興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

「日本 国宝展」に行ってきました

2014-10-25 | 時には芸術気分

上野の東京国立博物館で今開催されている、「日本 国宝展-祈り、信じる力」を観にいってきました。

花より団子、美術より美酒のわたしですが、たまには文化の香りにも触れようというわけです。 

 

 

 

 

会場はとても混んでいて、展示数も多く、あとで「国宝展」以外の展示も慌ただしく見ましたので、正直なところたいへん疲れました(4時間近くもいました)。

でも、日本の文化財の‘粋(すい)’を直接目の当たりにできたことは、得がたい機会であったと思います。
(図録を買ってきたので、夜、ブランデーでもすすりながら、展示を思い出しつつ、じっくりと美の世界に浸ることにします)


「国宝展」以外で興味深かったのは、同時開催の「東アジアの華・陶磁名品展」でした。
日本、中国、韓国の陶磁の名品が、ほどよい数で(全部で45点)年代順に展示されていました。


東京国立博物館ニュース2014.10-11より

そのなかで、日本の縄文期の「火焔型土器」は、わたしの故郷、新潟県長岡市で出土したものです。

その複製(拡大されたもの)は、昔、新潟国体の聖火台にも使われ、小さいころから見てきましたが、本物を見たのは今回が初めてです。
(複製はたしか、今も新幹線長岡駅のホーム下コンコースにあります)

わたしが今回実際に見た火焔型土器の現物は、意外にも高さ40センチくらいの、たいへん小さなものでした。

火が燃え上がるようす(炎)を形にして、縁に飾ったこの鉢は、いったい何に使われていたのでしょう。
水や食料の入れ物としてか、あるいはそのまま飾り物としてか。ともあれ縄文人の創作力と、デザイン感覚には脱帽です。

韓国陶磁のコーナーにあった「青磁麒麟香炉」「白磁満月壺」は、今、たまたま読んでいる韓国の国宝の本に出てきたものでした。
それが突然目の前に現れたものですから、とても驚き、かつ嬉しく思った次第です。

その陶磁の色合い、形、大きさ・・・現物そのものの感覚は、本からは決して得られなかったものでした。

こちらの「東アジアの華・陶磁名品展」は、「国宝展」のように大勢の人で混みあっているということはありませんでした。
ゆっくり観ることができるので、おすすめです。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1678