アルバトロスは羽ばたかない

七河迦南さんの『アルバトロスは羽ばたかない』を読みました。

これは、児童養護施設「七海学園」の保育士・北沢春菜と、学園の子どもたちが関わる
転落事件の真相を描いた物語です。

私も推理してみましたが、春から晩秋にかけて春菜が奔走した事件の中に隠された手がかりに、
少しも到達できず、見当外れなことばかりしていました。

まさか、あの人物が犯人とは！
天地がひっくり返る驚きでした。
作者のミスリードにまんまとはめられました。
参りました。

無伴奏

太田忠司さんの『無伴奏』を読みました。

介護福祉士の資格を取った阿南は、ホームヘルパーとして働いていた。
そんな時、姉から父が危ないとの電話があり、実家にかけつけたのだが・・・。

阿南が帰郷することで、様々な過去の出来事がよみがえり、白日の下にさらされます。
そして、現在においても新たな事件が起こります。
阿南一家にも、隠されたことがあったのですね。
そして今後も、阿南の心の中にだけ留められていくのでしょう。

ＭＭ９－ｉｎｖａｓｉｏｎ－

ますは、タイトルとは関係ない、我が家に咲いた黄色の彼岸花です。なかなか咲かなかったのですが、今年になって、やっと二輪咲きました。

さて、本題に戻りますが、山本弘さんの『ＭＭ９－ｉｎｖａｓｉｏｎ－』を読みました。

舞台は、自然災害の一種として‘‘怪獣災害’’が存在する現代。
７年前に出現し、他の怪獣と戦うことで人類を守る事になった、少女の姿をした怪獣６号「ヒメ」
今回のヒメは、宇宙から飛来した宇宙怪獣と戦う事になります。

それにしても、物理法則が通用しない神話宇宙とは、大きなものをぶち上げましたね。
敵とは言えども、同情する余地を残し、まだまだ物語の続きを予感させてくれるのも、なかなか面白いじゃないですか。
今後が楽しみです。

サクラコ・アトミカ

犬村小六さんの『サクラコ・アトミカ』を読みました。

絶世の美姫・サクラコをたたえた言葉。
「サクラコの美しさが世界を滅ぼす」
これを現実にしようと丁都のディドル・オルガが原子塔を作り、
周囲の七つの都市国家を滅ぼすために、サクラコを囚われの身とした。

サクラコを監視していたバケモノ、ナギ・ハインリッヒ・シュナイダーは、
彼女と交流を重ねるうちに人間らしくなっていく。
果たしてサクラコは、故郷へ帰ることができるのか？

ディドル・オルガの悪態は、多かれ少なかれ、誰でも持つ負の形。
とはいえ、読んでいて気恥ずかしくなるくらいの台詞でした。
物語自体も、気恥ずかしくなる正義と愛のストーリーですが、
これはこれで面白いと思います。

デザイナーベイビー

岡井崇さんの『デザイナーベイビー』を読みました。

城南大学病院で、生後三日の女児が誘拐された。しかも、その子は思い病気を患っていた。
やがて、院長あてに身代金要求の電話が入るのだが・・・。

次々と病院内で起きる事件。犯人の思惑とその正体とは？

子どもが欲しいというのは、結婚したなら大抵の方々は思うこと。
なかなか授かれない人々にとっては、なおさら切実な問題でしょう。
でも、少数とはいえ、キリのない欲望に突き動かされる親も少数ながらいるようです。

生殖医療のために、どういう法を制定していけばいいのか。
真剣に考えていかなければならない問題だと思いました。