人形は笑わない

はやみねかおるさんの『人形は笑わない　名探偵夢水清志郎事件ノート』を読みました。

中学三年生になり、文芸部の部長になった亜衣。
就任早々、副部長のレーチのおかげで今年の予算がゼロになってしまった。
諸悪の根源たるレーチは、安易にも映画をとることにした。
舞台は教授が雑誌「セ・シーマ」の取材で行くことになった毬音村。
そこには不思議な人形伝説があるという。

とことんマイペースの監督レーチに振り回される文芸部員。
どこへ行っても食欲魔人の教授。
コメディタッチで話は進んでいきますが、村社会での孤独感、順調な人生に見える人の隠された悩みなど、
人の心の繊細さ、複雑さも丁寧に描かれてもいました。
子どもが読む本だからと、大人の悩みについても子どもを蚊帳の外に追いやらずに
丁寧に説明しているところに好感が持てます。