雨、16度、67%
キリスト教では1月の6日は公現祭といい、キリストの誕生を東方の三博士が祝う日とされています。フランスではこの日に、アーモンドクリームの入ったパイを焼きます。それが、ガレットデロワ、王様たちのガレット。つまり東方の三博士を意味します。このパイにはフェーブという小さな焼き物を一つ忍ばせます。切り分けて、そのフェーブが当たった人は、その年一年好運が巡って来るといいます。
今年のお菓子の焼き初めに、このガレットを焼こうと5日からパイ地やらアーモンドクリームを仕込んでいました。ところがチクチクを始めますと、パイ地をのばして、クリームを絞って焼く、その行程すら時間がもったいない。しかも、膝の上にはクリスマス以来お太りになった方が、スースーといい寝息をかいています。この睡眠を妨げたくもない、様々な思いで、いえ、結局は怠慢なもので、昨日やっとガレットデロワを焼きました。
気が付けば鏡開きの11日です。お汁粉ならぬガレットデロワでおやつにしました。
フェーブの入らないアーモンドクリーム入りのパイはピティビエと呼ばれます。アーモンドクリーム、クレームダマンドはバターと砂糖とアーモンドの粉少しの卵で作ります。このクリームはカスタードクリームやホイップクリームほど日本では馴染みがありません。重いクリームです。私はカスタードクリームよりこのクレームダマンドが好きで、フルーツのタルトにもこのクリームを使います。いかにもフランス菓子と思わせるクリームです。
フェーブなど持ちませんので丸のままのアーモンドを入れました。このガレットを食べるのは、私とモモさんです。どちらがアーモンドを当てても文句なし。パイを焼いている途中から、部屋はバターのいい香りで一杯です。
パイを出してきてテーブルに置くと、ご覧のように、モモさんお待ちかね。もう一息冷めてからが美味しいからね。と待たせています。
いつか、フェーブを手に入れたいと思っています。先日、知人が東京にフェーブの専門店があるらしいと教えてくれました。フランスならまだしも、東京です。フェーブの収集家がいるのでしょうか。パイの中から、小さな陶器が出て来る、想像しただけでも、なんだか可愛げです。