晴、20度、78%
我が家から歩いて3、4分のところに大きな森のようなところがあります。小さい頃には「末永別荘」だと聞かされていました。母の話では、博多駅の駅弁を担う「寿軒」の社長さん持ち物だそうです。外から見る限り、家など見えないほどに広い土地です。 この森の入り口は、モモさんもココさんもよくチーをさせていただいています。
高校を出てこの地を離れました。もう40年以上前です。そして日本すら離れました。いつ頃かこの土地の前を通ると、立派な建物が見えます。 「末永文化センター」と書かれています。
九州交響楽団の大きなトラックも停まっています。末永さんはご自分の家の隣に九州交響楽団のための本拠地を作って贈ったそうです。
先日、ポストにチラシが入っていました。父の日のきのう、小さなコンサートがあるそうです。昨日で53回目、歩いて数分のところでプロの方の演奏が聴けるなんてと早速前売り券を買いに行きました。事務所の方にお話を聞けば、毎回、趣向を凝らして音楽を身近なものに感じてもらえるようにとおしゃっていました。今回は前に流れる七隈川を隔てた「城南高校」の吹奏楽部とのコラボです。
九州交響楽団の練習用の施設です。ステージなどはありません。楽員の方たちは同じ高さのフロアーで演奏してくださいます。もちろんみなさん普段着です。集まった200人ほどの人たちも皆、普段着。小学生からご高齢の方まで何とも和やかな集まりです。
素人の私たちにもわかりやすい曲選び、 1曲ごとに説明が入り、打楽器だけの演奏、管楽器だけの演奏の聴き比べなどもありました。
音響効果の良いホールでの2時間はあっという間におしまいでした。こんな普段着の演奏会以外にも九州交響楽団のフルメンバーでの定期演奏会もあります。次の日曜日には井上道義を指揮者に迎えての演奏会だそうです。そういえば、私のピアノの先生はこの九州交響楽団の何代目かの主任指揮者「安永武一郎」さんの奥様でした。安永邸に通った頃を思い出します。おそらく一難下手な教え子だったはずです。
いい音楽に身を委ね、ホールを出て来ても日は高く、風の抜ける森を出て家まで歩きます。とても幸せな気分でした。