今日は、アステールプラザで開催された「地域イノベーション創出 in ひろしま」というシンポジウムを聴いてきた。このシンポジウムの一番の目玉は、RUBYの開発者として有名なまつもとゆきひろさんによる基調講演である。まつもとさんによれば、イノベーションとは、これまで世の中にないものを生み出すことではなく、いかに社会にインパクトを与えるかということだ。確かに、「イノベーション」という言葉の生みの親であるシュンペーターは、これを「新結合」と定義しており、たとえ世の中に既にあったものでも、そこに新たな価値を付加できれば、立派なイノベーションになるのだ。
続いて東京東信用金庫の桂川正巳氏によって行われた「産学官連携・イノベーション創出の取り組み紹介」として報告された、「産学官連携による『江戸っ子1号』の開発」はとても興味深かった。「江戸っ子1号」というのは、深海を3Dビデオで撮影するための深海艇のことで、東京の中小企業と大学が連携して、8000メートルの深海でも撮影可能なものを開発している。なお、このネーミングは、大阪の「まいど1号」に対抗してのことらしい。向こうが宇宙なら、こちらは深海と言うわけだ(笑)。深海の様子も紹介されていたが、あんな深さでも、魚類が結構いるというのには驚いた。
続く近畿大学教授の京極秀樹氏による「三次元造形技術がもららすデジタルものづくり革新」も面白かった。これは、金属用3Dプリンターについての紹介だった。樹脂用の3Dプリンターはかなり普及してきたが、金属用はまだこれからのようだ。
この後、2つの発表が控えていたが、あまり興味がないようなテーマだったので、ここで引き揚げた。
ところで、会場だが、椅子が階段状に並んでいるだけで、机の部分がなかったため、きわめてメモが取りにくかったのが難点だった。