『君に読ませたいミステリがあるんだ』東川篤哉

君に読ませたいミステリがあるんだ 東川 篤哉 実業之日本社

 

鯉ヶ窪学園高等部の新入生である僕は、四月上旬に校舎裏のプレハブ小屋にやって来た。
文芸部に入部するつもりだったのだが、うっかり第二文芸部に来てしまった。

そこで、第二文芸部部長で唯一の部員・水崎アンナに部室に招き入れられると、部室に南京錠をかけてまで入部を強制されたのだ。
しかし、僕こと主人公も黙って言いなりになるわけではない。
実践てきな創作活動をしていると言うのなら、水崎先輩の創作物を読ませるように要求した。

それからの僕は、水崎アンナの季節にちなんだ創作ミステリを読まされるようになった。

穴だらけの創作ミステリに容赦ない突っ込みを入れる僕と、苦しい言い訳を並べる水崎先輩。
なんとも微笑ましくも、笑える物語です。
しかも、水崎アンナはせっかく美少女なのに、とことん変人なんですよねえ。
僕こと主人公も、なかなか策士なので、はた目からはいいコンビに感じられました。