芦辺拓さんの『からくり灯籠 五瓶劇場』を読みました。
実在の歌舞伎作家・並木五瓶の半生を描きつつ、歌舞伎にまつわる怪異と謎を語ってみせるという
幻想時代小説です。
夢か現か幻か、歌舞伎の台本を書いていると、日常が、半分物語の中に取り込まれたような状態に
おちいってしまう五瓶。
それを逆手にとって、幻想を現実の場に再現してしまうところが面白く、しまいには・・・と
謎は明かさないでおきますが、とても壮大な結末で驚かせてくれます。
時代の空気になじむまでに時間がかかりましたが、とても楽しく読み終えることができました。