こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

マルドゥック・ヴェロシティ1~3

2007-02-01 00:00:00 | 未分類
冲方丁さん『マルドッック・ヴェロシティ』1~3まで読み終わりました。

戦地において友軍の誤爆という罪を犯した男、ディムズデイル=ボイルド。
肉体改造のため軍研究所に収容された。
その彼は、約束の地への墜落のビジョンに苛まれていた。そんな彼を救済したのが、
知能を持つ万能兵器にして無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。
この収容所では、被験者たちが敗残兵という失意の中で研究所への転属書類に
サインした者が暮らしていた。
しかし、軍はこの施設の破棄を決めた。
今後の方針は、完全閉鎖して研究のための研究に協力するか、都市の指導者の下で働くか、
ボディガードや法の執行機関のように、無力な者の盾となるかであった。

裁判の証人などを保護するために、誠実に任務をこなすボイルドたち。
しかし、都市政財界・法曹界の暗部も見せ付けられ、ギャングの世代交代抗争の影
カトル・カールとの戦いに傷つき、一人また一人と命を落としていく。

信じていたものによる裏切り、秘密主義による犠牲が、あまりにも大きすぎた事に傷つき、
ボイルドが責め苛まれていくのは読んでいてつらいものがありました。
あまりにも救いが無いので、これから読む方は覚悟して読んでください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする