こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

創世の島

2010-08-08 00:00:00 | 未分類
バーナード・ベケットさん『創世の島』を読みました。

21世紀、この世界では、大富豪プラトンがその富と人脈を利用して、超大国間の軋轢の結末を予測。
当時アオテアロアと呼ばれていた群島に、その財産と同胞を移し、自給自足できる<共和国>を建設。
2051年には、外の世界からこの国を隔離することに成功。
人類で唯一、世界大戦や疫病から逃れることができたのだった。

同時に彼は、労働者、戦士、技術者、特権階級である哲学者で構成する厳格な社会を築き上げる。
この島は、人類の新たなる創世をもたらすと思われた。
アダム・フォードという兵士が漂流者の少女を助けるまでは・・・。

そして21世紀末、ひとりの少女アナクシマンドロス。通称アナックスが、アカデミーの入学試験として
4時間にわたる口頭試問に挑もうとしていた。

試験のテーマは「アダム・フォード」
3人の試験官の前で、彼女は<共和国>建国の経緯や、その社会構造、歴史、AI(人工知性)の問題を、
次々と解き明かしていく。

この試験を受ける者だけに明かされる真実とその結果は、彼女ばかりでなく、我々にも厳しく、
残酷なものでした。
最後の数ページで、世界がひっくり返るような驚きに包まれます。
鮮やかな結末でした。

コメント
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