虐待の描写で逃げだしたくなるようなのがあったら嫌だなと思いながら見て、実際に見るとやはり酷いと思いながら一応落ち着く。気にしながら想像をめぐらす方が精神衛生に良くない。
それを作り手も意識しているとみえて、オープニングから大賀が明るく歌いながら出てくるのが意表をつく。
主演の大賀の子供時代が肥満児でいつもにこにこしていて、顔だけ笑って先回りして虐待に先回りして自虐でしのいでいるのがわかるのだが、あからさまに顔で笑って心で泣いて式の泣かせに走らないのがいい。
吉田羊が自分の役を成熟しないまま母親になったしまった人と話していたが、ひどい母親だと思いながら演技として昇華しているとナマな不快感から離れる。
とはいえ、子供をどんと蹴とばすあたり、トリックを使っているのか知らないが、無造作にやって撮っているのがかえってショッキング。
一見爽やか青年実はイヤな奴として出てきてさらにひねってポジティブなキャラに着地する森崎ウィンのキャラクターの位置づけが今風。実は相当に精神的にタフな主人公のタフさを見えるようにしている。
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」 - 公式ホームページ
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」 - 映画.com