文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

鬼棲む国出雲

2024-10-28 22:47:50 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)


 高田嵩史さんの「古事記異聞」と名付けられたこのシリーズ。舞台は出雲だが、出雲といっても、今の出雲市だけではない。要するに島根県の東半分、昔で言う出雲の国ということである。

 主人公は東京麹町にあると言う設定の日枝山王大大学院に新学期から通う橘樹雅(たちばなみやび)という女子学生。実は彼女就職希望だったのだが、志望する会社は全滅。一流企業に入って、エリートサラリーマンと恋に落ちと頭の中に描いていた夢は儚くも崩れ、大学院に進むことになった。

 彼女は民俗学に興味を持ち、民族学の研究室を主宰する水野教授の研究室に入るのだが、肝心の水野教授はサバティカルイヤーで長期休暇中。研究室を任されている准教授の御子神伶二や助教の並木祥子は一癖も二癖もありそうな変人である。それでもめげずに研究テーマの出雲を取材するために旅立つのだが、そこで事件に巻き込まれる。

 古代の出来事と現在の事件をクロスオーバーさせるという手法は、他の高田作品と同様。でも彼女と事件がクロスオーバーするのは全体の7割近くである。これはさすがに遅すぎるのではないか。まあ、古代史の謎が色々提示されるのは面白いと思うのだが。
☆☆☆☆










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