チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

岸田劉生展 東京ステーションギャラリー

2019年10月07日 | 日々のこと

曇、19度、75%

 一昨日、上京しました。いつものようにお昼前に福岡を発ちます。羽田に着くと、思いかけず主人以外にも息子と孫娘の出迎えに会いました。行く前から、羽田から東京駅に行きたいと主人には伝えてありました。ステーションギャラリーで開催中の「岸田劉生展」に行くためです。空港で孫娘たちとは別れて東京駅に向かいます。主人と一緒に訪れる美術展は何年ぶりでしょう。

 岸田劉生没後90年を記念しての催しです。岸田劉生の描いたものは娘「麗子像」の数々の絵しか実際に見たことがありません。ただ、雑誌「白樺」に投稿していた劉生の文章をまとめた本を数年前に読みました。劉生自身の生い立ちやその画歴もおおよそは知っているつもりでした。今回は時系列に展示されています。画家を主体にした場合、美術展は時系列に展示するのが基本だと思います。画家の作品、その頃どんな人に師事し何に影響を受けていたか、どういう交友関係にあったのか、そうして背景を知ることで当時の劉生像が浮かび上がってきます。あまり知られていないことですが劉生は一時日本画家に転向します。その日本画も今回は多数紹介されています。

 37歳という若さで世を去ります。長生きしていれば多くの作品に会えたことと思います。多くの「麗子像」、「自画像」この2つのテーマも女性像の「麗子像」老年の「自画像」と年を重ねることが出来たのではと若くして亡くなったことを悔やまれます。「麗子像」「自画像」以外はほとんど初めて見るものばかりでした。劉生がヨーロッパの印象派に影響を受けた頃の初期の作品の一つ「築地風景」と題された油絵が私の心には残りました。夕方の光景です。夕日の様子を表現したかったのでしょう。真ん中にまっすぐ伸びた道がピンクに染まっていました。いつか私自身が見た光景と心の中で重なります。

 主人は私などよりはるかに丁寧に作品を見て回ります。忙しい仕事の間のお休み、ポッと頭に空間が出来てくれたらと思います。ギャラリーを出ると丸の内口の美しいファサードが待っています。東京駅の改築はまだ進んでいますが、辰野金吾が造った当初の東京駅の美しさはずっと残して欲しいものの一つです。

コメント
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