こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ひよっこ社労士のヒナコ』水生大海

2018-04-23 19:39:54 | 読書感想
新卒では就職しそこねて派遣社員として働いていたが、ある出来事をきっかけに3年かけて社会保険労務士の国家資格を取得した朝倉雛子。
いくつかの企業や事業所の募集に蹴られ、やっと拾ってもらったのは、合格から半年弱経った4月半ばの事。
新人気分など味わえないまま、すぐに担当顧問先を割り振られ、なんとかこなしているうちに1か月。

そんな中出向いた先の会社で、遅刻や居眠り、無断欠勤を続けたあげく辞めていった社員が、失業保険欲しさに会社から解雇されたと乗り込んできた。
会社と元社員のどちらの言い分が通るのか?

友人の弟の労働時間の問題やIT会社の労働環境のあり方、雛子が資格を取ろうとするきっかけになった事件、パワハラ・セクハラ問題、最後に目新しい裁量労働制から始まったストライキ。

雛子は毎回、何らかの問題に出くわしながら解決できたりできなかったりしつつ、成長していきます。
お仕事ミステリでしょうか?殺人事件のようにはっきり白黒付けにくい内容ですが、なかなか面白くてためになりました。
ためにならなくても、面白いものは大歓迎ですけどね。
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『あきない世傳 金と銀(5)転流篇』高田郁

2018-04-19 19:36:06 | 読書感想
今回、晴れて智蔵の女房になった幸。
商才に長けた女房のため、操り人形になるとまで言ってくれた智蔵のもと、様々なアイディアと思いやりを持って商いに精を出していく。

これで穏やかな日々を過ごすのかと思っていたのですがねえ。
幸はまあ、次々と新たな荒波の中に漕ぎ出していきます。

意外だったのは、江戸時代においても、呉服屋さえ帯はただ着物を結ぶものという認識が多数だった事。
初めはぞんざいに扱われていたものが、少しずつ太く豪華になっていったのでしょうね。

さて、五鈴屋において、今後の幸がどう変わっていくのか、智蔵の事も案じつつ期待しています。
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『ハケンアニメ!』辻村深月

2018-04-15 19:48:51 | 読書感想
中堅アニメ会社・スタジオえっじで、制作進行やプロデューサーとして働く有科香屋子は、大人になってから「憧れ」てしまった監督と仕事ができるようになった。
しかし、肝心の監督が脚本に行き詰って行方不明になっている。
会社としては、監督を別の人物に任せようと考えているのだが、香屋子は関係各所に話せないでいる。

読みたいと思いつつ、発売から4年も経ってから読みました。
表紙絵の雰囲気から、声優さんを主人公に据えた物語かと思っていました。
もちろん声優さんの事も描いているのですが、どちらかと言えばアニメーターさんなど裏方さん中心の話で、とても好感が持てました。

特に、香屋子の恋愛への鈍感ぶりと言ったら(笑)私も鈍い方なので、安心感がありました。
他の登場人物も、奥手な方が多くて親近感がわきます。
なかなか面白いですよ。
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『私は誰になっていくの? アルツハイマー病者からみた世界』クリスティーン・ボーデン

2018-04-12 19:28:41 | 読書感想
46歳で若年性アルツハイマー病を宣告されたクリスティーンさん。

彼女が、新しい記憶を失いつつ短期記憶ができなくなっていく事で、何ができ何ができないか、何を思い感じているかなど、自ら綴った本です。

脳細胞が萎縮していく中、2つ3つの些細な事を並行して行えなくなり、日常生活さえできず疲れ切って放心状態になるなど、困る事が具体的に語られていきます。

私はまず図書館で借りて読みましたが、介護に携わる者としては買って手元に置き、事ある毎に読み返すべき本だと思いました。
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DVD『ライヴ・イン・大阪1984』カラヤン指揮

2018-04-09 19:37:50 | CD・DVD等
この間読んだ本の作者・ティンパニストの近藤高顯さんのおすすめもあって、聴いてみました。

モーツァルトの「ディヴェルティメント」から、音色が澄み渡り、きらびやかで華やかな中、重厚で安定感のある世界に引き込まれ、やはり、ベルリンフィルとカラヤンはすごいと思いました。

打楽器やティンパニの活躍は、その後の方がよく感じられましたし、最後のレスピーギの「交響詩ローマの松」で特に分かり迫力が楽しめました。

ちょっと引っかかったのは、映像としてはカラヤンが中心で、ベルリンフィルは楽器メインに映し出され、しかも演奏者は横顔がほとんどで、弦楽器中心で少し寂しかったというところですね。

ただ、音楽としては素晴らしいものなので、お薦めです。
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