チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

映画「さざなみ」45YEARS

2016年04月20日 | 映画

曇り、20度、87%

 時折、一人で映画に行きます。娯楽映画なら連れと一緒の映画もいいのですが、いい映画、いい音楽の後は口を開きたくありません。不意に映画に行くことも、朝から今日は行くぞと行くこともあります。どちらにせよ、観たいもの、決して時間潰しには行きません。

 シャーロットランプリング、40年ほど前「愛の嵐」で彼女を観て以来、ずっと気になる女優さんです。その彼女が、今年のアカデミーで主演女優賞にノミネートされていたのがこの映画「さざなみ」です。地味な映画や小品は香港では上映されないことがしばしばです。先週から一部の映画館で「さざなみ」45YEARSが始まりました。

 45年間連れ添った夫婦の物語です。45周年のパーティーを予定してる直前に夫の元に来た一通の手紙から物語が始まります。夫の結婚前の山で遭難した許嫁が、アルプスの氷の中で50年前の姿のまま発見されたという手紙です。その手紙で動揺し過去を振り返る夫。それを側で受け止めるシャーロット演ずる妻のケイト。

 お話のストーリーは、多少の差こそあれ永年の結婚生活ならば日常的な話です。夫の様子を見て昔の許嫁の姿に苦しむ妻のケイト。確かにシャーロットが大袈裟ではないいい演技をしていると思います。その時ふと思いました。既に70歳になるシャーロット、きっと自分の実生活でも同じような思いをした経験があるのではないでしょうか。口角を緩めたその表情は演技であるにしても、目の移ろいは演技以上のシャーロット自身の過去を思う目であったように思います。

 ウィークデイの昼下がりの香港の映画館、女性の姿が目立ちます。幕前の館内の話し声、英語、広東語、フランス語。それらの女性達がこのケイトの上に自分の姿を重ね合わせているようです。

 真っ暗な映画館から一歩出ると、別天地のような繁華街。10歳も年上のシャーロットの昔と変わらぬ姿勢の美しさに、映画そのものよりも心打たれて家に向かいました。

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納豆のタレ

2016年04月19日 | 日々のこと

曇り、20度、89%

 私は九州の福岡の出身です。昭和30年代初め生まれの私は、納豆を小さい頃食べたことがありませんでした。おそらく納豆との出会いは、大学で東京に出てからのことです。大学時代は高校からの友人達に会うと、納豆を食べることが出来るかどうかが話題になります。納豆を抵抗もなく受け入れた私です。当時はスーパーでも経木に包まれて売られていました。辛しは付いていたかどうか記憶が定かではありません。けど、間違いなく「納豆のタレ」は付いていませんでした。息子が小さい頃住んでいた東京の街には、お豆腐屋さんがやって来ました。もちろん関東のお豆腐屋さんですから納豆もあります。納豆の横にはカゴに入った小袋の辛しが置いてあり、ご自由にどうぞともらいます。これまた「納豆のタレ」など付いてはいませんでした。福岡に帰省すると母が納豆を食べ始めていました。福岡でも納豆が売れられるようになったのは昭和50年代に入ってからだと思います。

 香港にやって来た30年ほど前、日系のデパートの食品売り場で納豆は買えましたが、かなり高い高い納豆でした。「納豆のタレ」が入っているのを見つけたのはここ香港で買った納豆です。

 今や、辛しは付いていなくても、「納豆のタレ」は付いています。納豆にタレと辛しを入れて刻みネギで食べる、ごく普通の食べ方です。タレが付いている納豆しか食べたことない世代が成長して行きます。この納豆のタレも様々、かつおだし、合わせ出し、だし文化の日本らしいネーミングです。どろりとしたものさらっとしたもの。どれも結構甘みがあります。どうもこの手のタレが気に入りません。このタレだけでは足りないのか、「納豆のたれ」は瓶入りで売られていたりします。

 私はタレも辛しもおネギもお醤油も入れずに食べます。小粒をゆっくりと噛みしめます。大豆の持つ旨味が口に拡がります。よく噛むので段々口の中はネバネバ。納豆菌が舌先をぴりっと刺します。これまたうまい。タレや辛しはそれなりに相乗効果で旨味を増すのでしょうが、納豆本来のうまさが損なわれているように思えます。味の濃い物に慣れてしまった舌には、物足りないかもしれません。私が食べる納豆は香港で売られているごく普通の日本の物です。これが薦包みの納豆ならまたうまさは格別だろうと想像します。

 納豆の発泡スチロールのパックの蓋は取れて容器のまま食べれます。タレの小袋も飛び散らないように工夫されています。日本らしい細やかさです。時にはその細やかさを不必要に感じることがあります。たまには何も付けないで、一口でも納豆をそのまま味わってみてください。

 

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やっぱり桜餅

2016年04月18日 | 菓子

小雨、23度、88%

 桜の季節も移ろい始めています。北海道に桜の花が咲くのは5月の初めだそうです。今年も友人が、桜の咲き初めから八重桜まで京都の景色とともに写真をほぼ毎日見せてくれます。ぽってりした八重桜を見ていると、やっぱり桜餅を食べなくてはと思います。花より団子です。

 香港でも日本からの冷凍した桜餅が売られています。でも、おあんの用意さえあれば桜餅はあっという間に出来ます。おあんに道明寺粉、桜の葉っぱ。おあんは冷凍庫にあるし、道明寺粉は袋半分だけど10個ぐらいは作れそう、葉っぱも充分。という訳で、早速。水を充分含ませた道明寺粉を蒸し器にかけている間、あんを火取ります。蒸し上がった道明寺粉を蒸らして、あんこを丸めて、熱々と思いながら道明寺粉に包みます。水に取って塩抜きした桜の葉っぱに包めば出来上がり。

 最近は道明寺粉を電子レンジで蒸す方法もあるそうです。そうなるともっと手軽に出来る桜餅です。桜餅いたって簡単に出来るのですが、ひとつ腐心するのが桜色。ピンクにほんのり染めたいのに、加減で色濃く染まったりします。 桜の葉っぱから見える桜餅のピンクの色には気を遣います。二枚葉っぱを重ねて包むもよし、一枚でくるんと包むもよし。お茶と一緒に頂いた桜餅、実はまだほんわかと暖かな桜餅でした。暖かな桜餅もまたおいしい、お家で作ったからこそ暖かな桜餅が食べれます。塩漬けされた桜の葉っぱは、生のときよりもいい香りを発します。桜餅と思うのはこの葉っぱの香りを思い出した時。今年はいい色に染まった桜餅でした。

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「すぐやる人」

2016年04月17日 | 日々のこと

ガス、23度、97%

 先日の帰国時に本屋で「すぐやる人は全てを手に入れる」と題された本が目に入って来ました。手に取ったわけではありません。ただただ、その題名に深く頷きます。「すぐやる人」と聞くとパッと思いつく人が一人。

 桜の並木がご自宅の近くにある人がいます。その桜をみながら、桜の塩漬けを作ってみようとおっしゃいます。今では簡単に買えば手に入る桜の塩漬けです。桜の花などない香港に住んでいる私は、彼女に厚かましくも桜のジャムを作ってみてと頼みました。桜の花の盛りを見たすぐ後のこと、あの桜色のジャムがあったらいいなあと思います。どなたかが、少しリンゴを桜に足すといいとも書いてあったのを思い出しその事も彼女に伝えました。お願いした私、すっかり忘れてしまっていました。

 昨日、桜のジャムがアップされています。薄い薄いあの桜色のジャムです。瓶のガラスを通して見える桜の花びら、うっすらと香りがあるそうです。一握りの桜から試しなので桜だけで作ってみたのだそうです。

 彼女はフルタイムの仕事をしています。お年を召したご両親の世話もしています。そんなこと分かっていて桜のジャムを作ってとせがみました。私が「すぐやる人」と聞くと思い浮かべるのは彼女です。新しいお菓子のレシピを手に入れるとすぐに作ります。古裂を見るとすぐに裁って何かを作ります。庭木の手入れだって自分でします。昨日はコキアの種から芽が出た物を沢山小さなポットに植え替えていました。このコキア大きく成長すると、彼女の手で庭箒に仕立てられます。

 忙しい、時間がない、物に手を付けない言い訳をします。それが言い訳に過ぎないことは当のご自身が一番ご存知です。そんな言い訳をする前に「すぐやる人」は物事に手を付けます。この1年近く、そんな彼女の生活を垣間見せてもらいながら思いました。「すぐやる人」とそうでない人とでは身に付くもの、手に入る物の量的差は計り知れません。「すぐやる人」は失敗を恐れません。失敗するのが当たり前だとぐらいに思っているはずです。私より随分若い彼女のこうした生活態度に毎日背中をドンと付いてもらっています。

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十勝の甘納豆でお茶を

2016年04月16日 | 日々のこと

ガス、20度、98%

 人様が食べている物を見ると、急にそれが食べたくなります。以前、友人が自分のお昼ご飯を毎日アップしてくれていました。彼女の仕事柄、普通のお昼よりやや遅目のお昼です。私はお昼ご飯が終わったばかり、彼女の食べる物をみてると非常に食べたくなります。その最たる物が、チャンポン。やっと香港でもチャンポンを食べさせてくれるお店が出来ました。聞くと海の向こうの九龍サイドです。わざわざ海を渡るのもねえ、と必ず彼女がチャンポンを食べた翌日の私のお昼は自家製チャンポンでした。

 昨日は、一日雨で家で細々したことを片付けていました。3時少し前、日本の友人が桜餅にたっぷりとしたお抹茶でお茶をしてると写真をアップ。お茶の色と薄い薄いピンクの桜餅、これまた食べたくなりました。そういえば今年はまだ桜餅を作っていないわ。私もおやつにしようと席を立ちます。そうそう、頂き物の十勝の金時豆の甘納豆がある。十勝の金時豆と小豆の甘納豆を頂いたのですが、小豆は甘いお赤飯用にとってあります。金時の袋を切ると金時豆のあの匂い、小豆と違った匂いです。金時を口に放り込みながらお茶を点てます。私がソワソワと台所でしていると、さっきまでいびきをかいて熟睡の方がやはりウロウロ。あなたもおやつの時間ね。

  ぺたんと床に座って、お茶を一服。横に座ってる方は、お茶にも興味があるようですが、金時だけよ。雨の午後のちょっとした時間です。

 今日はどなたの食べた物に魅かれることやら。

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地震のご心配ありがとうございます。

2016年04月15日 | 日々のこと

小雨、ガス、21度、98%

 昨晩、熊本県熊本地方を震源とする地震があったのをまず知らせてくれたのは東京に住む息子でした。福岡に住む祖母の安否を気遣い電話をするけど繋がらないと言って来ました。私もすぐに電話をします。90歳近い義母です。連絡の手段は電話のみ、最初の電話では繋がりません。2度目、拍子抜けするくらいにのんびりと義母が電話口に出ました。ホッとします。

 福岡は地震が少ない土地ですが、11年ほど前に玄界灘沖地震がありました。以来、福岡でも決して油断は出来ないと知ります。11年前の地震が起きるほんの数分前に私は福岡から東京に飛び立ちました。ちょうど香港から福岡、東京と廻る予定でした。東京に着き息子に電話すると福岡の地震を知らせてくれます。まず、一人暮らしの母に次に主人の実家に電話しますが共に繋がりません。幸いどちらの家も何事もありませんでした。母に電話が繋がった時のことを思い出します。まだ元気でしたね、「花瓶がひとつ割れたわ。」との声、懐かしい。たった11年前のことです。

 昨晩は義母の声を聞くと安心してそのまま私は休みました。主人は時折まだ余震が続いているようだと枕元に知らせに来てくれます。お恥ずかしい話、いい気に朝まで休みました。起きて来て携帯の画面を見てびっくりします。私が福岡の出身だとご存知の方達からご心配のメッセージを沢山頂いています。福岡に住む友人は、「大したことがないから心配しなくてもいいよ。」と現場中継です。

 昨晩、義母に電話が繋がらない数分間、連絡手段は固定電話、携帯の2つのみということに今更ながら気付きます。しかも携帯なんて何処かに置いたままです。今回は大事には至りませんでしたが、これから義母との連絡の取り方、何かあった時の対処の仕方を今一度考え直してみるつもりです。大雨、地震、そんな時、いつものことですが息子の祖母への対応の早さに感謝します。

 昨晩、のうのうと休んでいる私に地震のご心配のメッセージをくださった方々、ありがとうございます。こんなお心遣いを受ける度に自分に振り返って恥ずかしく思うことしばしばです。亡くなった方が出ていると聞きます。先程も余震があったようです。熊本をはじめ近隣にお住まいの方達、お気をつけ下さい。

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コーヒーのマジックケーキ

2016年04月14日 | 菓子

ガス、21度、99%

 先日、ピスタッチオのマジックケーキのことを書きました。知人友人から作りたい、失敗したけどなどとメールをもらいます。コーヒーのマジックケーキで作り方を、コーヒー以外に何でもアレンジ出来る気軽なマジックケーキです。

 型は15センチの丸形。

 1、卵黄、2こ。砂糖、45グラム。バター、55グラム。薄力粉、55グラム。ミルク、200cc。濃く落としたエスプレッソ、50cc。

 2、卵白、2こ。砂糖、30グラム。

 型の準備、底が抜けない物の方がいいそうですが、すっぽりと型全部をクッキングシートで被います。最初にスポンジケーキの要領でクッキングシートをひいたら、このマジックケーキの生地は液状ですので少し底から漏れました。側面に切り込みを入れて一枚で型を被うようにします。

 ボールに1の卵黄、砂糖を入れ、白っぽくなるまで泡立器で混ぜます。 そこに、湯煎で溶かしておいたバターをトロトロと入れて行きます。しっかりとバターが馴染むまで混ぜます。次に、ふるっておいた粉を一気にバター生地に入れます。ちょっと力強くかき混ぜて、 生地が艶が出るまで混ぜます。ここに濃いめに落としたエスプレッソとミルクを合わせて250ccを少しずつ入れます。この時のミルクは温めるか室温に戻しておきます。バターと粉の生地に混ぜるので温かい方がスムーズに作業出来ます。またエスプレッソでなくて、インスタントコーヒーをミルク250ccに溶かしても同じように出来ます。初めは硬いのですが、ミルクを全部入れると、 このように液状。つまりこれが主人が言う、ジャバジャバ状態です。

 次に、2の卵白、砂糖できめの細かいしっかりしたメレンゲを作ります。しっかりと角が立つくらいに立てます。

 一番大事なところは、このジャバジャバの液状とメレンゲを合わせるところです。普通のスポンジでは、メレンゲを形がなくなるまで混ぜ込みますが、メレンゲがポコポコと残っている状態で止めます。4回に分けて液体に混ぜ込みました。最初の2回は完全メレンゲを入れ込みます。目安はメレンゲ全体の7割を完全に残り3割をポッコポコ状態に混ぜることです。一番最後に入れたメレンゲは泡立器の先で叩きつけるように液体に混ぜるだけ、 この状態です。用意しておいた型にそっと流し込みます。

 オーブンは150度に予熱しておきます。湯煎で焼くので、少し熱いかなくらいのお湯を沸かしておきます。 ひと回り大きなバットにタオルやペーパーナプキンを敷き、型を置きます。型のそこから2センチほどの高さまでやや熱めのお湯を注ぎます。この状態で150度のオーブンで30分から40分焼きます。この低温、焼き時間が長いのもこのケーキの特徴です。30分ぐらいで竹串を刺してみて、ねっとりした物が付いてくれば焼き上がりです。焼き過ぎると3層ではなく2層になります。

  焼き上がり、このときケーキの中央はウォーターマットのようにボヨンとしています。型のまま、 あら熱を取って、型のまま冷蔵庫で2時間近く冷やしてください。 切り分けると、一番上のスポンジ、2番目のクリーム、そこのプリンとしたフランが3層になっています。

 抹茶、ピスタッチオ、コーヒーと作りましたが、見た目のきれいさは抹茶でしょうか。主人など、このケーキは味より見た目のあっ!だよとおっしゃいます。

 近くの友人にお届けの約束をしたので、近日中、また焼きます。

 失敗しても諦めないで、何度も続けて焼いてみてください。なーんだ簡単、になりますよ。

 

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久しぶりの食パンと型の話

2016年04月13日 | 日々のこと

雨、21度、99%

 主人に食パンを焼いて欲しいと言われたのは、もう2週間以上前のことです。頂き物の食べ物もあります。その上、私が焼いてみたいお菓子やらパンが優先されていました。もう一つ大きな理由がありました。焼いて欲しいと仰る割には、主人はあまり私の焼いた物を食べません。その上、年齢のせいか夫婦揃って食べる量が減って来ています。我が家のプルマン型(食パン用の型)は2斤。生地を1200グラム用意します。今まででしたらすぐになくなるところが、冷凍庫に小分けしても2週間近く持ちます。

 今使っているプルマン型は、もう30数年の付き合いです。私がパンを焼き始めた頃からずっとです。食パンがうまく焼けるようになるまで、何度失敗を重ねたか一番よくご存知なのはこの型です。でもそろそろ小さめの型に代えようかと考え始めました。たかだか型とお思いでしょうが、その型にピッタリの生地の量、焼き時間を掴むのにどれだけ苦労したことやら。先日、日本に帰国した折もプルマン型の前で悩みます。

 やっと決心してプルマン型を探しに出かけました。香港でも最近ホームベーカリーのおかげでパンを自宅で焼くのが流行っています。パン用の粉も選り取りみどりです。プルマン型、台湾製、中国製のペラペラな物ばかり、やっと新潟の燕三条で出来た日本製を見つけました。欲しい1斤型ですが、形がちょっと。プルマン型は同じ容量でも形が色々あります。私が使い続けている2斤型は30数年前のtakakiベイカリー(アンデルセン、リトルマーメイド)と同じ型です。食パンといえどもそれぞれのベイカリーが好みの縦横の長さの型を持っているそうです。形がねえと、悩みますがしっかりした作りのプルマン型です。燕三条で作られていることが気に入って、買って帰りました。型おろしをします。空焼きを二度繰り返している間にパン生地を仕込みます。1斤ですから、600グラム。

 焼き時間、窯延びの具合は様子をみながらです。まあまかな?

  左が30数年の2斤型。右が1斤型。2斤型もまだ使う機会があるので取って置きます。これからの主流は1斤型、どれだけこの1斤型でパンを焼くことやら、でも左の2斤型を超えることはないと思います。

 実はこのひと月、お菓子の型も大きいもの、数年使わなかったものの始末をしています。私がお菓子やパンを作り始めた30数年前は、ケーキのサイズは21センチが主流でした。パンもお菓子も今より大振りでした。最近はケーキは15~18センチ、パンだって小ぶりに変わって来ています。もちろん私達夫婦の食べる量が一番の理由ですが、作るもののスケールダウンを考えての整理です。型のスケールダウンとともに基本のレシピをその大きさに合わせて作り変えている最中です。24、21、18センチの三段のケーキを作ったのは息子の小学校の誕生日。思い出もある型ばかりですが、整理をする日はいつか来るだろうと考えていました。数少なくなった型でお菓子、パンを焼き続けます。

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Pistachio Magic Cake

2016年04月12日 | 菓子

小雨、19度、89%

 緑色のケーキが好きです。和菓子にはよもぎやお抹茶の緑がありましたが、緑色のケーキはやはりお抹茶の普及が貢献しています。私がケーキに使うのは、お抹茶、ピスタッチオ、アボガド、ほうれん草の緑です。お抹茶の濃い緑からアボガドの優しい淡い緑までどの色もケーキとなるとその存在感を発揮します。香りはお抹茶が一番、ほのかにナッツの香りのピスタッチオ、ちょっとバタ臭いアボガド、ミルクと合わせるとまさかと思うようなほうれん草。ひとつの型で焼くだけで3層になるマジックケーキをピスタッチオで焼いてみました。

 普通なら信じられない量のミルクを投入します。焼く前の生地はほぼ液体状態。お菓子を作っていると主人が台所に入って来て、「何を作ってるの?」と尋ねます。横で見ていて、「ああ、ジャバジャバケーキね。」その通り、ジャバジャバの生地を型に流して焼きます。 低温で時間をかけて蒸し焼きにするとこうなります。ピスタッチオは皮のない物をブレンダーで細かく刻みます。ピスタッチオをペースト状まですり潰すと色がより鮮やかになります。プチッとしたナッツの感覚が欲しいのでやや荒く潰しました。焼き上がって、冷まして一旦冷蔵庫に入れて冷やします。真ん中の層のクリームを締めるためです。ああ、待ち遠しい、早く食べたいのに。

  ケーキの側面もクリームの一番上のスポンジも優しい黄緑に染まっています。底のフランにはピスタッチオがプツプツお顔を出しています。

 焼きながら、このマジックケーキってアメリカチックなケーキだと思うのですが、流行の震源地はフランスです。ひとつの型で簡単に出来る、3つの口当たりが楽しめるケーキです。もちろんモモさんも、パクリ。

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桜色

2016年04月11日 | 日々のこと

小雨、21度、93%

 お彼岸も過ぎて人気のない菩提寺の墓地の一角に桜が吹き溜まっていました。たった一本古い桜の木が墓地にはあります。この春先のお墓と桜の木のコントラストは、いやが上でも桜の存在感に目を見張ります。吹き溜まった桜の花びら、遠目には白く見える桜もこうして寄り添うとはっきりと桜色を見せてくれます。

 この2、3年続けて桜の季節に帰国しました。桜を見たいと思う気持ちは、国の外にいれば尚更です。今が盛りの時はいつも外してしまうのですが、桜の散る頃には戻ります。地面に拡がる桜の花びらを見て思います。この桜色を身に纏ってみたい。日本古来の花を見るとその色を身につけたいと思います。杜若、露草、山茶花や蠟梅。しかも出来たら紬の着物が好もしい。杜若や露草の色なら着る事が出来そうです。ところがこの桜色となると難しい。年齢ではありません。私の人柄に桜色がそぐわないのです。

 それでも紬の桜色に魅かれて手元にと求めたのが、志村ふくみさんの古袱紗です。 この桜色、花が咲く直前の桜の木の皮から取られた色です。あんな無骨な木の皮にこんな繊細な色が潜んでいます。染色には疎い私は、てっきり花から染め上げる物だとばかり思っていました。 ここ数年、桜の季節にはこの古袱紗を手に取ります。

 お寺の吹き溜まった桜を見ながら思いました。私の人柄が桜にそぐわないのは、私自身がそんな風に自分を育てることが出来なかったということです。60歳を前にして、桜色に似つかわしく自分を育てることが出来なかったことを寂しく思いました。

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