チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

黒豆、新豆と古豆の炊き比べ

2015年01月05日 | 料理

曇り、18度、88%

 12月の初旬には、豆類は新物と古い物の端境期です。福岡の行きつけの豆屋には、まだ古い豆しかありませんでした。天神の岩田屋の地下にある富澤商店では、古物は少しお安くなって、新物がでていました。3年前に黒豆は、古物の方が味があって料亭では古物を使うと聞いたことがありました。その時は、豆屋が古物を売るための方便だろうと思っていましたが、別のところでもまた同じ事を聞きました。そこで、豆屋で買った古豆と新豆を炊き比べることにしました。豆の種類は、どちらも丹波の飛切りです。

 まず、元旦用に古豆から炊きました。一晩、たっぷりの水に浸けて、翌朝から炊き始めます。ひとつまみの塩とひとつまみの重曹を加えて、常に水の面がフツフツしている状態で炊き続けます。灰汁が出ればあくを取り、水かさが減れば水を足します。柔らかくなるまで炊きます。この柔らかさの目安、壁に投げてつぶれるくらいと聞いたことがあり大笑いしたことがありました。一番てっとり早いのは、噛んでみること。でも、指先で押したときの弾力で次第に柔らかさの加減が分かるようになります。充分に柔らかくなったら、ザルに取って、流水で静かに洗います。きれいに洗った鍋に戻し、水を豆の嵩の八分目まで入れます。ここに砂糖を加えます。普通は豆の量と同量の砂糖といわれますが、それではベトベトになります。すっきりとした黒豆に仕上げたいので、私は豆の量の8割にしています。この砂糖の半量を鍋に入れ、蓋をして砂糖が溶けるまで、火にかけます。ほんの5分程です。その後、蓋をしたまま完全に鍋が冷めるまで放置します。私はルクルゼの鉄鍋で作りますから、鍋が冷めるまで随分時間がかかります。蓋をとると、砂糖が溶けた分水かさが増しています。さて、完全に冷めれば、残りの砂糖を足して、再び5分程火にかけます。そのまま、一晩置けば出来上がり。この砂糖が溶けると豆と水かさがちょうど同じになります。砂糖水と豆の浸透圧の差で豆の中にじっくりと甘みが入って行きます。

 全く同じ炊き方で、新豆を元旦の晩からに始めました。黒豆は、年末あちこちに少しずつですがお分けします。それに甘みが少ないので、ポイポイと食べることが出来ます。あっという間になくなる黒豆です。

 炊く過程で新豆と古豆の大きな違いは、柔らかくなるまで火にかける時間でした。新豆が4時間に対して、8時間近くかかった古豆です。アクの出方も古豆の方が遥かに多くでました。ただ、豆の皮のはじけは圧倒的に古豆が少ない。艶や大きさは、殆ど変わりありません。ただ食感、食べたときの口に拡がる豆の香りが違います。新豆は、柔らかくほんわりとしたやさしい味です。古豆は噛みしめるとしっかりした豆の味がします。黒豆らしい香りは新豆です。 こちらは新豆。皮が弾いているのが分かります。見出し写真が古豆です。

 さて、炊く分には新豆の方が随分時間的には楽だと思います。新豆の女の子のような優しい味か、古豆の酸いも甘いも分かったような芯のある味が好きか、お好みでそれぞれです。実は、いつも最後に蜂蜜を落としててりを付けますが、今年は味比べのために、蜂蜜はパスしました。蜂蜜のほのかな香りが、味の邪魔をすると思ったからです。

 主人も私も、新物古物、甲乙付け難しという判断に至りました。モモさんは???だそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする