北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

負担する気構えも社会の資産

2013-01-21 23:45:45 | Weblog

 

 昨日は、新聞は紙だからこそ広告料で儲かるのであって、ネット配信に移行しても広告料が上がらなければビジネスにはなりにくい、という話を書きました。

 紙の新聞だったら、再販制度によって定価があるというのもありますが、ひと月に3千円くらい払うのがまあ常識的な線が人々の頭の中に出来上がっています。

 これだって相当に長い時間をかけてここまでもってきたわけで、一定の額を負担する覚悟ができているというのは社会的な資産だと考えられます。

    ◆   

 世の中にはさまざまな資産があります。

 見えるところでは土地や森林、湖などの天与の資産もあれば、道路や橋やダム、上下水道、公園など祖先が営々と築いてきた公共施設もあります。

 見えない資産というのもあります。

 病院は目に見えますが、医療水準や救急体制などは目には見えません。しかし高い確率で人の命が救われる国にいるという事がどれだけありがたいことか、国民は皆感じているでしょう。

 銀行やマスコミ、流通などの機能も目に見えない資産です。建物は目に見えても、正しく機能しているでしょうか? 

 法律や福祉などの制度も立派な資産です。社会の決まりごとがあることで社会の困りごとを解決する秩序が保たれます。しかしそうしたことが不足していると問題解決を難しくします。

    ◆ 

 今日、釧路出身で生活保護行政の超エキスパートであるKさんという方が私のところを訪ねて来てくれました。

 福祉行政の最前線でいろいろな意見交換をしたのですが、「生活保護をもらえる前提にミーンズテストという資産調査があるのがおかしい」と憤っていました。

 Kさんの主張は、「資産チェックも大事ですが、収入があるかどうかで判断すべきなのだと思います。でもそのためには本人への収入を確実に捕捉しなくてはなりません」

「それが難しいですよね」
「はい、やはりマイナンバー制などを導入して、確実に本人の収入を補足してごまかしがきかないような社会制度が必要です。でもそれがないために、さまざまな不正や批判が起きているのも事実です」

    ◆   

 Kさんは生活保護のエキスパートですが、現行の制度に満足しているわけではなく改善すべきだが、そのためには不正が起きないような社会制度が必要だ、ということを述べているのです。

 こうしたことも現代社会における目に見えない資産だという事がお分かりでしょうか。

 
   ◆   ◆   ◆


 さて、目に見えない資産としてさらに挙げられるのが、社会の民度や気概、不正をしないという常識、お国柄などの心の中の問題です。

 落とした財布が中身もそのままに届けられる社会がどれほど幸せに満ちていることかは、そうではないことが常識の国に行けばすぐにわかるでしょう。

 そして同じように、冒頭で述べたように、ある程度の負担は仕方がないという社会的なコンセンサスがあるという事、気構えがあるという事も社会にとっての資産なのです。

 それを簡単な気持ちで値下げさせることが社会の利便を増すかどうかはメリットとデメリットをよく考えてみなくてはならないと思います。


   ◆   ◆   ◆


 さて話を元に戻しましょう。

 配達される新聞にひと月3千円を払うコンセンサスは出来上がっています。

 しかし、ネットの新聞にいくら払うかはどうやらまだコンセンサスが出来上がっていないようです。

 つまりネットでの情報配信サービスの質と対価についてはまだ社会が慣れていないので落ち着きどころが見えておらず、したがってビジネスモデルがなかなか構築しきれないという状況なのではないかと思います。

 そこへのブレイクスルーが強く求められます。


     ◆   


 また昨日の朝日新聞の社長さんの弁による、「ネットについてこれない記者はいられなくなるかもしれない」ということの裏側には、「他の記者の記事には金を払わないが、お前さんの記事ならお金を払っても読んであげるよ」と言われるような記者になれ、ということを意味しているのでしょうか。

 だとしたら、これは新聞社としての記事が信じられるのではなく、個人の記者が信じられる時代になりつつある、という怖い事態も招きそうです。

 良い記者の記事も悪い記者の記事も、まとめてひと月3千円が、良い記者の記事だけは2千円で売れるが、人気がなく記事内容に信頼がおけない記者の記事は売れないというわけです。

 逆に売れる記者なら、すぐに転職したり独立したりするかもしれませんね。まるで塾の人気講師や、テレビ局の人気アナウンサーのようです。

 でもこうした個人の能力も、実は個人レベルでの資産と呼べるのですから、それを磨くに越したことはありませんね。

 ネットの到来によって、総体では売れずに切り売りが始まるかもしれません。

 こういう時代をどう生き延びてゆくか。

 まずは自分自身を信じて得意なものを伸ばすことしかありません。

 いつやるのって?今でしょうね(笑)   

 

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なぜ新聞は紙でなくてはいけないのか

2013-01-20 23:45:36 | Weblog

 新聞とネットに関する興味深い記事を二つ読みました。

 一つ目は、「edgefirstのメモ」というブログで紹介されていた、

「朝日・木村社長『電子版は春に10万達成』『若者に紙は届かない』『デジタルに対応できない記者は仕事を失う」というタイトルの記事。 →記事はこちら http://bit.ly/W8LZij

 内容は、1月9日付の業界紙・新聞情報に掲載されていた朝日新聞社木村社長が年頭あいさつの中で朝日新聞のこれからのデジタル戦略について語った、というものです。

 ブログ主は、木村社長が、「反語を用いた遠回しな表現ながら、『デジタルネイティブ世代に紙の新聞は読まれない』ということを示唆している。朝日新聞社のトップがこういうことを発言する以上、もはや朝日は将来的に『紙』にこだわらない体制に舵を切ったと言えるのではないだろうか」と書き、「今回の年頭あいさつで一番驚いた部分がここである」と驚きを隠しません。

 引用文の中では、木村社長は、「朝日新聞記者であることを明かしてツイッターを取材・発信に使う「つぶやく記者」はこの1年で約60人になりました」と言い、「…新聞の締め切りは朝刊、夕刊の2回ではなく、24時間です。厳しい言い方になりますが、紙媒体に書くことだけこだわる記者は数年後には仕事がない、くらいに思っていただかなければなりません」と言ったとされています。

 天下の朝日新聞が、もはや紙の新聞は読まれないと覚悟したうえでネット展開を模索しそうだというのが最初の記事の驚きです。


   ◆   ◆   ◆


 そしてもう一本は、東洋経済オンラインの、「なぜ新聞は『紙』でないと儲からないのか?」と題された記事。まさに上記の朝日の社長の意見と真っ向から対立する意見です。
 記事はこちら → http://bit.ly/W8IOqQ

 この記事の中では、ニューヨークタイムス(NYT)のネット取り組みが紹介されていて、曰く、「(ネット契約者が次第に増えている状況…といっても53万人くらいだそうだ)…に自信を深めたNYTは、12年4月1日から、ペイウォールをこれまで以上に高くした。無料で読める記事の本数を、それまでの月20本から10本に減らしたのである。ちなみに、このような課金方法を「メーター制課金」(従量課金方式)と呼ぶ」ということなのだそう。

 つまり、ただでも読める記事は本数を限って、ちゃんとお金を払った人にだけ全部の記事が読める課金システムにしたというのです。

 しかしこれでは新聞社としての収益は改善しなかったようで、その理由として記事は、①紙よりもネットは購読料が安いこと、②ネット版では紙よりも広告収入が圧倒的に落ちるということ、を挙げています。

 確かに、紙の新聞ならどうしても広告の部分に目が行くことがあったり、チラシをつい見てしまうということがありますが、ネットでの広告ほどウザいものはありませんからまず見られません。

 東洋経済の記事はさらに、『ビジネスインサイダー』の記事を紹介する中で、「『この数字がなぜNYタイムズがジャーナリストをクビするのかを示している』というタイトルで、プリント版とデジタル版の収益構造について分析している」

【「編集者を非難するな、彼女のせいじゃない」とある】

 

 
「この記事によると、NYT紙では、プリント版の読者1人につき、1年で平均650ドルの購読料(毎月50ドル強。日曜版を取るとそれ以上)と450ドルの広告収入が得られる。しかし、デジタル版だと1年の平均購読料は150ドルであり、広告収入は25ドルにしかならない」

 …とまあ、いかにデジタル化は実物の紙媒体に比べると儲からない構造になっているかを明らかにしています。

 東洋経済の記事は、最後を「やはり紙に立脚した新聞というメディアは、ビジネスとしてはもう終わったと見るべきなのだろうか? 『このままでは、プリント版のNYTはいずれなくなるだろう』という見方が、日ごとに現実になっていく」と結んでいますが、これが現実になるとまたいろいろな変化が起きてくるかもしれません。

   ◆   


 さて、というわけで、朝日新聞の社長が言うように、「これからはデジタル化を進めるぞ、みんなついてこい!」と決意を新たにしても、その先には具体的な勝利のための戦略が見えているかどうか不明です。

 NYTと同じように、収入構造のなかの広告料の部分を補えるような付加価値を何に求められるでしょうか。まあそれが新しいビジネスチャンスなのかもしれませんが。

 また、朝日の社長が言う、「デジタルに対応できない記者は生き残れないぞ」というのは、かなり勘違いしているのではないかと思います。

 問題は記事を書く記者にはなくて、それをお金に換えてビジネスにする販売モデルのところが問題になっているというのに記者のせいにしてどうするのか、という事です。


 続いて「朝日新聞を名乗ってツイッターができないようじゃ首になるかもよ」とも言っていますが、ツイッターのように裏付けのない記事はたとえ新聞記者を名乗ってもお金にはなりません。単なる無料の落書きであるだけ。

 書かれた記事の信ぴょう性を保証してもらうためにわざわざ人はお金を払って新聞を取っているのに、です。

 私が考える新聞販売ビジネスモデルとは、記事の裏付けと信ぴょう性に対価を払ってくれる読者がいて、その読者に記事を読んでもらうついでに見てもらえる広告スペースを売ることで、新聞全体の収入を確保するということで成立してるのではないでしょうか。

 
    ◆   


 情報はどんどん無料の方向に流れていますが、2チャンネルなどの書き込みも、「ソース(出展元)を示せ」と言われ単なる噂話は無視される時代。

 情報のソースとなる新聞社の記事がそもそも出なくなるかもしれないというのは高度情報時代の一つの危機です。

 信頼できる情報というのは一つの重要な資源ですから、これに対価を払って維持するシステムは何らかの形で残らないといけないはずです。

 さてデジタル化に舵を切ろうとする朝日新聞の今後の戦略に注目です。

 そもそも紙じゃないと、釧路も困るのです、はい。

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火事!?

2013-01-19 22:19:31 | Weblog

 

 昨夜の深夜0時50分過ぎに、廊下の火災報知機がけたたましく鳴りました。

 このアパートに来てからは初めてのことで、何事かと外へ飛び出してみると、4階のフロア廊下の中央にある煙感知機周辺になにやら霧のようなもわっとした気体が見えました。

 同じく端の住戸から出てきた女性と、「これ煙でしょうか?」と話し、とりあえず消防署へ通報することに。生まれて初めての119番です。

「火災報知機が鳴って、煙かもしれない気体が見えました」と伝えると、住所と名前を訊かれてから、「分かりました、まずは住民の皆さんは避難をしていてください」という指示。

 同じフロアには八戸の住戸がありますが、各ドアのベルを押しまくってみましたが、出てきたのは先に出ていた女性の外にはあと一軒だけ。いないところは電気も通じていないのでドアベルも鳴りません。

 考えてみると、そもそも残りの住戸に何人、どんな人が住んでいるのかも分からずに暮らしていたのです。

 消防車はサイレンを鳴らしながら五分後に到着。

 一台で来るのかと思いきや、消防車が二台と連絡車が一台。それに照明車もやってきて建物全体を明るく照らし始めてあたりは昼のよう。

 やがて消防隊員の皆さんが駆け付けて来て、通報者の私と共に鳴り止まない煙感知器を確認、同じくフロア内の各戸の状況を確認しますが、どの家からも煙は出ていない様子。

 煙らしい煙が出ていないことから、どうやら感知器の誤動作ということになり一件落着しました。

 
 一緒に対応してくれた女性と騒動の後で話をしていたら、「このアパートは古いので、三年くらい前に毎週火災報知機が鳴る騒ぎがあって、大家さんに言ったところ点検してくれて、それからは誤動作もなかったんですけどね」とのこと。

 消防隊員の方に訊くと、「寒いので結露して誤動作するという事もありますが、なにかありましたら迷わずに連絡してください」とのこと。

 空出動ですみませでした。

   ◆   ◆   ◆


 原稿書きのために夜遅くまで、フリースを着込んで毛糸の帽子をかぶってやぼったい恰好をしていたので、まさか市役所の人間とは気づかれないだろうと思っていましたが、最後の処理のために若い職員の方から通報者の情報を聞き取りされました。

「お名前は」「小松です」
「お電話は」「090-××××…です」
「ご住所は」「釧路市栄町△丁目…です」

 ここで「ご職業は」…と訊かれたら「市役所です」と言わないといけないかな、と思いましたが、訊かれずにすみました。

 あくまでも一市民として、迅速に行動し、市民の安全を寒い冬の夜中も守ってくれていることに感謝とお礼を申し上げます。

 ご苦労様でした。   

 

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千日回峰行

2013-01-18 23:45:50 | Weblog

 本になるかどうか不安を抱えつつ、エッセイの原稿書きにいそしんでいます。

 原稿と言っても書き下ろしは少なくて、頭の中に描いたテーマに沿った過去のブログを検索で探して、これを組み合わせながら過不足を補って仕上げてゆくというやり方。

 ただ頭の中に記憶があるだけのものを一から書き下ろすのと、過去にある文章を活かしながらこれを添削してゆくのとでは作業効率が全く違います。

 しかし、好きだったり得意だったりするテーマについてはガンガンかけるのですが、書かざるを得ないと分かっていてもやや苦手なテーマについては、筆が…、いやタイピングがなかなか進みません。

 書けるテーマばかりならば一日に10本を書き上げた日もありますが、そろそろ胸突き八丁の最後の何本かになりつつあって、書きにくいものばかりが残ってしまっている印象です。

 文章は出て来なくて、ため息ばかりが出てきます。

   ◆   ◆   ◆

 原稿一本の分量は概ね2,000文字~2,500文字の範囲にするように心がけていますが、エッセイとしてはこれでも長い方。

 本当はもう少し少ない方が読みやすいかもしれませんが、これ以上文字が少ないと導入から最後までいいリズムが出ません。

 カラオケで言うと、1分で歌える良い曲を作れと言われているような感じでしょうか。ちょっと物足りないのです。


 さて、ブログから文章を調達してこれをアレンジしたときに、元の文字量が多ければ、これを削って行きますが、これを「刈り込み」作業と呼んでいます。

 新しい文章を考えて足して行くよりも刈り込む方が楽なことは言うまでもありません。だから一日に何本も原稿が書けるというわけです。 

 (ああ、こういう記事を書いたなあ)と過去のブログを見ながら、楽しく素晴らしい出会いときらめくようなエピソードがあるテーマだったら、それを三つ集めればもう軽く一本になるのですが、さすがに全部がそう簡単なわけではありません。  

 避けて通ってきたテーマがあったことがこうして振り返ってみると良くわかりますね。

   ◆   ◆   ◆

 さて、振り返れば、昨日書いたブログの時点で、釧路に来てから1,044本のブログを書いていました。

 冗談めかして同じ場所でのブログが千本を超えたら「千日回峰行」と呼んでいますが、釧路でも千日回峰行を達成していたようです(笑)これで掛川、東京に続いて三度目。

 千本以上のブログを書いていながら、「あのことを書いてやろう」という自分の気に入った一本をはっきりと覚えているものがあれば、書いた記憶が全くないものも多々あります。

 それでも日々の印象と備忘録をつけ続ければなにか良いことがあるものですね。

 まずはあと数本になった残りの原稿を仕上げてしまいましょう。

 本当に辛いのはそれからです。何がつらいかって?それはまた後日ご報告いたしましょう。

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そんなことしてちゃダメでしょ!

2013-01-17 20:29:18 | Weblog



 インフルエンザ、もう熱はないし咳もとれてきたので、すっかり完治したつもりで勇んで出勤。

「あ、もう大丈夫ですか」という挨拶に、「はあ、ご迷惑をかけました。なんとか出られるようになりました」とお詫びを述べました。

 とりあえずマスクをして、9時から始まる予算の打ち合わせ会議に出席。予算担当スタッフにもマスクをしている人たちが多いですね。

 11時前に一旦終了して部屋へ戻って、来客と話をしていると、どうも熱っぽさや軽い悪寒がぶり返す嫌な感じがしてきました。

 課長に相談すると、「あ~、やっぱりそうですか。我々も、熱が下がったと言っても保菌状態なので一定期間は休むようにした方が良いのじゃないかと思っていまして…」とのこと。

「明日の用務もそれほど多くありませんし、振り返られるので休まれてはどうですか」という勧めに、さすがに覚悟を決めて、午後からの早退を決めました。


   ◆   ◆   ◆


 帰る途中で、少なくなった食材を仕入れようとスーパーへ寄ることに。その道すがら、あまりに道路が滑るのが困りすぎて逆に可笑しくなってしまいました。

(はは…、本当に、釧路の道路って笑っちゃうなあ)

 そう思ってデジカメを取り出して氷の路面の写真を撮りましたが、釣りに行った時に水没させてしまったために発色がおかしくなってしまい、画面の白い部分が全部ピンク色になった写真しか撮れません。

 (さすがにもう無理か…)

 菌をばらまいてはいけないと買い物をそそくさと済ませたつもりでしたが、ついスーパーの隣にある大規模家電店に道草してしまいました。

 ついデジカメの列を見ていると、防水防塵機能のついたデジカメが格安で売っていました。

 (いや、そんなに簡単に手を伸ばしちゃいかん…)

 そう思って頭を冷やそうとあたりを一周しましたが、結局は単に菌をばらまいただけ。結局は、最初に目に留まったデジカメを手にしてレジへ向かっておりました。


      ◆  


 家電商品なんて、家に帰ってからネットで価格を調べて一番安いところでネットショッピングをすればもっと安く手に入ったかもしれません。

 でもそんなことを繰り返していたら、地域で店舗展開をして頑張ってくれているお店を結局疲弊させてしまうだけじゃないでしょうか。

 見た目と価値がリーズナブルだったらそれを買ってあげればいいのじゃないか。

 まさか自分が買うからこのお店が残っているなんておこがましい気持ちではなくて、地域で現物を手にして買う、ということで歩いていけるところにお店が残るということにも協力しないといけないのじゃないかな。

 そう自分を納得させて、デジカメを手にして家路につきました。


   ◆   ◆   ◆


 家に帰ってから妻にメールで、「へへ、デジカメ買ってしまいました」と報告すると、すごい勢いで怒りのメールが返ってきました。

「こらこら!買うのはいいけど、今あちこちに出かけちゃダメじゃない。人に移すから休んだんでしょう?人に迷惑をかけちゃダメよ!(怒)」
「ええ?スーパーのすぐ隣だから帰る途中だよ」

「だめ!菌をばらまいてはいけません!(怒) …で、割引はあったの?」

 最初と最後のギャップ…、さすがに吹き出しました。

 ちょっと天然なうちの奥さん、大好きです。早く直して心配かけないようにしようっと。


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ウルトラ蒸ししょうがの効能~NHKの番組より

2013-01-16 23:45:21 | Weblog
 性質の悪いインフルエンザも峠を越したようで、ようやく熱っぽさから解放され咳も止まり、鼻水も少なくなりました。

 病気のことをネットにはあまり書かない方が良いとは思いましたが、いろいろとご心配をおかけしました。

 釧路へ来てから一番厳しかったです。単身生活は辛いときがありますね。


   ◆   ◆   ◆


 休んでいる間に、朝のNHKを見ていたら「ウルトラ蒸ししょうが」についての特集が放送されていた。

 元々体を温める効果があるとされるショウガですが、実は生のショウガには、「ジンゲロール」という体を冷やす効果がある成分が含まれているのだそう。

 ところがこれを乾燥させたり加熱したりすると、化学変化が起きて「ショウガオール」という、体を体内から温める成分に変化するのだそうです。

 以前の放送で、乾燥させる「ウルトラショウガ」については知っていたのですが、今回の放送ではさらに、乾燥だけだったショウガに「蒸す」という手間をかけることで、体を温めるショウガオールが1.2倍に増え、逆に体を冷やす作用があるジンゲロールは約半分に減るのだそう。

 食べたゲストの皆さんは、一瞬「あ、辛い!」と言った後に、「体の中から熱くなるのが分かります」と効果はてきめんにありそう。

 まさかNHKなのでショウガ業界から力が加わっている…、などということはないだろうと信じて、早速自分でも作ってみました。

 まだ乾燥が不十分ですが、固くなったころに紅茶に入れて飲んだり、料理に使うと良さそうです。

 まだまだ風邪もインフルも流行っているようですから、正しい医療と共に自己管理の範囲でこういう知識も役に立つかもしれませんね。

 寒気がしたら「ウルトラ蒸しショウガ」はいかがでしょうか。

【NHK アサイチ すご技Q より】 http://bit.ly/V8d6Me  
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湿原の守り神、辻井達一先生の訃報

2013-01-15 23:45:54 | Weblog
 自然保護活動の大家として、また人格者として地域を良くご指導頂いた辻井達一先生が亡くなられた、との訃報に接しました。

 先生と最後にお会いできたのは、昨年11月21日に開かれた、先生の秋の叙勲での瑞宝小受章、並びにラムサール湿地保全賞を受賞されたことへのお祝いの会でした。

 先生には、「ラムサール条約湿地のこれから」と題した講演をしていただき、冒頭で釧路市を代表して先生をご紹介するという場面をいただきました。

 かつて北大農学部で先生の授業を受け、その後仮にもその教えを実現できる仕事をしてきた者として感慨もひとしおでした。

 またさらに、釧路市としてもラムサール条約締約国会議を開催するということへの多大なご尽力を戴いた事に関しては本当に感謝の限りです。

 先生は、「湿原の守り神」などとも呼ばれましたが、一貫して「自然はワイズユースが良いんですよ」と言い続けてくださいました。

 ともすると、触らせもしないような行き過ぎた保護になりがちな自然保護の世界におられながら、全身から滲み出るような優しさと、直接フィールドに携わられた経験から来る確たる見識が相まって、辻井先生の意見なら皆納得することもしばしばでした。

 何でも辻井先生にお願いすれば、うまくまとめてくださるという絶大な信頼があった反面、先生に軽々しお願いばかりではなかったかと反省することがあるかもしれません。

 大きな精神的支柱を失った無念さと、北海道環境財団をいつ訪ねても「おや懐かしいね」と優しく接してくださったときのことを思い出して悲しみに暮れるばかりです。

 年末に体調を崩されて入院された、という噂を聞いていて心配していたのですが、誠に残念です。

 今は辻井先生の生前のご厚情に感謝申し上げつつ、ご冥福をお祈り申し上げます。

 本当にありがとうございました。


 【ありし日の辻井先生のお姿】



【辻井先生の釧路での最後の講演会】
 「ラムサール条約湿地のこれから」 湿原の守り神、辻井達一先生の叙勲受賞記念講演会  http://bit.ly/TfE6GI

 
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インフルでダウン

2013-01-14 21:02:46 | Weblog
 昨日の昼頃から咳がつき始めて嫌な感じだったのが、夜に一気に悪化。

 「こりゃいかん」と、今朝になって休日の当番医の所へ駆け込んだところ、「まずはインフルかどうかだね」と言われ、鼻から粘膜を採取して試薬でチェック。

「おー、きれいにA型と出たね」とのことで、インフルエンザに罹ったことが分かりました。

 ちょっと変わった粉の吸入というインフルエンザの薬をもらってこれを服用。

 外出禁止令が出たため、午後の仕事も夜のお通夜も欠席して家でひたすら養生しています。明日も無理かな。

 幸い食欲はあるので、がっつり食べてぐっすり寝るしかありません。

 皆さんも健康にはくれぐれもご注意を。
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15人だけの成人式~旧音別町の風景

2013-01-13 23:46:15 | Weblog



 今日は釧路の成人式。

 旧阿寒町、旧音別町と合併した関係で、成人式は釧路市民文化会館と阿寒町公民館、音別町文化会館の三つの会場で開かれます。

 この週末は来年度予算査定作業の真っ最中なのですが、午前でいったん中断して市長と二人の副市長が各会場へ祝辞を述べに向かいました。

 市長は市民文化会館で、私は音別町文化会館へと向かいます。

 今年は釧路市では男性893名、女性815人、合計1708人が成人式を迎えます。

 そのうち音別町では21名が登録されているのですが、皆住民票は移さないまま札幌などで学生をしているとのことで、実際に音別会場で成人式を迎えるのは15名でした。

 音別町には高校がないために、釧路市内の高校へ通う人も多く、そうなると釧路市内で成人式を迎える人も出てくるというわけです。

 誘い合って式場へ到着した新成人たちは、出迎えていた昔の担任の先生の顔を見て懐かしい再会を喜んでいました。

 和気あいあいとした雰囲気で式が行われます。


   ◆   ◆   ◆


 成人式と言っても、式そのものは簡単なもので、主催者である教育委員の山口隆先生からの挨拶と私からの祝辞、祝電披露、そして参加者代表による二十歳のメッセージの読み上げです。




 誰が誰の子供かがわかっている地域社会ですから騒々しい騒ぎなどなく、粛々と式は進みます。

 アトラクションには札幌で活躍中の男女デュオ『スピカペラ』さんによるミニライブが行われて明るい雰囲気のまま、全員で記念写真を撮ってもらって式は終了しました。





 彼らがこれから成長した時に故郷はどうなっているでしょうか。

 彼らが帰って来たくなるような町、帰ってこれるような町、誇りを持って暮らす町にする責任がずしりと肩にかかります。


 「夢をかなえて、人に成るのが成人でもあるでしょう。どんな人に成たいかという夢をもってください」

 新成人を応援するメッセージは、私自身の心にも響きました。

  
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強靭な国土とは何か?

2013-01-12 23:15:32 | Weblog




 安倍総理は11日午前に、緊急経済対策に関する記者会見を行って、「長引くデフレ・円高からの脱却が決定的に重要だ」として、縮小均衡の再配分から富の創出による政策に転換を図り、強い経済を目指す強い意志を示しました。
 
 今回の緊急経済対策としての補正予算は、三つの重点分野によって構成されています。それは、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安全と地域活性化」の三つです。

 規模の面では、補正予算による財政支出は13兆円となり、地方負担などを合わせた事業規模は20兆円を超える見込みです。

 この起爆剤を好感して、円安と共に株価も急上昇し、国民の間にも気持ちの中に前向きで明るい兆しが生まれつつあるように感じます。

   ◆   ◆   ◆

 市行政においても補正予算での事業は、本来ならば自分たちだけの税金(これを地方単独費と言います)だけでやるしかない、と覚悟していた道路の維持補修費などが交付金で半額補助されるのでありがたいお話。

 おまけに、当初は予定していない財政支出であるために地方の負担を軽くするという観点で、補助の残りの半額についても後で交付税でお金が返ってくる補正予算債という制度が使えて非常に有利に事業が行えるのです。

 こうした制度を十分に使って、市民生活にしっかりと還元したいものです。

   ◆   ◆   ◆

 さて、今回の補正予算は上で述べた三つの重点分野によって構成されていますが、その一番目は「復興・防災対策」です。

 目次をみると、「事前防災・減災のための国土強靭(じん)化の推進、
災害への対応体制の強化等」として、(1)命と暮らしを守るインフラ再構築(老朽化対策、事前防災・減災対策)という記載があります。

 このことは、従来の公共事業にあまり見られなかったテーマです。

 ともすると、二番目に上げられた「成長による富の創出」にくくられて、新しい公共インフラの完成によって経済を成長させるという視点で、繋がっていない道路整備を促進する、などというのがこれまでの補正予算に多かったやり方でした。

 しかし今回は、すでにあるインフラの強化という視点がくわえられ、「国土強靭化」という単語が使われました。もちろん中央自動車道の笹子トンネルの事故など、老朽化するインフラ施設に対する危機感が大きく反映された結果です。

 しかしいずれにしても、この単語が政府の中でしっかりと位置付けられたということで、今回の補正予算は将来にわたってエポックメイキングだったと記憶されることでしょう。


   ◆   ◆   ◆


 さて、では強靭な国土とはなにか、ということに思いが至ります。

 トンネル事故を教訓にして橋やトンネルなどの老朽化対策は取られるでしょうが、これがこうした老朽化したハードを新しく更新することだけにとらわれていて良いとは思いません。

 ソフト面や社会を維持し保全する体制なども強靭でなくてはいけない、と思うからです。

 例えば除雪の問題です。

 高度経済成長時代で夏の間の公共事業による仕事が十分にあった時代には、業者さんたちも余裕があったので、冬の間の除雪などは、「ボランティアみたいなものですよ」として、非常に格安でサービスしてくれていました。

 ところが公共事業が全体に少なくなってきた今日、そうした余裕が失われてきました。

 そうしたことは機械力に端的に表れてきて、除雪機械を持ち続ける余裕のない業者さんが増えて除雪の機械が不足する心配が年々歳々増しています。

 業者さんが機械を持てないのであれば市が所有して貸すということもありえますが、そのための予算の余裕は市にもありません。

 実は昨年の秋に、開発局でグレーダーという地面や雪を削る機械が入札で払い下げになるということを聞きつけて、なんとかこれを落札することができたということがあります。

 開発局で15年使った中古ですが、市の中では最新でしかもまだまだ高性能だと道路維持部隊は大喜びの一台となりました。ことほど左様に、地方の除雪に備える力は企業の力も含めて非常に脆弱です。


 国土が強靭だ、ということは、災害に強いインフラだけではなく、災害が起こってしまった後も即応できる地域の対応力があればこその表現であるはずです。

 国の国土強靭化は大いに結構なことです。やっとそこに目が向く時代になりました。

 だからこそ、強靭化された施設を強靭に維持できる力も持ち続けたいものですし、この両者がそろってこそ初めて「強靭な国土」が完成すると思うのです。。

 強い国家を支えているのは健全で強い地方の生活です。

 このことをより多くの皆さんとぜひ共有させてください。

 地方ももっと声を挙げようではありませんか。
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