ガラスのターゲット

安萬純一さんの『ガラスのターゲット』を読みました。

世田谷の爆破事件を皮切りに、八王子、町田でも二十歳の若者の集団死亡事件が続いた。
一時は心中も考えられたが、行方不明探偵・被砥功児に対する挑戦状が事務所に届いたことで、
連続殺人事件の可能性が濃厚になった。
三つの事件の関連性と犯人の目的とは？

何とも悪意に満ちた血生臭い事件で、その悪意の生々しさに、強い嫌悪感を持ちました。
身近にあるかもしれない殺意というのも、嫌だったのかもしれません。

年刊日本ＳＦ傑作選 結晶銀河

大森望さん日下三蔵さん編集による『年刊日本ＳＦ傑作選　結晶銀河』を読みました。

３００年生き続ける子どもを産む予定の夫婦の様々な思いと生活を描いた
「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」
数学のために生きたアリスマ王とその王国の物語「アリスマ王の愛した魔物」
人間になるために犯罪に手を染めたシムは人間になれたのか？「完全なる脳髄」
など、様々なストレートなＳＦが収録されています。

中でも、唯一のコミックス白井弓子さんの「成人式」は特に気に入っています。
また、伴名練さんの「ゼロ年代の臨界点」もＳＦの架空歴史として面白く読めます。
今まで、二、三回読んでいる作品もありますが、とても楽しめました。

宇宙大密室

都筑道夫さんの『宇宙大密室』を読みました。

ＳＦ短編集と言いつつ、日本の昔話を題材にしたファンタジーも多数収録されています。
私としては、この作品群ではやはりＳＦが面白く感じられます。
頭をＳＦ向きに切り替えているからかもしれません。
特に「地獄の鐘が鳴っている」が気に入っています。

今月のわんこ生活２

遠藤淑子さんのコミックス『今月のわんこ生活２』を読みました。

何よりも食い気が先に立ち、普通の犬なら嫌がる病院も、おやつがもらえるから大好きなナナっち。
おもちゃのプピーという音が苦手なくせに、雷の音は全然平気。

ナナっちの様々なエピソードは大変面白く、とても笑わせてくれました。
犬好きの方には、特におすすめです。

アリル～午後のお茶は妖精の国で番外編

遠藤淑子さんのコミックス『アリル～午後のお茶は妖精の国で番外編』を読みました。

やさしすぎて、たびたび寝込んでしまう妖精の王女アリル。
いとこのヴィネドは、彼女に強くなって欲しいのですが・・・。

本編では敵役だったヴィネドの幼少時代「アリル」ハルシュが人間だった頃の「妖精の石」など、
ちょっぴり切ない物語が入っています。

私が一番好きなのは、領主の娘が家と領民を救うためにあることを頼みに来る「魔法使いの内弟子」です。
最後のオチが何とも微笑ましいですね。