霧、22度、98%
昨日は24節気の一つ、啓蟄でした。地が緩み、土の中の物たちが出てくる日だとされています。香港でも、この日は、街角などで、面白い貼り紙や火を焚いてなにやらしている人だかりを見ることが出来ます。
25年前、初めてこの様子を見た時は、啓蟄とも知らず、こんな紙で祭り事をしている様子に、文化の違いを感じたものです。
紙で出来た虎に、豚の脂をのせています。生の脂身にもびっくり。これにはいわれがあるようです。
中国広東の古い言い伝えに、暖かくなると、白虎がお腹を減らせて目覚めてくるので、豚を祀って、人間への害を無くそうとしたそうです。その祀りをこの啓蟄に行ったとか。香港では、黄色い虎なんですけど。こうした光景、なかなか見ることが出来ません。魔物が現れ易いところ、というので道端や路地で、おばあさん達が集まってやっています。それも年々、火の取り締まりとかで規模が小さくなっているのです。
この紙の虎と豚の脂を、一年中携えているおばあさん達がいる場所があります。香港島、ワンチャイとコーズウェイベイの中間にある、オーバーフローの下です。「拝神婆」と呼ばれているおばあさん達です。
このおばあさん達、「打小人」といって、例えば嫌いな上司や、ご主人の浮気の相手などを懲らしめてくれるらしいのです。その方法が、名前を書いた紙を、古い靴でベシャベシャと打つだけのもの。この、お祓いのようなものは年中やってくれるのですが、クライマックスが、啓蟄です。
昨日、通りかかると 長蛇の列。おまわりさんが整備にあたっています。
日本の丑の刻参りとか藁人形などと、その根底にあるものは違わないのかもしれません。それでも、こうして観衆のもと平然とやっているのを見ると、もっとドライに感じます。お値段は香港$50、日本円にして500円ぐらいです。