最近、八ツ場ダム中止問題がよく報道されている。ダム行政に振り回された地元住人の方には本当にお気の毒だが、私自身は今は、このような大規模な土木工事を行う時期ではないと思う。ただ、個々の案件については、完成させる場合のコストと中止の場合の後始末のコストを検討して慎重に判断する必要があるだろう。大切なことは、過去の支出に囚われないことだ。これはいわゆる「埋没費用」なので、将来への意思決定に影響させてはいけない。また、いわゆる経済計算は、金利や経費率をどう見積もるかで、結果がかなり変わってくるので、幾つかのケースを試算して、比較検討しなくてはならないのは言うまでもない。
このブログでも既に述べたように、戦略とは「選択」と「集中」である。財政の大幅赤字が継続する中、何に集中すべきかは、その時の時代によって異なるだろう。今現在本当に必要なものに資源を集中するべきである。
この観点から考えた時、はたして現在において多くの土木工事が必要だろうか。ケインズの理論からは、土木工事のような公共工事を行えば、乗数効果や加速度効果により、経済効果が波及していく。しかし、今は、公共工事の乗数効果は小さいようだ。
今、本当に必要ななのは、雇用対策と福祉対策であろう。将来に不安があるのに、だれが、乏しい貯金を取り崩して使おうとするだろうか。むしろ、少しでも貯蓄して、将来へ備えようとするのが人間の心理である。今の状態では、どんどん貯蓄がたまっても、金融機関は国内では投資先がないので、海外へマネーが流出し、サブプライムなどに巻き込まれるようになるのだ。
国民の将来への不安を払しょくし、安心して消費を行えるようにすることこそ、経済回復のための王道なのである。
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○関連ブログ記事
・極東ブログ
・缶 詰 に し ん
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この観点から考えた時、はたして現在において多くの土木工事が必要だろうか。ケインズの理論からは、土木工事のような公共工事を行えば、乗数効果や加速度効果により、経済効果が波及していく。しかし、今は、公共工事の乗数効果は小さいようだ。
今、本当に必要ななのは、雇用対策と福祉対策であろう。将来に不安があるのに、だれが、乏しい貯金を取り崩して使おうとするだろうか。むしろ、少しでも貯蓄して、将来へ備えようとするのが人間の心理である。今の状態では、どんどん貯蓄がたまっても、金融機関は国内では投資先がないので、海外へマネーが流出し、サブプライムなどに巻き込まれるようになるのだ。
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