まあ、大もとはE.T.A.ホフマンが書いたメルヘンで、それをデュマが書き直したのをさらにマリウス・プティパがバレエ用台本に仕立てたという経緯をとったものらしく、よく考えてみると音楽はよく知っていてもどんなストーリーだったのかはよく知らないことに気づいた。
実のところ、この映画を見ても話の骨格は案外とつかみにくい。最終的には悪者が退治される話には違いないのだけれど、脇のキャラクターが豪華キャストの割りに機能していない。
ディズニーのことだからディズニー式に仕立てているのだろうなと思うし、実際豪華というよりシュガー・プラムとかスイーツ・カヴァリエといったキャラクターの名前そのままに砂糖菓子のような美術・衣装で、なんだか胸がやける。ブリキ人形の兵隊たちがCGの無機質な感じで不気味。悪役のシュガー・プラムがすごく憎々しくて誰かと思ったらキーラ・ナイトレイ。
エンドタイトルにちょっと出てくる何人かが踊るバレエ(スイーツ・カヴァリエ役のセルゲイ・ポルーニンはもともと超一流バレエ・ダンサー)がすごくて、本格的なバレエ版の方がむしろ見たくなった。
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