北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

手作り料理を楽しもう

2013-04-20 23:45:56 | Weblog

 ギョーザの完全手作りを楽しみました。

 ギョーザの皮はうどん粉を練って寝かせたものを小さく切って、短いのし棒で丸く伸ばします。

 娘と婿さんと三人で皮作りをしましたが、子供たちはなかなか上手く丸く熨せません。

 私は割りと簡単にほいほいと作れたのですが、これは蕎麦打ちの技術の中の「丸のし」と呼ばれる技に通じるものがありました。

 「丸のし」とは、そば粉をこねて玉にしたものを薄く丸く熨してゆく作業ですが、そのときには全体の厚さをどう面積に転換してゆくかを常に考えています。

 どこにどういう力を加えると、どういう形が広がるかをイメージできないと手早く上手にはできないものです。
 
 蕎麦打ちの技術がギョーザにも使えるとは思いませんでした。

 ちょっと厚めの皮で包んだギョーザには、春早いアイヌネギも刻んで入れて風味も満点です。

 家族で手作り料理を作るというのは楽しいものですね。

 早く引っ越し荷物を整理して蕎麦打ちもできるようにしなくては。

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ちょっと甘い話

2013-04-19 23:45:43 | Weblog


 飲み会から帰る途中で家に電話をしました。

「今から帰るけど、小腹が空いたなあ。何か甘いものある?」
「えー?甘いもの?ないよ…」

「んー、分かった。じゃあ何か買って帰るわ」

 バス停から家の間には24時間営業のショッピングセンターがあって、そこの店内を巡っているとシュークリームとエクレアが安く売っていました。

 私はエクレアが好きなのですが、以前何かの折に妻の分も含めてエクレアを二つ買って帰ったら、「んー、私はエクレアよりもシュークリームが好きだなー」と言われたのを思い出して、シュークリームを二つ買って帰りました。

 エクレアを買わなかったのは、まあこれ見よがしに好みの違いを見せつけなくてもいいかな、と思っただけ。


     ◆   ◆  


 家に着くと、妻が「何買ってきたの?」というので、「シュークリーム二つ」と言うと、「えー?実はシュークリームとエクレアを買ってあったのよ」という返事。

 見ると、私が買ったのと同じシュークリームが一つと買わなかったエクレアが一つ冷蔵庫から出てきました。

「え?なんで?『甘いものはない』って言ったじゃない」
「んー、お父さんが『甘いものが欲しいな』って言った時に、いったい何を買ってくるんだろうと興味が湧いたのよ」

 結局、互いに気を遣いながら、家には同じシュークリームが三つとエクレアが一つになりました。

 互いの偶然を笑いながらエクレアとシュークリームを食べました。

 今日になって、長女が孫を連れて家に来た時にめざとくシュークリームを見つけて食べようとしたので、妻が「このシュークリームにはエピソードがあるのよ」と顛末を話したところ、「ラブラブじゃん」という反応だったそう。

 そんな話を聞きながら、夫婦も年を取ると好みが段々似て来るものかね、と話をしていると、どうやら二人して特売に魅かれたようだ、ということも分かってきました。

 食べ物の好みも、特売好みも似て来たようです。まあ、甘いもののお話ということで(笑)。
 

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変化はビジネスのチャンスなり

2013-04-18 23:45:19 | Weblog

 ある企業の幹部の方が職場に来てくれました。

 道内の様々なところで企業CSRに力を尽くされているAさんですが、最近外国人が多く集まるようになったニセコ周辺の、倶知安町を訪ねたのだそう。

「なにか面白いことはありましたか?」と訊ねると、「ええ、ニセコって外国人が多いとは思っていましたが、オーストラリアと中国からたくさん来ているのだろうと思っていたんです」

「ははあ、私もそう思いますけど」
「ところがちょっとしたアンケートを取ってみると、なんと25カ国もの人がいることが分かりました。そして案外ヨーロッパからの来訪者も多くて意外でしたよ」 

「へえ、思い込みって駄目ですね」
「そうなんです。そして、あれだけ国際化が進んでいると、国際語としての英語が随分使われているだろうな、と思ったのですが、それならば、社員研修の一環として、ニセコ周辺へ一定期間派遣して英語でのコミュニケーション能力向上を図る、なんてのが面白いかな、と思っているんです」

「なるほど、わざわざ外国まで行かなくても良くて、それでいてコミュニケーションスキルとしての英語が身に着くというわけですか。外国語特区に近いかもしれませんね」
「はい、わざわざ社員に外国語教育の投資をするくらいなら、道内でのちょっとした派遣で、案外身につくかもしれませんよ」


   ◆   ◆   ◆


「ただ心配なのは、外国人による土地買収ですね」
「ほほう、かなり買われたのですか」

「ええ。思いのほか香港資本が入ってきていると聞きましたが、かなりの面積が買われてしまっているようで、これからまちづくりを進めようとするときになにか障害にならないかが心配ですね」
「なるほど、まさかこれほど買われてしまうとも思わなかったでしょうから、事実上規制が及ばないうちに事態が進んでしまったようですね」

「土地だけではなくて、香港資本は日本の介護事業にも参入してきているようですしね」
「へえ、本当ですか」

「はい、彼らはそこにビジネスチャンスを見出しているのでしょうね。いやしっかりしているというか、アンテナが高いというか、たいしたものです」

 


 ここしばらくニセコなどは行っていませんでしたが、まちづくりの行く末を見る中で、外国人の交流人口による振興を図ろうとしたマチの現状は面白そうなテーマです。

 そのうえで、こうした変化をただ疎ましく思うのではなく、変化に対してビジネスチャンスを見出すしたたかさも欲しいところです。

 変化を恐れて、ただ昔を懐かしむのではなく、変化を単なる事象と捕えて、「何かが変化するときにはビジネスが生まれる」という嗅覚があるかどうか。

 北海道はのんびりしていてそこが弱い、と言われそうですが、改めて「変化はビジネスチャンス」を合言葉に、目を見開いて現実を見てみたいものです。

 ニセコなら今年はまだ春スキーも楽しめそうですしね。

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新しい仲間たちとの出会い

2013-04-17 23:45:00 | Weblog

 釧路には、単身赴任で各企業や団体のトップたちによる「サンドイッチ会」という会があります。

 今回は釧路から札幌へ転勤してきた、かつてのサンドイッチ会メンバーによる、「札幌サンドイッチ会」から誘いがありました。

 集まったメンバーは約10名でしたが、懐かしい顔、顔、顔。

 それも良く見ると、釧路では声が大きくて様々なことを積極的にやってきた人が多いことに気付きます。

「釧路であれだけうるさかった人たちがこれだけ札幌に集まってしまうと、釧路は静かになりましたかね(笑)」

 もちろん、札幌サンドイッチ会のメンバーは釧路の縁を忘れたわけではないので、これからも陰に日向に釧路を応援してゆこうという気持ちは共通です。

 同じ時間を共有した仲間たちというのは同じ気持ちになれるものですね。


   ◆   ◆   ◆


 札幌に、GGアミーゴという釣りを中心にした集いがあります。

 私も推薦を受けて参加表明をしたものの、まだ会合には出席していません。

 その会合が6月下旬に支笏湖周辺で行われ、キャンプ&ワンフライコンテストという趣向で開かれるとのこと。

 もちろん参加のお願いをしましたが、今からワクワクです。

 こちらでの人のつながりも広がってきましたが、これも釧路の繋がりです。

 縁は大切にしたいものですね。 

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Xバンドレーダーで雨を捕えろ!

2013-04-16 23:49:45 | Weblog

 河川防災ステーションは、出水時には水防活動の拠点として、また地震時には支援活動の拠点や、物資輸送基地として機能する災害時における緊急対応の前線基地として活躍する拠点施設です。

 整備は、地方自治体と国が、それぞれの役割に合わせて行われますが、その中の一つが、北広島市千歳川河川防災ステーションです。

 ここは、平成17年度から平成18年度にかけて、国と北広島市(市からの受託工事)が一体となって整備をしました。

 平成19年4月に国と北広島市との間で維持管理協定が結ばれ、供用開始されています。


   ◆   ◆   ◆

 


 この敷地内に昨年設置されて、今年から運用が始まろうとしているのがX線の波長を使って、降雨の状況を把握するレーダーの「Xバンドレーダー(通称XRAIN=エックスレイン)」で、今日はその施設を見学してきました。

 降雨の状況を直接捕える降雨レーダーは、これまでCバンドと呼ばれる波長6センチほどの電波で観測されていたのですが、今回はこれを波長3センチのXバンド電波を送ることでより細かいデータが得られるものを整備しました。


 【Cバンドだとこんな風なのが】


 【Xバンドだとこんなに詳しくなる】

 既に国内では各地に配備されてきたのですが、北海道では今回北広島市に初めて設置され、今年から来年にかけて、石狩市の石狩川河畔にも設置される予定です。

 今回のXRAINが優れたところは、一度に縦波と横波を同時に発することができて、それぞれの跳ね返りの様子から雨粒の大きさを観測できるというのです。

 雨粒は、つぶが小さいうちは表面張力で球体をしているのですが、これが大雨で粒が大きくなると空気の抵抗でアンパンのようにつぶれた形となって落ちてきます。

 この粒の形の変化を縦波と横波の反射波の違いで捕えることができて、そのことで振っている雨の強度をかなり正確にとらえることができるのです。

 もちろん反射波は小さくなりますが雪も観測することができるそうですよ。

 こうした観測ための武器をより強力なものにして、私たちの社会は災害に備え、戦っているのです。


   ◆   


 地球の温暖化が進んだためか、降る雨の強度がかつてよりも大暴れするようになりました。

 降ればどしゃ降りになるし、降らないとなると旱魃という傾向が顕著になっています。

 改めて防災意識をしっかりと高めたいですね。

 なお、XRAINのデータは、こちらで見ることができますよ。北海道からのデータ提供はもう少しい待ちください。

【XRAIN】→ http://www.river.go.jp/xbandradar/

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生き馬の目を抜く地域間競争

2013-04-15 23:45:34 | Weblog

 

 札幌へ帰ってきてまだ二週間ですが、早くもあちこちから、「お帰り、まあ飲もう」というお誘いがきています。

 おかげでほぼ毎日のように夜の会合が入っていますが、各方面で活躍する人たちと会って話を聞くのはやはりためになります。

 ある先生と話をしていると、「どうも北海道は相変わらず生き馬の目を抜くような地域間競争に対して鈍感に見える」という話を聞かされました。

「具体的にはどういうことですか」と尋ねると、「地元企業と行政が結託して、より良い企業活動の促進や誘致ということを、たとえば中京圏などはもっと積極的にやっていますよ」とのこと。

「しかし北海道は支店経済が中心なので…」というと、「そういう前提からしか思考が始まらないのが問題だ」と言われます。

 挙句の果てに、「そもそも北海道のリーダーたちは、北海道全体や地域がどうなると良いとか、イメージを持っているのかねえ」とオカンムリ。

 降りかかってくる火の粉を払うだけでは、やりたいことに手が出るわけもありません。

「しかし北海道もそんなに消極的ですか?」と水を向けると、「全然ダメじゃないかな」という厳しい言葉。

「そもそも、東日本大震災の後で東京の有力な企業の中には、中枢機能を東京に一極集中しておいては危ない、と思ったところも多くて、地域に移してリスク管理しようという動きがあったんですよ。それを北海道はどれくらい受け入れられましたか?半分は福岡に言っちゃったんじゃないの?というお話ですよ」

 先生のお話は、「やはり道州制でもなんでも導入して、いまあるシステムを一度壊さないと何も変わらないのかなあ、と最近は思い始めてきましたよ」という形で終わりましたが、道州制の議論とは別にしても、地域間競争にまだ意識が薄いということはあるかもしれません。

 いくら頭が良くても、道内の人たちが頭を寄せ合って考えるよりも、一人のヨソ者を入れる方が議論やアイディアが活性化するかもしれません。

 活性化と実践こそが鍵になるかもしれませんね。

 ぼけっとはしていられませんぞ。

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挨拶状を作り始めました

2013-04-14 23:45:21 | Weblog

 やっと昨日から人生で13回目の転勤の挨拶状の作成を始めました。

 こういうのは、事前のデータベースをちゃんと作っておきさえすればそれほど複雑な作業ではないのですが、その日頃からの備えというのがなかなかできないもの。

 パソコンがあるから昔よりは大いに作業が楽になったとはいえ、切羽詰ってから焦りながらちまちまとやっています。

 


   ◆   ◆ 


 夜に、子供たちが札幌転勤の会食をしようというので出かけてきました。

 なんとはない家族との日常の会話は良いものですが、連れてきた9ヶ月になった孫が日増しに成長し、愛嬌も出てきたのを見るのもまた良いものです。

 どうということもなく嬉しくなるのはなぜなんでしょうねえ。


   ◆   ◆   ◆


 さて、赤ちゃんの話と言えば、心を育てる雑誌「致知」のメルマガにこんな記事がありましたのでご紹介します。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  「婦人の心を一変させた赤ちゃん」


     鈴木秀子(文学博士)

           『致知』2002年3月号
           特集「この道を行く」より

 

私、この間こういう体験をしたんです。

渋谷から横浜に行く東横線で、
目の前の座席に、五十代半ばぐらいの、
上から下までブランド品で身を固めた
ご婦人が座ってたんです。

きれいな人なんですが、どこかしら、
なんとも言えない陰気な雰囲気が漂っているんですね。

私はどうしてこういう人と向かい合わせに座ることに
なっちゃったんだろうと思いながら、
頭の中で、この人はきっと家で喧嘩してきたに違いないとか、
そんなことを考え始めたんです。

そこで気分を変えようと本を読み始めて、
しばらく後で目を上げると、その同じ人が、
さっきとは全然違う感じで、和やかにニコニコしながら
本当にいい雰囲気をあふれさせているんです。

え? これが同じ人かと思って。
そうしたらその人の視線が
ずーっと遠くにいってるんです。

何がこの人をこんなに変えたんだろうと思って、
視線をずっと追っていったら、
赤ちゃんがその人に手を振っていたんです。

私はそれを見たときに、ああ、
これからの世の中はいろんな変化が起こるけれども、
大事なのは、一人ひとりが、人に接したときに、
あるいはいろんな出来事のなかで、
その人の人間の深いところにある優しさ、人間らしさ、
そういうものを引き出すような生き方を
することではないかと、しみじみ感じたんですね。

私は目の前に座っていて、
いやな人と目を合わせないようにしていたから、
私からもいやなものが伝わっていったと思うんです。

でも赤ちゃんは本当に無心にその人にある
人間的な優しさを引き出したんです。


   ◆   ◆   ◆


 このお話の中で立派なのは、(いやな人と目を合わせないようにしていたから、私からもいやなものが伝わっていったと思うんです)と自分自身を省みておられたことです。

 いろいろなものごとの原因は、大抵自分の中にあるのですね。

 つまり自分が変われば周りも変わる、そのことを信じたいと思います。

 さてさて、早く挨拶状を仕上げてしまわなくては。

 

 

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ガソリンスタンドがない!

2013-04-13 23:45:17 | Weblog

 ある議員と話をする機会がありました。

 その際に言われたことは、「ある勉強会で、石油大手元売りの方の話を聞いたのですが、電気自動車が普及してガソリン消費が減ることで、町の中からどんどんガソリンスタンドが消えています。これでは大規模な災害が発生して、電気の供給が止まった時に社会が機能しなくなるのではないか、という危惧がありますよ」というもの。

 実際にまち中でもガソリンスタンドは数を減らしています。

 去る4月3日の読売新聞には、「襟裳岬に会ったガソリンスタンドが無くなり、広尾からは50kmもスタンドがなく、襟裳岬の昆布猟師は磯舟の燃料を包んで15分ほど離れた町の中心部まで買い求めに走らなければならなくなった」という報道がありました。

 同記事の中では、「かつて『えりも砂漠』と呼ばれたえりも国有林緑化が始まってから今年は60年目で観光客も増加が予想される中で注意喚起やPRが足りないのではないか、と心配されている」とありました。 → http://bit.ly/ZTAw3E

 ところがこうしたガソリンスタンドが足りない状況のことを『ガソリンスタンド砂漠』という言い方もあるようで、まさに車社会の中で、ガソリンスタンドが見つからないという状況は憂うべき状況といえるでしょう。

 そもそも経済性・効率性の大小の一方で、備蓄の可能な液体燃料と、作り続けなければ供給できない電気エネルギーという性質の違いも加味したエネルギー政策が必要ですし、一人一人の消費者としても、経済性だけではなく、リスク管理という側面を考えたいものです。

 
   ◆   ◆   ◆


 こうしたことは、まさに災害時に弱さとして露呈します。

 国土交通省では、緊急災害対策派遣隊(TECーFORCE)という形で、大規模自然災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、被災地方公共団体等に対して、円滑かつ迅速に災害対応の支援を実施する制度があります。

 先の東日本大震災に対しても、北海道開発局からはわが機械課からも電気通信機材の派遣や災害対策車などを派遣しました。

 そしてその際に分かったことの一つとして、被災地では大型車両が救援に行くので、軽油は割と調達しやすいのですが、ガソリンが不足しがちだということ。

 これはガソリンが揮発性が高くて扱いが難しいこともあるのですが、大型車両ではディーゼル車が多く、軽油はわりと扱いやすいという事もあると思います。

 我々も何台かの車両や待機支援車を送り込みましたが、そうした救援車両についてはディーゼル車にした方が良いのではないか、という意見がありました。

 同じ液体エネルギーでも、ガソリンと軽油の性質の違いもいざというときには便利・不便という形で跳ね返ってくるものです。

 私たち一人一人も、便利とリスクのバランスを取った暮らしをデザインしなくてはいけませんね。

 

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働く自動車たち

2013-04-12 23:45:08 | Weblog

 滝川まで出張して、除雪は維持管理などのためにわが部隊が保有する「働く自動車」たちを見てきました。

 昔は除雪と言えば、グレーダーという路面を削る巨大な作業者が定番でしたが、本来この機械は道路を造る際に砂利を敷き均したり砂利道が凸凹になったのを均し直す機械です。

 ところが世の中の道路整備量が少なくなったのと、道路の舗装が進んで砂利道が少なくなったことで夏に使われる機会が減りました。

 今やグレーダーと言えば、冬の除雪のために大活躍する機械の代表選手となってしまいましたが、これも新しい排ガス規制が実施されたためにメーカーが排ガス規制をクリアする新しいエンジンを開発することをためらっている状況。

 そのために現在、世の中に新しいグレーダーは出てきません。
 
 いまある現有のグレーダーが無くなった時が、日本からグレーダーという機械が消えるときかもしれません。

 そこにあるのは、一抹の寂しさというノスタルジーというよりは、除雪を効率的に行う専用車両が消える不安なのです。 


     ◆   ◆   ◆


 現在日本の公共事業では予算の削減傾向が続いていて、特に既にできているインフラを管理するための予算が減少しています。

 維持管理の予算が削られても作業は行わなくてはならないために、いきおい、管理のための機械更新費用が削られてゆきます。

 そのために、機械類が減らされることを前提とした管理体制や管理システムが要求されています。

 そこで打ち出されたのが、夏管理だけや冬の除雪のためだけ使われるという専用車両を使うのではなく、夏冬兼用の機械類で対応しようという考え方。

 そもそも機械類は、夏だけ使うとなると冬は動かず、冬の除雪車両では夏は動かさないということになり、稼働時間が少ない割には傷みが激しく、非効率的に見えてしまいます。

 それならば夏も冬も動かすことで管理のための効率を追求しようとうのです。

 これは、冬のロータリー除雪車のロータリー部分をアタッチメントにして夏は路面清掃ユニットと水散布の部品をつけて夏の管理にも使おうという車両です。





 また歩道除雪機に夏の斜面草刈り機をつけるようなアタッチメントも開発されています。

 まだこうした夏冬兼用機械の導入は日が浅いのですが、今後実践を通じてノウハウが蓄積され、改善に繋がることでしょう。

 
   ◆   ◆   ◆


 数年前の冬に、中国の黒竜江省瀋陽(しんよう)市を訪れた際に、結構な雪が降っていたのですが、当時の瀋陽市には除雪のための機械というのがなくて、たくさんの人が清掃用のスコップを持って道路を雪かきして、それをゴミ運搬車に積んで運んでいるのを目の当たりにしました。

 現代日本ではそのような人海戦術による管理はとても無理で、どうしたって効率的な機械による維持管理を求めなくてはなりません。

 世の中を維持するのに必要な力とそれを維持する対価について、多くの方に関心を持っていただきたいものです。

 それにしても、働く自動車ってカッコイイなあ。

 

 

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仕事の無駄を探せ~三方良しの公共事業改革

2013-04-11 23:45:32 | Weblog

 さて問題です。

「上司から緊急の仕事頼まれました。さてやろうとすると、別な上司からも『すまん、これ急ぎでやってくれないか』という指示。ところがさらに別な3人目の上司から『頼む、これ大至急やって』という依頼が。こんなときあなたならどうしますか。どれから取り掛かるべきか。いっそ全部とりかかろうか…、どうしよう」

 こんな状況が少なからずあると思いますが、実はこれ、今日職場で行われた講演会での講師からの質問でした。

 いわゆるマルチタスク状態に陥った時に、どういう順番で仕事をするのが良いか、というのがポイントです。

 そこで講師は、三つの作業をする一つのゲームを参加者にさせました。

 それは、まず紙を用意して、一つ目のミッションは縦に数字を1から20まで書くもの、二つ目のミッションは、縦にアルファベットをaからtまで書くもの、そして三つ目は、「〇△◇」をこの順番で20個書くというもの。

 これを、最初は、1→a→○→2→b→△→…と繰り返して、最後までいくやり方を行ってみます。

 大体一文字を書くのは、0.3秒といわれるそうですが、まあ甘く見て一個1秒として、「用意、ドン」で皆一斉に書き始めます。

 講師は時計を見ながら、「できた人から手を上げてくださいね」と言いましたが、結局目標の1分以内に書き上げた人は一人もいませんでした。


    ◆


 次に、同じ三種類の文字を20個ずつ書くミッションを、今度は数字だけ1、2、3…と書いて、書き終わったら今度はアルファベットをa、b、c…と書き、最後に「〇△◇」を繰り返し書きます。

 これまた「用意、ドン」で書き始めてみたところ、最速で終わった人が35秒で手を挙げて、皆続々と手が上がり、ほぼ全員が1分以内に書き上げることができました。

 これは「マルチタスクゲーム」と言うそうですが、つまりは、最初にあった、三人の上司から急ぎの仕事を頼まれたときにどうすればよいか、を考えると、まずどれか一つから初めて最後まで終わらせてから、次に取り掛かるのが効率的だ、ということになるのです。

 実際にやってみると、横に書いてゆくと数字からアルファベットに意識を写してさらに図形を考えるとなると、脳がイライラしているのが分かります。   

 同じ人がやって、出来上がった成果は同じものなのに、時間は半分でストレスも少ないやり方があるというわけ。

 実際にやってみてください、驚くほどの差が出るものですよ。


   ◆   ◆   ◆


 これは今日の講演の、「三方良しの公共事業改革」のなかの一コマでしたが、つまりさまざまな無駄を日常の仕事の中からみつけてこれを修正してゆくことで、部分最適ではなく、全体としての最適を見出そう、というのが趣旨。

 これ以外にもシステムに内在するさまざまな無駄に至る例を示して、結果として成果を向上させることはもちろんですが、それに参加するチームのスタッフがストレスなく、やる気に満ちて達成感と幸せを感じるようになるための様々な工夫を教えてくれました。

 講師は国交省のOBで元上司だった方ですが、こういう教養溢れる話を同じ国交省職員から聴けて大変に勉強になりました。

 仕事を多面的に見る癖をつけて様々な外部の理論を勉強したところから得たお話は実にためになりました。


 ちなみにこの「三方良しの公共事業改革」は同タイトルでの書籍が出ています。 → http://amzn.to/Zp8I78

 仕事のちょっとした癖や、人間の業みたいなものも見えてきます。

 仕事のやり方をよく考えさせられる時間でした。講師のOさん、ありがとうございました。
 
 

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