(写真は神保町「ランチョン」の生ビール。 本記事と関係ありません)
テレビでニュースを聞いていると、時々、アナウンサーのアクセントが 「ちょっと違うのでは?」 と思うことがあります。
アナウンサーといえば話し方のプロですから 「間違い」 ではないのでしょうが、わたしには少し違和感のあるものです。
例えば、 「政治資金規正法違反の罪」 を 「政治資金規正法、 違反の罪」① と言うのがそれです。
これは 「‘政治資金規正法違反’ の罪」② と言うべきなのではないでしょうか。
つまり、②が 「政治資金規正法違反」 という言葉の後に 「の罪」 を付け加えているのに対して、①は 「政治資金規正法」 という単語と 「違反の罪」 という単語を単に並列させているだけです。
少しわかりにくいかもしれませんが、具体的なアクセントとしていうと、 「違反」 という単語に違いが出ます。
②は、 「いはん」 の 「い」 にアクセントがあるのに対して、①は 「いはん」 の 「はん」 にアクセントがあます。
これは民放のアナウンサーだけでなく、NHKのアナウンサーも含めて、おしなべて ① で発音しているように思います。
そういう問題意識でニュースを聞いていると、このような例が次々と耳に入ってきます。
「‘大手デパート’ では~」 を
「大手、 デパートでは~」 と、
「‘好評発売中’ です」 を
「好評、 発売中です」 と、
「‘南北対話’ を目指す」② を
「南北、 対話を目指す」① と・・・。
(この例でいうと、①は南北、つまり韓国と北朝鮮が対話を目指しているという意味になりますが、②ではこの両国だけでなく、ほかのどの国が主語に来てもいいし、誰が主語に来てもいいわけです)
昨日のニュースでは、
「胡錦濤主席の ‘アメリカ訪問’ では~」 を、
「胡錦濤主席のアメリカ、 訪問では~」 と、
どこかの局のアナウンサーが言っていました。
“胡錦濤主席のアメリカ” とはいったい何だ? アメリカは胡錦濤主席の所有物か? とツッコミを入れたくなります。
以上のわたしの主張が的を射たものであるかどうか、アナウンス法やアクセントに詳しい専門家の方にでも一度お聞きしてみたいもの、と思っています。