曇、15度、86%
毎日チクチクをしていた一月半の間、自分なりに決まり事を作っていました。とにかく朝座ったら、切りのいいとこまでとか、この糸が終わるまでとか、いろんな理由付けをして少しでも刺す時間を延ばそうとします。そりゃあ、1分でも長く座っていれば、一目でも二目でも先に進みます。主人が朝いる時は、それなりに普通の朝の仕事をするのですが、出張が多い人ですから、いないときは起きたらすぐにでも刺したくなります。
朝は、いつものように掃除をすること。朝ご飯の食器はすぐに洗うこと。新聞2紙には必ず目を通すこと。当たり前のことですが、モモさんと二人じっとしていますから、散らかるのは私が座っている周りだけです。夕方にその周りと台所をさっと拭けばよさそうなものです。昼ご飯の食器もすぐに洗っておくこと。これは夕飯の前に洗うとなると夕飯の用意に差し支えます。そして、家にいるのですから、モモさんと私の食べるパンぐらいは焼くこと。一日の刺繍が終われば、糸くずは始末して休むこと。
書出してみると、笑ってしまう程当たり前のことばかりです。もちろん、食料の調達にも出なければなりません。モモさんの散歩はこれまた必須事項です。思わぬところからの長電話、思わぬところからの断れないお呼ばれ。この分なら1月以内に終わるなと見通しがついたのは、1月の10日過ぎでした。2月には旧正月の休みがきます。ハンドキャリーで届けたいと思っているので、尚更、カレンダーが気になります。一応決めたこと、どうにか一日のけじめですから、続けることが出来ました。よしよし。
一昨日、モモの夕方の散歩の途中、刺し終えた刺繍を手に額屋さんに行きました。2月の第1週には額装が仕上がります。ほんとにやれやれと家に戻ってきました。そして散歩用の靴をを脱いだときです。左足の中指の先っぽが妙な感じです。靴下の先っぽに穴が空いています。たった今あいた穴ではなさそうです。
洗濯を終えた靴下を昨日繕いました。繕いながら思います。きっと、掃除をしたつもりの家の中も、ここかしこの隅っこには、ほこりが溜まっていそうです。自分の靴下の穴も気付かぬほどですから、主人のものの穴やシミにはまして気付くはずもありません。そういえばこのひと月、主人のワイシャツの襟や袖口をゴシゴシした覚えがありません。なんだ、自分がすることなんてこんなことなのね。開き直っているのではありませんが、まあ、好しとしましょう。
刺繍の針はニードルブックに戻しました。花糸と呼ばれる刺繍糸も缶に戻りました。
しばらくは、自分にうんざりしながら、隅っこのほこりや穴繕いに励みます。