文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

鈴虫のお土産(思い出シリーズ36)

2015-12-05 13:26:05 | 思い出シリーズ
 学生のころ、同じアパートに、某菓子メーカーの経営者一族の息子が住んでいたことは既に書いた。結構金持ちの家だったのに、なぜ、我々のような庶民御用達の安アパートに住んでいたのかは、未だに謎である。彼が通っていた京都工芸繊維大学に近かったということがあるのかもしれない。

 彼の家に、同じアパートの連中と遊びに行ったことも、以前書いた通りだが、このとき彼の実家に鈴虫を飼っているのを見つけた。元々昆虫大好き人間なので、興味を持って、何か言ったのだと思うが、さすがにお金持ちの家は太っ腹だ。鈴虫、持って帰りなさいということになった。

 虫好きの私としては、何も考えずにありがたくいただいたのだが、これが間違いにもと。何しろ、私が住んでいたのは、四畳半の学生用アパートの一室。それも京間なので狭い。我が家にやって来た、鈴虫は、環境が変わっても、夜になると、元気に鳴く。しかし、これを風流だと思ってはいけない。あれは、どこかそこらへんで、わびしく鳴いているのを聞くから風情があるのであって、狭い部屋の中で、何匹も一斉に鳴いていたら、そのうるささはかなりのものである。夜ろくに寝られないくらいだの音量なのだ。もちろん、アパートの他の住人が引き取ってくれるはずもなく、かといって、もらったものを外に逃がすと言うのも気が引けるので、冬が来て、鈴虫さんたちがご臨終になるまで、こんな状態が続いていた。

○関連過去記事
またしても寺の跡取り息子の話(思い出シリーズ35)
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