小雨、15度、81%
我が家は男の子が一人だけです。それで、お雛様といっても、貝のあわせ雛しかありません。もうひとつは、
目の細かい、麻の布に刺したお雛様。何かと気ぜわしい3月、お雛様のために和菓子をと、いつも考えるのですが、どうも作れないままです。
私自身、一人娘なので、実家には、わたしのお雛様があります。この家にあるお雛様も立ち雛ですが、実家のお雛様もやはり立ち雛です。
小さいとき、家に飾ってあったお雛様のどちらだったでしょうか?頬にほこりが付いていました。椅子にのってその埃を払ったつもりのわたしでしたが、実は頬にスウーっと、汚れをつけてしまったのです。それを見た父が、とても怒って、わたしの目の前で、お雛様を床に投げて壊してしまいました。初めて父に叱られたと覚えています。
母は、何も壊さなくてもいいのに、というようなことを言っていました。初めて叱られたのと、お雛様が壊れたのでその晩は、悲しいやら怖いやら。
ところが、次の日にはもう新しいお雛様が、一番上の壇に並んでいました。
父でしょうか?母でしょうか? わたしを気遣ってのことでしょう。古いお雛様、壊れたほうのお雛様がどうなったのか知りません。
実は、このブログを書き始めて、壊れたお雛様のことを思い出しました。ずっと、実は忘れていたのです。いやな記憶だったので、忘れようとしていたのかもしれません。ほんとに、長いこと思い出したことがなかったのですから。
今度実家に戻ったら、お雛様、二体だけでももらってきましょう。新しくなったほうのお雛様です。
今年は、この貝雛と、わたしが刺したお雛様。もう一度、ゆっくり昔のことを思い出して。