雨、28度、81%
高さが40センチほどの小椅子があります。竹で出来ています。 香港に行った当初、30年以上前に買ったものです。雑貨屋さんの高い天井には大きなザルなどがぶら下げられて売られています。その中にぶら下がっていた小椅子です。とてもお安いものです。当時、500円もしなかったのではと思います。この6角形の形が珍しくて求めました。4角のものは今でも探せば売っていはずですが、6角の小椅子はこれしか見たことがありません。
香港人、どんな時に小椅子を使うのでしょう。市場のお豆腐屋さんでは根っこや豆殻を取ったもやしが売られています。お高いもやしです。高級なレストランではこうしたもやしを使います。「銀芽」と呼ばれるもやしです。「銀芽」をせっせと作っているのはおばあさん達でした。ずらりと並んだおばあさん達はこんな小さな竹の椅子に座って、ひたすらもやしの根っこと豆殻を取っていました。もう見ることとない光景です。
我が家ではベットサイドにランプを置いて使っていました。こんな一見ボロなものを引越しの荷物に入れるかどうか一瞬迷ったことを覚えています。庭で使えばいいわと日本にやって来ました。この2年、プリンターを乗せて使っていました。プリンターの台が別にできたので、「マコデス」を育てているガラスのドーム専用に日の当たる場所に移しました。 今まで2階に置いていたのでココさんがこの椅子を見るのは初めてです。興味深げにクンクンと匂います。もしかしたら微かにモモさんの匂いがするのかもしれません。
竹は丈夫です。香港では工事現場の足組も竹を使っていました。流石に古いこの椅子、足台にするには怖い。香港生まれの竹の椅子は日本の縁側でゆっくり日向ぼっこです。