暗がりの中で男が銃と銃剣を用意している冒頭から病院に入院している男が突然襲われて銃剣の方で惨殺されるあたりはスローテンポからおびただしい血が流れるショッキングな描写に転調するのがパンチがあるけれど、その捜査のシーンになると喋ってばかりで実際そんなものかもしれないがやや退屈する。
原題は「屋根の上の男」といった意味らしいが中盤から屋根の上から自動小銃とライフルとピストルで武装した犯人が地上の警官と通行人に乱射するというテキサス大学でチャールズ・ホイットマンが1966年に起こした銃乱射事件にヒントを得ただろうアメリカ映画みたいな見せ場が長丁場で続く。
映画は76年製作という時代のせいもあるだろうし、アメリカ映画ではないこともあってアクションシーンそのものはフィルムをふんだんに回していない感じで、その場の位置関係などもはっきりしない。
ただ、それが今のあまりに技術的に高度に完成しスペクタクルになりすぎたアクション演出とはまた違う味わいにはなっている。
マルティン・ベックが体重100キロ超えそうな巨躯のトーマス・ヘルベイで、再びアメリカ映画の刑事ものではありえない展開になるのにえっと思う。
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