曇、26度、84%
この夏は自分でよくカレーを作ります。暑さです。食欲が減退します。香港の夏に食欲がないなんてことはありませんでした。カレーを食べたくなれば近くに小さなインド料理屋さんがありました。小さな真っ黒いおじさんが作るカレーの味は、私たち夫婦の口に合います。東南アジアのカレーだって本場に近い味が手軽に楽しめました。福岡でそんなカレー屋さんをまだ見つけ出せずにいます。それで、小さな真っ黒いおじさんのあのカレーの味をと家で作ります。インドの香辛料は引越しの荷物にも入れました。主人が事あるごとに買い足して来てくれます。インドのバスマティライスだって持って帰って来ています。パンニールのチーズも自分で作り始めました。このひと夏で私のカレーは飛躍的に美味しくなりました。そしてお味も着々と小さなおじさんの味に近づいています。
今までカレーは辛さを食べるものだと思っていたのですが、最近、辛さではないと感じました。香りです。食欲がない時、カレーを作りながらも食べれるかなあと心配です。ところがあのたくさんのスパイスの一体した香りで、俄然食欲が出ます。もちろん口に入れれば後は止まりません。「あー、良かった食べれるわ。」と「開胃」という漢方の言葉を思い出します。香港の漢方屋さん、夏になると「開胃」という言葉が書かれた漢方茶を店の前にぶら下げています。煎じて飲んでくださいという薬草のお茶です。試したことはありません。ただ、この夏の食欲減退のたび、カレーの香りで「開胃」の意味を知りました。胃がすっと食べ物を受け付けてくれるのです。
昨日は白身魚のカレーを作りました。いつもの鯖よりさっぱりしています。お魚を使ったカレーは南のカレーに多いそうです。このカレーもココナッツミルクを使ったサラサラカレーに仕上げました。南と北ではスパイスが違います。ココナッツミルクを使うのも南です。インド南のカレーは東南アジアのカレーにつながります。ココナッツミルクの甘い香りも食欲をそそります。お魚ですから煮込む必要はありません。さっと作ってさっとお腹に入れました。
近くに美味しいお店がないのでこの30年以上のインド料理作りに拍車がかかっています。タンドールで焼いたチキンが食べたく思います。小さなおじさんの小さなインド料理屋さんは、キッチンにドラム缶で作ったタンドールを置いていました。さて、私はどうやってタンドール料理を作ろうかと思案中です。