prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「イット・カムズ・アット・ナイト」

2018年12月17日 | 映画
よくわからない病気が蔓延しているたぶん近未来の世界なのだが、その病気がかなりあからさまにスーザン・ソンタグの書名を借りると「暗喩としての病い」で、異質な隣人との距離が縮まり共に過ごさなくてはいけない、その隣人が何かおぞましいものを持ち込むのではないか、という移民や外国人の流入の暗喩として見られる。

もっぱら森の中と家の中で展開する低予算(といっても500万ドル)映画で、描く範囲を絞り込むことでメタファーを利かせようという作り。低予算でも画面や音がしょぼくならないのは、技術の進化の賜物だろう。
血をがっと吐くなどのホラー的なサービスが同時に何かおぞましいものが体内にある、伝染するといったメタファーにも見せようという狙いか。

銃にしきりと頼っているところも、基本が白人と黒人の対立であることもはっきり今のアメリカの暗喩。
ただ全般にアクション・サスペンス的な描写のパンチの効かせ方が弱く、悪く言うともったいぶり過ぎ。画より狙いが前に出ているみたいな感じがある。

「イット・カムズ・アット・ナイト」 - 公式ホームページ

「イット・カムズ・アット・ナイト」 - 映画.com

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