こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『鍋奉行犯科帳 猫と忍者と太閤さん』田中啓文

2016-05-24 19:30:47 | 読書感想
大邉久右衛門の屋敷に、忍びの者が入った。

一方は、ある藩が差し向けた者、そしてもう一方は、糠床を盗むための料理屋の息のかかった者だった。

仕事柄、久右衛門の命を狙う者がいてもおかしくないのですが、味盗みというのは忍びの者としてはいささか間抜けな感じがして、それはそれで、久右衛門の相手らしいとも思えます。

その後も、講釈師とケンカしたり、急に猫を飼いたくなったりと、それだけを書くとこのお奉行さんは子どもっぽ過ぎるのですが、というか、そうなのですが、もちろんそれぞれに事件らしい事件も起こり、ちゃんと厳しくも温情に満ちた裁きも行います。

必ず食がからみ、そのどれもがたまらなく美味しそうなのも、このシリーズの特徴です。
今回、私が一番気になったのは、忍者の糧食ですね。
こんな描き方をされると、どんな味なのか気になるじゃないですか?

硬軟取り揃えた面白さです。
コメント
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