文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

菅直人氏と竹中平蔵氏の論争に思う

2009-12-19 13:59:26 | 経済学
 bobbyさんから、池田信夫氏の記事「「需要か供給か」という不毛な論争」について、どう評価するかとコメントをいただいた。せっかくなので少し、評価と言うよりは、エッセイと言った感じで思ったことを述べて見たいと思う。

 確かに、菅直人氏と竹中平蔵氏の論争はかみ合っていない。それはおそらく、二人の価値観が違うので、頭の中で描く経済モデルが違うのではないだろうか。経済モデルは、そもそもがそれぞれの価値観を反映したものである。だから、何に重点を置くかによって、モデル自体が違ってくるのだろう。だから、お互いに違う価値観を持っていれば永久に話はかみ合わない。

 私が良く引き合いに出す、電気工学で使う等価回路を例にとろう。等価回路とは、解析がしやすいように、実際の回路を簡単にモデル化したものだ。しかし、現実の回路は同じでも、高周波の領域と低周波の領域では等価回路は違ってくる。経済も同様に、複雑な経済実態をそのまま扱うことは困難なので、単純にモデル化するのだ。しかし、電気工学の場合とはことなり、現在の経済状態にどのようなモデルを使えばよいのかは、色々な理屈付けはできても、結局はやってもみなければ分からないということだろう。それは、いくら理論を展開しても、数学で美しく体系づけても同じことなのである。

 この実験ができないという特性が、経済議論に多くの船頭を作り出し、お互いに考えているモデルが違うということを意識せずに、延々と不毛の議論を繰り返す原因となっているのだろう。

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コメント (2)
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