今回の「名言・佳言ピックアップ」は、韓国のことわざです。
「시작이 반이다」 (シジャギ パニダ)
「始まりが半分だ」というのが、文字通りの意味です。
「百里を行く者は九十里を半ばとす」
ということわざが日本にあるように、日本人の中にあるメンタリティーとはずいぶん違うなあ、というのがこのことわざを初めて知ったときの印象でした。
しかし、このことわざは「始めれば半分終わったも同然だよ」というような、楽観的な考え方を表すものではかならずしもないようです。
数年前に、NHKラジオハングル講座のテキストでそれを知りました。
そのときの講座の講師、チョ・ヒチョル先生がテキストに、このことわざについてこう記していたのです。
「何事もズルズルと先延ばしにしないで、まず取りかかるのが肝心だという意味です」
つまり、物事が成らないのはズルズルと先延ばしにしてしまうからで、とりあえず始めてみなさい、そうすればすぐに半分くらいはやってしまうことができますよ、ということなのですね。
なるほど、これなら「日延ばし癖」のあるわたしにも実感があります。
わたしは昔から、いやなこと、めんどくさいことをすぐやらず、先延ばしにしてしまうクセがありました。
夏休みの宿題などいつも夏休み終盤まで溜めて、最後の一日、二日に慌てふためいてやったものです。(自慢にならないって)
「まず取りかかりなさい」というチョ先生のこの教えをラジオ講座で知ってからも、それを習慣化するための行動にまだ取りかかっていないわたしです。(汗)
(「NHKラジオ・まいにちハングル講座」2008年4月号。チョ・ヒチョル先生は東海大学外国語教育センター教授)