こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

スワロウテイル人工少女販売処

2010-08-26 00:00:00 | 未分類
藤真千歳さん『スワロウテイル人工少女販売処』を読みました。

<種のアポトーシス>の蔓延により、関東湾の男女別自治区の隔離された感染者は、
人を模して造られた人工妖精と生活している。

人工妖精の中でも、規定外の不良品とみなされた揚羽は、それでも廃棄されることはなく、
死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団の曽田陽平と共に連続殺人犯‘‘傘持ち’’を追っていた。

制作者の思いやりが、一日草の人工妖精を皮肉にも狂気の世界に追いやり、さらに
他者の悪意がそれを殺人鬼に仕立て上げ、ついには自治区の存亡を左右しかねない状況に、
陥らせてしまいました。

やりきれないけれど、それでもせめて事件終結後、揚羽の異常なまでの劣等感を、
今後の環境が和らげてくれることを願ってやみません。本当は、優秀なのだから・・・。

コメント
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