小説あります

門井慶喜さんの『小説あります』を読みました。

神田神保町の古本屋で、老松郁太が見つけた徳丸敬生遺稿集。
奇妙な事に、その本には著者自身のサインが入っていた。

郁太は偶然にも、実質的には徳丸敬生の記念館のようなＮ市立文学館の嘱託職員だった。
そこが廃館となり料亭になってしまうのを止めようと、郁太は立ち上がる。
実は、文学館を買い取る会社の社長は、郁太の弟だった。
サイン本の謎を解くことと、文学館を料亭にするのを阻止すること。
この二つを郁太は実現できるのか？

「人は、なぜ小説を読むのか？」の答の一つがここにはあります。
私も明確な答は出せませんが、ここでの答に納得はしていません。
分からないと思いつつ、今日も本を読むのでしょう。