北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

覚悟を決めた人生の終え方

2013-01-11 23:45:45 | Weblog
 釧路での人生の大先輩である於島廣明さんが亡くなられました。

 私が釧路へ来た時にとても喜んでくれた方の一人で、おしゃれですぐに打ち解けてお話のできる方でした。

 釧路では若い時に青年会議所でも活躍され、独特の風景画作家としても知られていました。

 私は「致知」という月刊誌を愛読していますが、共に致知を読む於島さんと話をしているうちに、釧路くらいの大きな都市に「致知」を読みあう木鶏の会がないのは寂しいね、という話になり、「とにかく知り合いだけ集まって立ち上げましょう」と友達に声をかけてくれた世話人の一人でした。

 とても勉強熱心な方で、分からないことがあるとすぐに調べて教えてくれる向学心は最後まで衰えませんでした。

 様々な会の事務局を引き受けて友達の多い方でもありました。

   ◆   ◆   ◆


 入院されたと聞いた年末にお見舞いに訪ねたら、自分の生を終えるためのノートを作っていて、「小松さん、もう本行寺のお坊さんに来てもらって戒名を決めましたよ」と笑っていました。

 葬儀委員長も決め、「葬儀委員には名前を貸してね」とも。

 自分の人生が残り少ないと分かっていたとしてどれくらいのことができるのかと思うと潔く、覚悟を決めた日々でした。

 生き方のお手本だけど自分はその通りにできるかと自問してもまだ自信はありません。

 話をするときに、ちょっと首をすくめながらニヤッと笑う癖がありました。

 今こうしてみると、フェイスブックなどにはまだ元気だったころの思い出が掲載されています。

 とても残念で悲しい日となりました。

 故人の冥福を心からお祈りします。  合掌 
 
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待てば海路の日和あり~洗濯機故障事件の解決

2013-01-10 23:19:12 | Weblog


 昨日故障して、中の洗濯物が取り出せなくなった事件のその後の顛末。

 朝妻に電話してみたら、電話口では「ジャーン~♪、洗濯物が取れました~」という明るい口調。

「おお、なんだ、いったいどうやったの?」
「へへー、何もしなかったの」

「なんだそれ?」
「ネットに、『洗濯機が壊れて蓋がロックされた』って書いたら、詳しい人からいろいろなアドバイスが送られてきて…」

「それで空いたのかい?」
「ううん、時間が経ったところで開けたら開いたの」

「はあ?」

 どうやら、コンセントを抜いて時間が経つと洗濯機内のコンデンサーにたまった電気が抜けて、ロックが外れた…ということのよう。

 一昨日から時間が経ったところで開けてみるということを何度か繰り返していたらしいのですが、昨日一日を孫と遊んで完全放置していたのが幸いしたよう。

 
「それって問題から逃避しているんじゃないの?」と言ったのは私でしたが、頭を冷やすというか、少し時間を置くと勝手に解決してくれるなんて想像できませんでした。

「僕だったらすぐにドライバーか金槌を出すところだね」というと笑いながら「短気じゃなくて良かったよ」


 「ただ待つだけ」 こんな問題解決方法があったとは…。

 人の世は深いですねえ。
 
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洗濯機、どうするの?

2013-01-09 23:44:32 | Weblog
 釧路はここ数日、釧路らしい冬ばれの日が続いています。

 しかし残念ながら我々は連日朝から晩まで予算ヒアリングが続いていて、夕日を眺めるだけの余裕もありません。


   ◆   ◆   ◆ 




 妻から「ショック!」というメールが来て、その訳は札幌の我が家の洗濯機が壊れたのだそう。

 洗濯ものを入れてスイッチを押したところしばらくしてからピーピーピーという音が発せられ、動かないままにエラー番号表示が出ていたとのこと。

 そもそも昔、お年玉付き年賀上で一等賞が当たってゲットしたドラム式の洗濯機。当時の値段で20万円相当だった記憶があります。

 しかし我が家に来てから十数年が経ち、さすがに耐用年数が来たのか、とうとう故障してしまったようです。

 まずは洗濯物を取り出そうと取扱説明書を探したものの見つからず、ではネットで調べようとしたものの、型式が古いためにネットにもアップされていないのだとか。

 朝電話で、「もうさすがに新しいのを買うしかないんじゃないの?」と会話をして、夜に再び電話。

「洗濯機はどうした?」と訊くと、「うーん、今日は孫のとこで相手をしていた」

「それって、嫌なことを考えたくない現実逃避なんじゃないの?(笑)」
「あー、そう言われると思ったわ(笑)」


   ◆   ◆   ◆


 人間、考えたくない出来事を前にすると突拍子もない行動に出ることがありますが、これって明らかに脳が考えることを拒否しているため。

 まずは機械の中に入りっぱなしの洗濯物も取り出さないといけないし、新しい洗濯機も早晩必要になるはず。

 さてさて、いったいどうなることやら。
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【巷論】人生は梅の花のように~2013/01/08

2013-01-08 23:27:15 | 巷論
 今朝の釧路新聞巷論欄に、私の拙文が掲載されました。

 先日ブログでも紹介したお話ですが、少しブラッシュアップ。

 万葉集に良い句があったので添えました。お正月らしくまとめてみました。





   ◆   ◆   ◆

【全文】
 新年の休みの間に、知人に新年会に誘われて、夜遅くまで酒を酌み交わした。

 酔った勢いで、人生の大先輩に向かって、「長年釧路に住まわれて、釧路のまちをどのようにしたら良いと思いますか」と不躾な質問をぶつけてみた。するとその大先輩は、「江戸時代に梅の盆栽が流行ったのを知っていますか」と言う。

「樹木と言えば、大木になるものこそが良木だと思っている人が多いでしょう。梅は大きくならない灌木です。しかし灌木には灌木なりの良さというものがあるのです」

「梅はすぐに枝が伸びますが、これは上手に剪定をして小さな鉢に収まる盆栽にします。そして冬の風雪に耐えて、春になると一番に可憐な花を咲かせ、しかも香りもすばらしいのです」
「なるほど…」

「釧路市民も、一人一人が大木を目指すことはありません。自分の伸びるところを伸ばし、増長してしまうようなところは剪定をするように自分を律する。そうして風雪に耐えて、あたりに芳香を振りまくように花を咲かせる。そういう市民の姿になればいいと思うのですよ」

    ◆   

 梅は『好文木(こうぶんぼく)』とも言われ学問のシンボルでもある。それは昔、晋の武帝が学問に親しむと梅の花が開き、学問をやめると花が開かなかったという故事に由来する物語からのことだという。

 大きくなることを目指すことだけが良いわけではなく、風雪に耐えて花開き、例え身は小さくとも納まるべきところに納まる。そして学問を好み、周りを芳香で潤すのが梅の花。

 一人一人がそんな凛とした生き方で明日の釧路を支え合うそんな姿を理想としてはどうだろうか、という大先輩の教えだ。

 正月(むつき)立ち春の来らばかくしこそ梅を招きつつ楽しき終へめ(万葉集)

今年もどうぞよろしくお願いいたします。 

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自転車がパンクしたら

2013-01-08 23:13:47 | Weblog



 道新グループ主催の新春交礼会。

 自転車に詳しくて台湾事情にも通じているYさんと久しぶりに会いました。

「お久しぶりです。そのうち自転車でのまちづくりについて話し合いたいですね」と話しかけると、「それはいいですね。私も去年の夏にこの周辺を走ってみて、夏なのに汗が出てこない素晴らしい季節を最高だと思っています。ぜひお願いします」とのこと。

「しかし、自転車のまちづくりとなると何から始めたらいいか迷いますね。モデルルートのマップを作るとか、自転車整備の拠点を作るとか、自転車ツアーイベントをするとか、いろいろメニューがあって…」
「その全部の組み合わせじゃないでしょうかね。どれが一番ということもありませんし、それぞれに魅力があります」

 Yさんは昨年台湾へ旅行した時に、つい現地の大手自転車メーカーであるジャイアントの自転車を買ってしまったそうです。

 暖かくなったら一緒にツアーというのもよさそうですね。

「自転車のサービスで言うと、パンク修理の問題があると思うんです」とYさん。
「なるほど」

「実は私も昨年、自転車を走らせていてパンクしましてね。それを自転車ショップに持って行って修理してもらったんですが、そこのオヤジさんが、『今度はパンクしたらそこから電話をくださいよ、修理に行ってあげるから。出張のお金なんかいいからさ』って言うんです」
「へえ」

「こういうサポート情報が、実は外から来たサイクリストにはありがたいと思うんです。パンクした時に電話すれば修理に駆けつけて来てくれる自転車屋さんの情報なんてサイクルツアーに心強いと思うんですよ」



   ◆   ◆   ◆


 魅力的で楽しいルートや綺麗な風景などを紹介する「攻め」の情報提供があれば、困った時に助けてくれる情報やトイレなどのインフラを紹介してくれるような「守り」の情報提供もあるでしょう。

 これらの組み合わせで、質の高いサイクルツーリズムを提供したいものですね。

 道東は自転車にも最適なのです。  
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ビジョンとワーク ~ 新年仕事始め式

2013-01-07 22:39:06 | Weblog
 平成25年の仕事始め式でいよいよ今年の仕事の幕開けです。

 市長からは、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京大教授のインタビューで感銘を受けた話が紹介されました。

 曰く、「山中先生は成功のためにはVとWが必要だと言いました。Vとは”Vision”のVで、Wとは”Work”のことだそうで、まさにビジョンという方向性をしっかりもって、一生懸命に働くことこそが成功の秘訣というわけです。今年の釧路市もそうありたいものです」

 ネットを見ていたら、このエピソードは、山中教授がアメリカのグラッドストーン研究所へ留学していた時、当時所長のロバート・メイリー博士がフォルクスワーゲンの車を愛用していたのだそう。

 そしてある時、メイリー所長はこのフォルクスワーゲンのエンブレムの「VW」にこそ研究成功の秘訣があるといい、上記のVとWの話をしたと言われます。

 改めて、自分がしたいこと、できることをビジョンとしてしっかりもって、一生懸命に働き、動き回りたいものですね。


   ◆   ◆   ◆



 毎年仕事始めには、釧路若鳶会の皆さんが駆け付けて来てくれて、木遣り、纏振り、そして梯子乗りを披露してくださいます。

 地上に置いても長い梯子は、空めがけて突き立てると一層高く見えます。

 その上で演者の若い衆は身軽に技を披露しているように見えますが、下で支えてくれている人たちへの信頼があればこそ。

 気温は低かったけれど快晴の釧路らしい天気で、新春の初日に気合が入りました。今年もがんばろう!




   ◆   ◆   ◆


 釧路での印象深い事柄を中心にした本を出そうと思う、と書いたところ様々な人から「いいぞ、さっさとやれ」という温かくも厳しい声が寄せられました。

 しかしいざ書き始めると文章を体系だって書くというのはブログのようにお気楽にかけるのとは違ってとても苦しいものです。

 あまりの苦しさに、つい凝った料理を作ったり掃除を始めたりします。

 これは脳が悲鳴を上げていて、文章を考えたくないあまりに他のことへ逃避しているのに外なりません。

 この怠け者で鈍い脳をどれくらい働かせられるかはひとえに意志との勝負です。何とか時間をやりくりして原稿を書きためなくては。


     ◆  

 
 ところで何人かから、「電子出版にしてはどうですか?」と訊かれました。

(あ、なるほど~)と思い、出版社の方にご相談をしたところ、「今はまだ発展途上ですね」とのこと。

 聞けば、「実際そういうご依頼も出始めているので、早晩やらなくてはいけないと思っていますが、コピーができないようなセキュリティの問題や課金の問題、また読む機械を勘案しながら単純なpdfファイルで良いのか、文字が動いても良いのか、などいくつかの課題がありますね」とのこと。

 まずは印刷を前提にした版組をしたうえで、電子化についても考えてみることにいたしましょう。

 それにしてもこれもまた脳の逃避か。

 原稿は40本の予定のところをまだ10本しかできていませんし校正もまだ。

 胸突き八丁の日々が続きますが、ビジョンとワークハードで乗り切らなくちゃ。

 

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異例づくめの予算編成

2013-01-06 20:33:40 | Weblog
 釧路市では来年度予算編成の事務作業が佳境に入っています。

 昨日と今日の午前中で、事務的な査定作業はほぼ終了。こののち指摘のあった点を修正して仮の数字を出しますが、特に政策的な判断を要する事項については市長にも同席してもらった中で最終的な決定をしてゆきます。

 中身を見ていると、老朽化した施設の修繕費要求が非常に多くなっていますが、これはひと度修繕するとその施設をしばらくは使わなくてはなりません。

 建て替えや大規模修繕が予定されるようなときには中途半端な投資は控えるべきですし、そこで我慢したがゆえに故障してしまうというリスクも一方ではあります。

 こうしたバランスを絶妙にとりながら査定作業は進んでゆきます。


     ◆   

 
 しかし今年は例年とは大きく様相が異なります。

 それは今安倍政権が編成している補正予算があるから。

 来年度に予定している事業のうち、準備が整って補正対応が可能なものについて、これから編成される補正予算に組み入れられれば、まずはそれで補正予算案を作らなくてはなりません。

 同時に補正で執行されたものは来年度予算から外す作業が必要になってきます。

 1月15日には補正予算が閣議決定されると報道されていますが、この段階ではまだ大きな予算枠での決定なので、個別の自治体の具体的な事業に幾らの予算が付いたかという個所付けの結果が見えるのはもう少し遅くなることでしょう。

 二月議会に予算案を提出する日は概ね予定が定まっていますので、補正予算案の作成と同時に来年度予算案を確定させなくてはいけません。

 予算編成舞台は百戦錬磨とは言いながらも、今年の場合は大変なボリュームの事務を限られた時間の中で行わなくてはいけないので大変です。





      ◆   


 さらに、予算編成が大幅に遅れていることから、地方自治体に幾ら予算が回るかという地方財政計画も整うのが2月末ではないか、と予想されています。

 新年度予算も3月末まででは審議時間が整わず、一か月程度の暫定予算も必至の状態。

 年末の選挙に政権交代と様々なことが異例づくめの来年度編成。

 市民生活に影響が出ないように市役所も臨戦態勢です。担当者の皆さんも健康にだけは留意してください。

  
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新春初生け

2013-01-05 23:45:45 | Weblog
 釧路市役所は例年1月6日が御用始なのですが、事実上は毎年5日に開催される市主催新年交礼会が仕事始めと同じようなもの。

 今日も約千人の参加者を得て、賑々しく新年交礼会が催されました。

 皆さん挨拶の中で、「昨年後半から復興航空による台湾との国際線の開設や機体の大型化が行われたり、今年の3月31日からはエアドゥが一日2便の羽田線が就航するなど、少し良い機運が沸き起こっているので、これを活かしていきたい」と明るい話題に終始。

 今年も明るく行きたいものですね。



   ◆   ◆   ◆


 さて、今日から夜には各種の新年会の始まりです。

 市長、副市長、教育長などは手分けして各種の会合に出席しますが、今日の私は釧路華道協会の新年会に参加です。

 この新年会では毎年来賓客に新春初生けと称してお花を生けてもらうのが習わしとなっています。

 市長は会の冒頭、別の会合を回っている関係で今日も私が市長代理で初生けをさせていただくことになりました。

 たくさんの華道家の皆さんに囲まれた中で素人が花を生けるのですからとても緊張するのですが、これが案外楽しくて、これをやらないと新年が来た気がしないといっても良いほどです。

 今日も真ん中に座らされてお花を生けることになりましたが、いつも介添えでお花のお師匠さんがついてくれるので心強い限り。

 今日は当番流派の正光未生流(しょうこうみしょうりゅう)のお師匠さんがついてくださいました。

 お花は席に着いてから渡されるのですが、今日の課題は、南天とピンポン菊とスプレー菊、それに斑の松。

「この松は斑入りの松というのですか?」
「これは蛇の目松と言うんです。葉の先が傘を広げたようになっているでしょ?それで蛇の目傘の『蛇の目松』」

「南天も綺麗ですね」
「南天は、『難を転ずる』と申しましてね、縁起がよろしいんですよ」
「ははあ、なるほど」

 植物の世界と言葉遊びも面白いものです。


   ◆   ◆   ◆


 私の方は何が良いかも分からないまま、ほぼアドバイスされるままに枝を切り、剣山に花を挿してゆきます。

 そうやってできたのがこちら。





 花を生けている間に、南天の枝が一本折れて垂れ下がってしまいました。

「切りましょうか?」と訊くと、「う~ん、いえ、これもまた趣がありましょう」とのこと。

 自然の山では枝折れもあることで、これも一つの風情とは奥が深い。

 
    ◆   


 ここでサプライズ登場は、前回の衆議院選挙で二期目の当選を果たし、暮れには財務大臣政務官に任ぜられた地元釧路の伊東良孝代議士。

 促されるままに挨拶に立った伊東先生は、「議員の中には『日本の伝統文化並びにいけ花を愛する議員連盟』というのがあるんです。池坊保子さんが幹事長をやられていて、年に一度三越で開かれる展覧会の入場券がもらえるのを期待して、年会費3,600円を払っています」と会場を沸かせます。


 さて、私の新春初生けはおおむね好評で良かったです。

 これでやっと新年が迎えられました。

 それにしても日本のお花の文化はもっと勉強すべきですね。反省。
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人生は梅の花のように

2013-01-04 23:45:33 | Weblog
 午前の汽車で釧路へ戻ってきました。

 途中トマムあたりは雪が降っていましたが、帯広から釧路へかけては道東らしい快晴が広がっています。

 やはり冬の道東はこうでなくては、ね。


     ◆ 

 
 釧路では早速、知人との新年会に誘われて、夜遅くまで酒を酌み交わしました。

 人生の大先輩を相手にして、「長年釧路に住まわれて、釧路のまちをどのようにしたら良いと思われますか」と無鉄砲な質問をぶつけてみました。

 本当は私が答える側であるはずですが。

 するとその大先輩は、「江戸時代に梅の盆栽が流行ったんですよ」と言います。

「樹木と言えば、大木になるものこそが良木だと思っている人が多いでしょう。しかし灌木には灌木なりの良さがあるんです」
「はい」

「梅は上手に剪定をすることで小さな鉢に収まる盆栽になります。そして冬の風雪に耐えて、春になると一番に咲く。しかも可憐な花を咲かせて香りもすばらしいと来ている」
「なるほど…」

「釧路市民も、一人一人が大木を目指さなくても、自分の伸びるところを伸ばし、増長してしまうようなところは剪定をするように自分を律する。そうして風雪に耐えて良い香りを振りまくように花を咲かせる。そういう市民になればいいとおもうんです」





   ◆   ◆   ◆

 
 梅は『好文木(こうぶんぼく)』とも言われます。

 それは昔、晋の武帝が学問に親しむと花が開き、学問をやめると花が開かなかったという故事に由来する物語からのこと。

 桜が花見の対象になってくるのは平安中期以降と言われで、古来、春の花見と言えば元々は梅の花のことでした。

 大きくなることを目指すだけが良いわけではなく、風雪に耐えて花開き、例え身は小さくとも納まるべきところに納まる。

 そして学問を好み周りを芳香で潤す。

 一人一人がそんな梅の花のような凛とした生き方を目指したいものです。

 どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
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現役ガンバレ

2013-01-03 23:45:03 | Weblog
 比較的長かった年末年始のお休みも今日でお終い。

 昨日まで嫌われて泣かれていた孫は、さすがに慣れてきたのか今日会った時は泣かれずに済みました。

 もっとも、せっかく慣れたところでまた離れている時間が長くなると忘れられてしまいそうですが。

 大写しにした写真でも飾っておいてもらおうかな。


  ◆   ◆   ◆


 今年も多くの友人、知人から年賀状が届きました。

 同世代の友人達がいよいよ現役生活での最も活躍する年代を過ごしている反面、少し年上の世代となるとそろそろ現役を引退する年代でもあります。

 多くの葉書の中に、防衛省に長く努め、昨年七月に防衛省を退官したというお知らせを送ってくれた友人からの一枚がありました。

 手書きのコメントには、「緊急呼び出しや緊急連絡の来ない夜の静寂を万感の思いで味わっています」とありました。

 防衛省ともなると、国の防衛上の一大事ということでしょうが、多かれ少なかれ、いい年になるとそれなりの責任を背負う日々が続きます。

 土木官僚は道路や河川を守り、警察官は治安を守り、ジャーナリストは報道に人生を駆け、教師は生徒達を明日の社会の人材として育て上げ、企業人は新しい提案を商品として世に送り出し明日への利益と企業の継続を求めます。

 皆、それぞれの立場で自分に与えられた仕事に責任を果たそうと精一杯努力しています。

 定年のある身分にとっては、現役でいるということは実に重たいことです。

 長い激務の労にお疲れ様と書いた年賀状を年末に出しておきました。

 さて、私はまだまだ頑張らなくては。

 明日の汽車で釧路へ帰ります。 
   
 
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