晴、21度、96%
先週、主人の新居の準備で上京しました。私が東京に着いたのはお昼過ぎ、主人はまだ香港からの機中の人です。到着後は会社に直行、落ち合うのは7時過ぎの約束でした。ゆっくりと時間があります。私は今月2度目の上京、そして今月2度目の羽田から上野に向かいます。
川崎造船所を率いた松方幸次郎の収集した絵画、彫刻、書簡など150点ほどの展示です。作品の年代ではなく彼が手に入れた時系列での展示でした。松方コレクションの一部は西洋美術館の常設展に出品されています。こうして一堂に観るとその数、質の高さに驚きです。
今回も皆さんお目当はモネの「睡蓮」だったようです。一体、モネは「睡蓮」を何枚描いたのでしょうか。こんな私でさえも早朝から夕方までのいく枚ものモネの庭の池の「睡蓮」の絵を観ています。
私自身はマチスとゴッホが観たくて行きました。マチスは一枚きり、その線の流れ構図、色彩共にマチスの作品でした。いつまで観ていても飽きません。
ゴッホもまた幾枚もの自分の寝室の絵を描いています。黄色の使い方が印象的な寝室シリーズですが、窓枠の緑や置かれている物の赤い色の使い方が微妙に違います。ゴッホの花の絵は「ひまわり」が有名ですが、アムステルダムの「ゴッホ美術館」で見た多数の花の絵は「ひまわり」ばかりではありませんでした。今回は「薔薇」の絵です。筆致はゴッホのそれですが、色使いは今まで見たゴッホの花とは趣を異にしています。
他にもクールベの作品にも印象に残るものが数枚ありました。好きな作者の絵だけで満足します。こうした大きな絵画展の記念品売り場には興味がないのですが、最近3Dを使っての絵画の複製が求められるコーナーがあります。展示で好きな絵の複製があると必ず立ち寄ります。以前に比べて本当によくできた複製です。手書きの複製の頃よりもお値段も手頃です。家に一枚と思う人の気持ちがよくわかります。
まだ期間始まったばかりの「松方コレクション展」です。上野の駅に向かいながら、いつものことですが美術館の中央集権を思います。地方の美術館にもこうした展覧会の催しがあればいいのになあと思いつつ、毎朝、「福岡市美術館」の横を走り抜けます。