暑い暑い、お昼間、真っ盛りの時間帯の住宅街、バス停。
そんな時間にも出かける人々がいる。
わたしは、首に、水で濡らしたクーラーチョーカーをぐるりと巻きつける。
省エネタイプの冷却グッズ。
「この暑いのに、また首にそんなもの巻いて!」と、ある人に驚かれたが、いったい誰が冷却用以外に首に巻く?(スカーフとかを巻くわけない)
この人物はいつも、ちょっと1本足りない。
なので、2本足りないわたしとは、バランスが合っている。
わたしといると、気が抜けてイイんだそう。
ただし、ぬるい炭酸が抜けたサイダーは、美味しくなくてオススメできない。
常に緊張を強いられる立場にいる人とは、温度差がありすぎて、お互いトラブルの元なので接し合わない。
娘たちなどは、その典型的な例。
テンポのずれたわたしに、イラつくんだと思う。
わたしもズレを自覚しているので、なるべく邪魔をしないように、そっと後方からお手伝いさせてもらっている。
時々、意図しないご褒美(例えば、孫の絵画が入選したとか)が天から降ってきて喜んでいる。
そう言えば、わたしは自分の子供が絵画で入賞しても観に行ったことがない。
関西の中心都市である大阪市に展示されるとかだったが、わざわざ足を運ぶ時間も気力もなく、行かずに観ないままだった。
子育て&自分育て真っ盛りの時は、余裕がない。
子供達にはかわいそうなことをした。
そもそも、主要5教科(4教科)への本格的取り組みは就学と同時にスタートし、リタイアすると終了するものと考えていた。
副教科(音楽、図工、体育、技術家庭)は、勉強に本腰を入れるまでの期間と、リタイア後のお遊び、と捉えていた。
かつて仕事で、芸大の入学案内に関わったことがある。
その中で、卒業後の就職案内が紹介されていた。
彫刻科の就職先は、、、と見てみると、リタイア後に充実した時間を楽しめる、となっていた。
なんと!
就職には役には立たないことを最初から事前に告知している、、、学校もスゴイ。誤魔化しがない。
芸大主席卒で世界のピアノコンクールで受賞したり、音楽の先生になったり、そういうコースはある。(ごく一握りの優秀な人)
音大の授業料がすごく高いけれど娘さんを卒業させた、ある知り合いの親ごさんが嘆いていた。
「娘は卒業後、全く活動せず引きこもりになっている」と。
実社会との折り合いは難しい。
ある知人。
学校の先生に、「息子さんにはピアノの才能がありますが、コースはどうしますか?」と問われて、「音楽とは無関係の普通コースでお願いします」と親ごさんは返事したと、親ごさんご本人から聞いたことがある。
わたしの娘に、「同じようなことを先生に聞かれたらどうする?」と尋ねてみたら、「断るわ」と即答した。
皆んな、夢より現実志向。
大金持ちになった元同級生は、子供達を全員好きなコースに進ませた。
芸術の道。第一子、第二子、アーティスト、俳優、そして30歳手前の第三子は、まだ進路未定。
さらにさらに、最近、第四子が生まれたようで成人したころには父親はこの世にいるかどうか?
わたしはお金も肝っ玉も度胸もないので、子供たちを小さく手堅いコースに育ててしまった。
まあ、どのコースだったとしても紆余曲折はある。
子供は子供の人生だ。
強制した覚えはないが、影響を受けたかも知れない。
親は見本でもあり、反面教師でもある。