孫。
3番目孫・6歳女児は、絵を描くのが大好き。
最近は、裏が白い広告チラシや使用済事務用紙を使って、ミニ冊子仕立てでお絵描き。
ストーリー付きで、お姫様がヒロイン。
現実的な展開は絵と共に、なかなか面白い。
手足が大きい伸びやかな人物と、色使いが大胆。
1番上孫・小5男児は電車の路線図などは細かく描けるが、絵となると、性格が出る。
大きな白紙スペースに、隅っこに小さな小さなものを描く。
パパが、「もうちょっと大きく描いたら?」とアドバイスすると、ほんの少し気持ちだけ大きくなるが、やはり余白だらけ。
1回目とそう変わらない。
最初から大きく描くと全部描き切れないと危惧してのことだろうか。
ユニーク。
わたしの兄。半世紀以上前、中学生の頃。
当時、同じ中学に通う姉が、ある日、美術の授業でのこと。
「こんな絵を描く生徒がいるが、これは最悪。最もダメな見本」
そう言われて先生が皆んなに見せてくれたのは、見覚えのある兄の絵。
姉は、顔に縦棒線、ざざざー。
電車マニアの兄が田園の向こうに走る電車を描いているのだが、絵の3分の1は、画面に黄色の服を着た人の胴体、上半身だけが斜めになって占める。
その胴体の向こう側に、田んぼと電車が見える。
姉は、すごく恥ずかしかったらしい。
が、何にも周りに言わなかったそうだ。
わたしが今、思うには、斬新な構図だと思う。
美を担当する美術の先生ともあろう人が、あんな評価をするのには失望した。
身内を貶されたため?身贔屓か。
いや、それ以前に、わたしはあの構図は良いと今でも思っている。
かえって、向こうのほうに小さく映る電車が強調される。
メリハリ。
それと同じ感性で、小5孫の、画面にスカスカの、余白だらけの小さい絵も、悪くないと思う、、、のではあるものの、やはり絵心、センスがないのは認めざるを得ない。
まあ仕方ない。
彼は運動もあまり好きではなさそうで、オタクの道、まっしぐらに進むような予感がする。
しかし、オタクはサブカルチャーとして地位を確立されているし、オタクのほうが、いじめられなさそうで良いかも。
みんな、オタクの子が多そうなので、オタクはオタクをいじめないのではなかろうか。
同類。
性別は関係ないとは思うが、6歳女児はなかなか感性豊かで、わたしを楽しませてくれる。
オタク街道まっしぐらの、絵の下手な兄ちゃも。
電車のことで知りたいことがあれば彼に聞けばわかるので、心丈夫だ。
覚えることが好きなオタク孫は、駅名、地名をはじめ、ニュースに興味がある。
学科として、社会科は好きな科目になりそうだ。
低学年の頃は宿題が嫌で嫌で、絶対に宿題したくないと抵抗して結構、難儀したが。
それにしても。
兄の中学の美術図工の先生へ。
身内を庇う気持ちはさておき、時代が半世紀以上前とは言え、もう少し柔軟な目を持ってほしい。
数学のように答えは決まっているわけではない。
仮にも学校で生徒を教える立場で教育に携わる先生がそんなことでは、センスそのものを疑う。
究極は、テイストの個人的な好き嫌いなんだろうか。