでしょうか。あみだくじやサイコロで進む道を決めれば良いのでしょうか。それは極端すぎる立場と言えるでしょう。そしてこれら2つの立場の良いところを統合した新しい考え方が生まれたわけです。

 プランド・ハップンスタンス理論は以下の3つの骨子から構成されます。
【1】個人のキャリアは、予期しない偶然の出来事によってその8割が形成される
【2】その偶然の出来事を、当人の主体性や努力によって最大限に活用し、キャリアを歩む力に発展させることができる
【3】偶然の出来事をただ待つのではなく、それを意図的に生み出すように積極的に行動したり、自分の周りに起きていることに心を研ぎ澄ませることで自らのキャリアを創造する機会を増やすことができる

【2】での偶然が起きた後、そして【3】での偶然が起きる前について、「プランド」すなわち「計画された」というニュアンスが見て取れます。

 仮にA君という人がいたと仮定しましょう。彼は経理の仕事をしているのですが、セールス職への興味が最近増してきています。そこに【1】の偶然が起きました。ネット書店に経理の専門書を注文したのに、間違ってセールスのノウハウ本が配達されたのです。

 ここで【2】が出来る人とそうでない人の違いが生じます。【2】が出来ない人はネット書店にクレームを言い、本来注文した経理の書籍に取り替えてもらってそれで終わりです。【2】が出来る人は違います。この偶然は何かの必然であるととらえ、セールス本を熟読したり、さらにはその著者にメールを打って「経理出身でもセールスは出来ますか?」と質問したりもするのです。

 このようなキャリアを発展させるきっかけになる偶然は全員に同じ確率で起きるのではありません。それを語っているのが上記の箇条書きの【3】です。百歩譲って偶然が起きる確率が同じだとしても、意味のある偶然が起きたことに気付く感受性は人によって大きく異なります。好奇心を持つ、諦めずにやりぬく、楽観的に取り組む、リスクを取る、柔軟に対応する。これらの行動特性を持つ人は沢山の大事な偶然と出会うことが出来、それがキャリアを推進させる原動力となるのです。

 プランド・ハップンスタンス理論の斬新さは多くのビジネスパーソンを印象づけましたが、クランボルツ教授らの研究そのものには異論もあり得ます。まずは偶然というものの定義の問題です。当人が偶然だと認知した出来事でも、実は支援者が裏で手を回してくれたのかもしれません。あるいは、サバイバル・バイアスの問題もあります。成功のための手法を導き出す研究なのであれば、成功した人だけに聞くのではなく、成功しなかった人にも同様の調査を行わなければなりません。

 そう考えるとクランボルツ教授らの研究は純粋なサイエンスというよりも、「好奇心を持つ、諦めずにやりぬく、楽観的に取り組む、リスクを取る、柔軟に対応する」を心がけなさいという人生訓の要素が強いとも言えるでしょう。

 ちなみにプランド・ハップンスタンス理論と共通する思想を持つ小説、エッセイ、自己啓発書がいくつもあります。村上春樹氏の「遠い太鼓」、勝間和代氏の「起きていることはすべて正しい」などがあげられます。それらの中から1988年にパウロ・コエーリョによって書かれたベストセラー小説「アルケミスト」のフレーズを1つだけ紹介してこの用語集の結びに替えさせて頂きます。

「前兆に気が付くようになるのだよ。そして、それに従って行きなさい」



---------- 【引用ここまで】 ----------

 人生の生き方には二通りあると言われます。「山登り型」と「いかだ下り」です。

 山登り型は、頂上を目指して一合目、二合目…とじっくりと予定通りの道を歩んで行く生き方。一方のいかだ下り型は、流れに身を任せてあっちへ行きこっちへ行き…と必ずしも予定しない結果になることもしばしば。

 ここでいうプランド・ハップンスタンス理論というのはいかだ下り型の生き方に近いようですね。

 問題は、そこで出会う様々な人や事柄に半分運命を感じて、のめり込んで行くのかどうか、ということでしょう。

 掛川にいた時は、「なだれ込み」という言い方もしていました。何かに出会って、そこから先をどうしようかと悩んだ時はなだれ込むように、とりあえず運命に身を任せてみようという生き方。私は結構これで素敵な出会いに恵まれました。

 読書などもそうですね。日々出る書物の数を考えたら一生のうちにあと何冊本が読めるかと絶望的になりますが、そのなかから数少ない出会いを楽しむことになるのですから。

 まあ「こ、これが運命の出会いなのか?」などと悩むよりも、「あいつはどこへ行っても楽しそうだな」と思われるような生き方なら大丈夫かと思いますが。 

 
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日本と経済成長

2009-06-19 23:52:45 | Weblog
 先週来、経済系の大学教授のA先生とお話をする機会がありました。

 そこで今の、そしてこれからの日本経済をどう見ているかについて意見交換をしたのですが、それらの中から面白かった内容をお伝えします。


私「これからの日本経済はどうなりますか」
A「あまり明るくないはずなのに危機感が足りないと思います」

「明るくないというのは?」
「まず日本はもう『世界第二位の経済大国』などというあまっちょろい看板を捨てなくては。アメリカが一位だとして、次は通貨統合をしたEUだと思わないといけません、EUが二位。そして多分今年中にGDPでは中国に抜かれるでしょう。つまり日本は世界4位の国ということになるんです。次はインドで、簡単に抜かれることはないでしょうが、もう世界では四位の国ということです」

「日本がこれから更に経済成長して行けばよいのでは」
「そこなんですが、経済成長の最大の要素は人口の増加ですからね。もう日本は人口が増えない国になった以上、人口要素での経済成長は見込めないんです。一方中国、インドはまさにこれから人口が伸びるわけですし、一人一人の生活が向上して行けば経済成長をするのは当然なんです」

「人口の伸びない地方都市でも同じ事かも知れませんね。だとするとどうやって成長をすればよいのですか」
「必要なのがイノベーション、つまり新しい技術革新ともう一つは規制改革などの合理化なんですよ。それをやることでより多くの価値を日本が生み出せると思えば投資のお金も動くんです」

「ファンドは金融危機の元凶として嫌われていますよね」
「今現在と短期的にはね。でも結局は日本が価値を生むと思えば流れてきますよ。しかし郵便貯金にしても、空港株式会社への外国投資の参入拒否など、日本はまだまだ閉鎖的だな、という雰囲気が見えてますからね。そんなことをしているうちに、日本はどんどん取り残されて行くんじゃないかと心配ですよ。今までの人たちは成長の恩恵をこうむってきたから良いけれど、もういいや、なんてことになると、子供や子孫にどんな国を残そうと言うんでしょうか。」

    ※    ※    ※    ※

 経済成長しないと言うことは、誰かの所得が10万円増えたら誰かの所得が10万円減るということになります。みんなが少しずつでも所得が増えるということが経済成長の果実なのです。

 人口の減少する日本が経済成長を続けるにはどういうかたちになってゆかなくてはならないのか。

 イノベーションと合理化、やるべき事は分かっているはずなんですが。
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簡保の宿の問題

2009-06-18 23:26:09 | Weblog
 郵政の簡保の宿の売却問題で、鳩山総務大臣が辞職をするということになり、政界がまたまた揺らいでいます。

 この騒動では、「鳩山さんよくやった」「麻生総理は判断を間違えた」ということになっていて、またまた麻生政権の支持率を下げたようなのですが、私自身はなんだか釈然としないものを感じていました。

 それは問題の最初の方では「こんなに簿価があるものを安く売って良いのか」とか「なぜオリックスに売ることになったのか、出来レースではないか」といったような論点が見えていたのに、最後の方では「正義が通じない」「西川社長はなぜ辞めないのか」といった感情論に終始してしまったからです。

 最後には国民自身も、何が問題でなにがどうなっているのか分からなくなっているのではないでしょうか。

 そんな釈然としない雰囲気をよく表した記事があったのでお届けします。私の意見は必ずしもこの意見とも違いますが、かなり状況をよく説明してくれていると思います。


---------- 【以下引用】 ----------



辻広雅文 プリズム+one ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10064/



「かんぽの宿」騒動に見る“既得権死守”勢力の巧妙かつ公然たる反乱

 正論がまったく通じない。正論が通じなくなる議論の道筋に巧みに誘導されてしまった、と言い換えてもいい。では、誰に導かれて道を誤ったのか。既得権を死守したい人々によってである。

  「かんぽの宿」騒動の原点に立ち戻ってみたい。オリックス不動産への売却対象となったのは、全国約70か所のかんぽの宿と首都圏の社宅9物件で、売却総額は約109億円である。ところが売却物件の中に、300億円もの費用をかけた豪華施設などが混じっていたために、鳩山邦夫総務相が安売り批判の先陣を切り、次第にマスメデイア、世論に賛同者が増えていった。

 鳩山総務相が自らの権限で売却を止めたのは、

1.一括売却する必要はない。しかも、不況時に売却を急ぐ必要はない。
2.今回の売却物件は平均稼働率が70%であり、経営努力によって収益改善が見込める。
3.地元で買い手を探し、地域振興につなげるべきだった。
4.売却前に、自治体に説明がなかった。

といった理由からである。

 一方、日本郵政は、

1.一括売却しなければ、不採算施設だけが売れ残る。
2.そうなれば、従業員の雇用が守れない。雇用維持は法令で義務付けされている。
3.民営化から5年以内の廃止または売却という期限も、法令に明記されている。したがって、急がなければならない。

と反論する。

 いずれが正論だろうか。日本郵政の主張が、正論である。鳩山総務相に、理はない。

 不採算施設は、好採算施設とセットでなければ売れるはずがない。単純化して言えば、年間10億円の赤字が出る宿泊施設を売るには、10億円以上の利益が出る施設を組み合わせる必要がある。例えば、20億円の黒字の施設と組み合わせる。売却金額は差し引き10億円、あるいはそれ以上かそれ以下か、それは交渉次第である。
 
 重要なのは、全体最適である。今回の売却は、採算性の異なる施設79件がパッケージになっている。いわばその全体最適が109億円と評価された。そのなかの豪華施設一つを取り出して300億円で売れるはずだと主張したところで、それは部分最適に過ぎない。部分最適にこだわって一括売却しなければ、赤字施設が売れ残るのは自明である。

 したがって、平均稼働率が70%もあるという鳩山総務相の主張も、無意味である。平均稼働率以下の不採算施設こそが問題だからである。

 不況時に売却を急ぐ必要はないという批判も、的外れだ。確かに売却時期を遅らせれば、好況が巡ってきて、もっと高く売れるかもしれない。だが、さらに景況は悪化して、売却期限が近づくことも手伝って、買い叩かれるかもしれない。何より売却期間が伸びる間、赤字が垂れ流しになるのである。

 不良資産の処理は、一括売却が基本であり、スピード重視が鉄則である。このことは、1990年代後半以降の不良債権処理を手がけた金融機関関係者や2000年代に企業再生を手がけた人々――産業再生機構に関わった政府関係者も――には、身に染みた常識である。

 かんぽの宿売却は官業ビジネスとの決別であり、いわば不良債権処理なのである。できるだけ高く売れるのが望ましいが、損失を最小限に抑えるのが第一の目的である。そこを、鳩山総務相は理解していない、あるいは意図的に軽視している。

 鳩山総務相の3と4の主張にも、反論しておこう。かんぽの宿を、実は地元の同業者はこころよく思っていない。官業ゆえに赤字を垂れ流しながら営業を続け、民業を圧迫する存在だからである。では、地元のライバルたちは買い手になりうるだろうか。設備の維持費に加えて、従業員の賃金は同業他社比べて高い。旅館業の従業員のそれは他産業に比べて低いが、かんぽの宿の従業員は公務員給与に準じているのだから、格差は当然である。そうした高コスト体質の官業施設を個別購入する買い手が、全国に数多くいるとは到底思えない。

 このように、日本郵政の主張は、経済合理性に則った正論である。ところが、今や正論は通じない。世論は、鳩山総務相を正義の味方とすら評価しつつある。当初は鳩山総務相を社説で批判した大手新聞も、論調を修正しつつある。なぜか。

 鳩山総務相は「安売り批判」に加え、宮内義彦・オリックス会長が郵政民営化推進論者であったことを捉え、「オリックスへの売却は出来レース」と断じた。そして、この二つの批判を補強する材料がいくつも巧みに流れ始めた。例えば、安売り批判に関しては、旧郵政公社時代に178施設が一括売却されたなかに、買い手が1万円と評価して6000万円で転売された物件があったことが暴露された。

 一括売却は全体最適が優先される、と前述したことを思い出してほしい。まず、その178施設の売却総額の妥当性を論じるのが筋だろう。その前に、ある部分を取り出して批判するのはフェアではない。しかも、旧公社時代の事例であり、現経営陣に責任があるわけではない。

 ところが、こうした情報がマスメデイアに取り上げられると、人々は一括売却という手法がいかに不透明で恣意的かを強く印象付けられてしまう。何せ、6000万円で売れる施設を1万円で譲渡してしまったのだから。一事が万事である。そうして、世論は動いた。それが、意図的な情報操作ではないかと疑うのは、私だけだろうか。

 通常、霞ヶ関官僚は、国会質問をするための情報など野党には出さない。ところが、複数の野党議員によると、「今回の売却問題に関しては、電話一本で総務官僚から国会での追求材料が山ほど出てきた」と言う。

 ある自民党幹部によれば、「鳩山総務相と旧郵政官僚はスクラムを組み、日本郵政の人事に介入し始めている」。その実例かどうかは判断できないが、今回の売却凍結騒動の最中、旧郵政大物官僚の団宏明・郵便事業会社社長が持ち株会社の代表権を持つ副社長に就いた。ある経団連副会長は、「鳩山さんは、西川社長の首を切って団さんを昇格させたいのだろう」と見る。

 旧郵政官僚を排除し、世論の支持を背景に小泉政権が推進した郵政民営化を巻き返す動きが、郵政民営化によって既得権を失いかけた人々の手によって始まっている。既得権を死守したい人々――選挙を控えて特定郵便局長の票田が欲しい政治家(与党議員に限らない)、世襲の利権を守りたい特定郵便局長たち、郵政利権を失いたくない総務官僚、賃金が相対的に高いかんぽの宿の従業員すらその一員といえるだろう。

 権力関係の入り組む永田町と霞ヶ関に住み慣れた人々は、こうした既得権を巡る闘争に極めて通じている。銀行の頭取出身で旧大蔵省との関係しか知らぬ西川社長では、とても歯が立つまい。

 断っておきたいのだが、私は、竹中平蔵元総務相が設計した郵政民営化に賛成ではない。郵政改革は必要だと考えているが、現在の4分社方式は矛盾を内包しているし、そもそも郵便局の統廃合に手をつけない改革はまやかしだと思っている。また、竹中氏の改革手法は雑駁かつ近親者だけで遂行されるという印象も強く持っている。

 しかし、だからといって、巧妙かつ公然たる既得権を死守したい人々の巻き返しを見過ごすわけにはいかない。

 最後に、極めて重要な二つの点を挙げたい。

 第一に、鳩山総務相の売却差し止めが将来、日本郵政の損失を拡大させ、それが財務に響き、株式上場にマイナスとなれば、国庫に得られるべき利益が減ることになり、損失をこうむるのは国民である。さらに、郵政民営化が混迷し、旧国鉄のような事態になれば、税金を投入しなければならなくなる。既得権死守闘争は、国民負担となって跳ね返るのである。

 第二に、小泉政権の構造改革が格差を拡大させたという批判が高まっている。格差には二種類ある。一つは市場主義経済の歪みによる格差であり、政府は社会的弱者のためのセーフテイネットなどの対策を迫られる。だが、もう一つは、既得権者と非既得権者の格差である。小泉構造改革はこの格差を打ち壊した。その打撃を受けた既得権者たちが、社会的弱者の味方である振りをして、論理をすり替え、自己保身の反転攻勢に出ているのである。

 (以下略)

---------- 【引用ここまで】 ----------

 鳩山大臣の問題提起を受けて、日本郵政公社では外部の有識者三人を招いて、「不動産売却等に関する第三者検討委員会」を作って、実態がどうであったのかを検証しています。

 その報告書は去る5月29日にホームページでも公表されていて誰でも読めるようになっています。



 そしてこの第三者検討委員会の結論は、「意思決定の過程が文書で残されていないなど不適切な点もあるが、譲渡方法や処分の方針の決定自体は経営判断として許容される最良の限界を逸脱した不適切なものとは考えない」という結論に至っています。

 また、個別の物件に関して、あたかも千円や1万円などの売却価格が存在していたというのも誤解で、開示方法が不適切だったと指摘されています。つまり一万円で売られた物件があったわけでもないということ。

 この報告書を読む限り、総務省として改善を命ずるくらいの不適切さはあったものの、密約や陰謀などが存在して国民の財産を不当に安く売ったという事実は感じられません。

 つまり、鳩山前総務大臣のつけたいちゃもんは委員会で論破されてしまっているということになります。

 もし委員会の結論が間違っているというのならば、今度は鳩山さんの方に証明する義務が生じることになるのですが、それをせずに逃げ出したという印象になってしまうのです。

 私は日本郵政公社は政府が100%株主とはいえ、民間会社になったのですから、政府の意向を離れて民間的な振る舞いをすることで、預かっているお金の価値を高めるようにすべきだと思います。

 しかし「そうではない」ということは、またまた国による関与を強めるべきだ、ということでそれは民営化に逆行することになるのでは。

 それができなければ、日本はやはり規制改革が出来ない国だという外国からの評価にもつながりかねないとさえ思います。

 私の考えはちがうのかなあ。やっぱり今の流れがよく分かりません。

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ビッグイシューをご存じですか

2009-06-17 23:54:56 | Weblog
 地下鉄駅を降りると、必ずしもきれいな身なりとはいえない男性が雑誌らしきものを手に情報誌を売っているシーンに出会うことがあります。

 雑誌の名は「The Big Issue JAPAN」。1991年にイギリスでジョン・バードという男が基礎を作ったのですが日本ではその日本語版が売られているのです。

 雑誌を売っているのは、現在ホームレスか、あるいは自分の住まいを持っていない人です。雑誌は一冊300円で、一冊売ると160円が販売者の収入になるというわけです。

 決して物乞いではなく、情報提供者として雑誌を売ることで日々の糧を得ているのです。

   *   *   *   *   *

 ホームレス状態の人がビッグ・イシューを売ろうとすれば、最初にまず10冊を無料で受け取ることができます。この売り上げ3000円を元手にして、以後は140円で仕入れ、300円で販売をすることで一冊160円の収入を得るのです。

 販売者には下記の「ビッグイシュー行動規範」を守ることに同意しなくてはなりません。

①割り当てられた場所で販売します。
②ビッグイシューのIDカードを提示して販売します。

③ビッグイシューの販売者として働いている期間中、攻撃的又は脅迫的な態度や言葉を使いません。
④酒や薬物の影響を受けたまま、『ビッグイシュー』を売りません。

⑤他の市民の邪魔や通行を妨害しません。
⑥街頭で生活費を稼ぐほかの人々と売り場について争いません。

⑦ビッグイシューのIDカードをつけて『ビッグイシュー』の販売中に、金品などの無心をしません。
⑧どのような状況であろうと、ビッグイシューとその販売者の信頼を落とすような行為はしません。

 以上に違反した販売者がいたときのための連絡先も書かれています。

   *   *   *   *   *

 雑誌は月に二冊、隔週での発行です。全36ページで一番裏面を除いては広告はなく、割と充実した記事中心の情報誌。今回号の表紙は笑福亭鶴瓶で、特集は「子供貧困国ニッポン」です。

 


 売っている人に話しかけて見ました。
「一日に何冊くらい売れるんですか?」
「そうですね、大体20冊から多い日で40冊くらいでしょうかね」

「夜のどこで寝ているんですか?」
「売り上げがある時はネットカフェです。月から木までは料金が8時間1380円なんです。できるだけそうした屋根の下で寝たいと思っていますけど、ダンボールで寝ることもあります」

「職業は探しているんですか?」
「以前タクシーの運転手をしていたので、もう一度そうしたいと思っているんですが最近は地理の一次試験があるとかでだいぶ難しくなっているみたいなんです。応募しているんですけど、まだ試験の連絡もないんです」

「早くここから離れられると良いですね、頑張ってください」
「そう言ってもらえるのが嬉しいです。ありがとうございます」


 とりあえず私のできることは雑誌を買ってあげることだけです。

 皆さんの周りにはビッグイシューを売っている人はいませんか。少しだけ気にしてみてあげてください。


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パソコンは男か女か

2009-06-16 23:38:34 | Weblog
 外国は答えを教えずに考えさせる授業が多いと聞きます。

 答えが正しいかどうかを評価するのではなく、なぜそう考えたかというプロセスを重視するからなのでしょうね。

 しかしプロセスが正しくても答えは相容れない方向に分かれると言うこともあるようです。

 「パソコンは男か女か?」なんて問いを出されたら皆さんはどう答えるでしょう?


---------- 【ここから引用】 ----------




らばQ 「パソコンって男なの?女なの?」 
 http://labaq.com/archives/51131375.html


 英語の名詞には、"the"や"a"などの日本語にはない冠詞というものがつきます。

 スペイン語やフランス語などは、さらに名詞が男女の性別にわかれます。

 たとえば家なら女性、鉛筆は男性という風にです。そこでパソコンはどちらの性別なのか、ある生徒が尋ねたそうです。

 先生は答える代わりに、クラスを男子と女子に分け、自分たちで考えるように言いました。

 そして、それぞれ決定した理由を4つずつ述べなさい、と…。
 男子のグループは「パソコン」は女性であるとしました。
 その理由は、

1. 中身のロジックがどうなっているか、作った人以外の誰にもわからない
2. パソコン同士のコミュニケーションに使われる言語は、ほかの誰にも理解できない
3. どんな小さなミスも、後で取り出せるように長期間メモリーに保存される
4. 気に入ったパソコンを見つけたとたん、その装飾(アクセサリー)にお金がかかる


 女子のグループは「パソコン」は男性であるとしました。
その理由は、

1. 何をするにしても、とりあえずスイッチを入れてあげなきゃいけない
2. かなり多くのデータを持っているが、自分のことはあまり考えられない
3. 私たちの問題を解決してくれるはずだが、たいていの場合パソコン自身が問題である
4. 気に入ったのを見つけても、少し待てばもっといいモデルが出てくると実感する


 なかなかジョークにして深いです。

 丸かったら女性、角ばってたら男性…ではダメですかね…、安易ですね。

 Bits & Pieces | Computers - Male or female?より

---------- 【引用ここまで】 ----------

 外国の小説で、その場にいるスパイをあぶり出す、というお話がありました。

 探偵はその場の人たちの会話からスパイを当てるのですが、そのときのポイントは、一人だけ月のことを「he(つまり男性名詞)」で表現していたということでした。

 月を男性名詞で表現するのはドイツ語の特徴だったのでばれた、というわけですが、これって名詞に性の無い日本語ではどう訳したのでしょうかねえ?

 パソコンは…、新しい名詞が出てくると改めて性を付与しなくてはならないというのもやっかいですね。

 ちなみにドイツ語翻訳サイトで訳してみたら男性名詞になっていました。ふーん。
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エレファント症候群

2009-06-15 23:17:18 | Weblog
 象が小さい時に、頑丈な杭につないでおく。

 子象が自由になろうとして、いくら杭を引っ張っても杭は抜けない。

 子象はいつしか、「いくら引っ張ってもこの杭は抜けないんだ」と思いこむようになる。

 そう思いこんだ象は、やがて成長して巨大な象になり、本当にその気になれば抜けるような杭も抜かなくなるのだとか。

 これをエレファント症候群、別名をメンタルブロック症候群というのだそうです。

 トラウマというのとも少し違って、自分自身ができないとあきらめてしまったために、やってみればできることでもやらなくなってしまう心理状態に陥っていないでしょうか。

 一方で「士別れて三日なれば刮目して相待すべし」とも。

 象になるか士になるかは、あなた次第です。
コメント (4)
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富士会議のこぼれ話

2009-06-14 21:48:50 | Weblog
 楽しい富士会議も今日でおしまい。たくさんの若いリーダー候補立ちに出会えた五年間は実に有意義で幸せな時間でした。

 普段の生活では絶対に出会って話などしないであろう人たちの、向こう側の世界のお話は興味深いものばかりでした。そのうちのいくつかをピックアップしてお届けいたしましょう。

【当世結婚事情】 リクルート社のKさん

「ゼクシィという結婚雑誌をご存じですか?結婚情報誌としてこの不況の中でも売れている雑誌です。これは会社のある女性の提案だったのですが、当初企画会議では『そんな結婚のための市場はない』という意見が多くてなかなか通りませんでした。それで、最初はねるとんパーティ情報という出会い系も加えたりしたんです」

「結果、今になると出会い系の情報は消えて、結婚式場市場に対する若い女性の支持は大きいものがあるんです」

「最近のコマーシャルで『購入編』というのがあるのですが、これは男性がゼクシィを手にしてお店のレジに出すというシーンです。それを女性が見ていて「おお?おお?(その気になった?)」という形になっています」

「実は昔は男性が女性に対して『結婚しよう』と言って女性が承諾するというパターンが普通だったんですが、最近は結婚の決断を強いるのが女性に変わってきたという空気を読んでいるんです。結婚事情もいろいろと変化していますよ」

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【伝統工芸とは】 陶芸家 第十四代今泉今右衛門さん

「『伝統工芸』という単語は実は新しいんです。私は今泉の名前を継いだ十四代になりますが、江戸時代を通じてはその時代が求めたニーズに応えて作品を作ってきただけなんです」

「それが明治になってそうした工芸が衰退しつつあったときに、岡倉天心などが出てきて、それが大事なんだと言い出したわけです。だから私も、なにか昔からの技法や伝統と呼ばれるものを変えずに守ってきたなどということはないんです」

「これからもそうした挑戦を続けていきたいと思います」

 http://www.imaemon.co.jp/ironabeshima/index.html
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