以前、『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』という、
長~いタイトルの本を取り上げたことがありますが、
これも長めのタイトルとそのインパクトに惹かれて買った本です。
『キミはヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか』は今年の2月に朝日文庫より刊行されました。
著者の北尾トロ氏は、1958年生まれのフリーライター。
日々の生活のなかで、気になって仕方がないけれども、やるにはちょっと勇気がいる。
そんなことにチャレンジしてみようじゃないかという企画で、
同企画の第1弾は『キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか』(幻冬舎文庫2006年刊)でした。
これはデラックス版(何がデラックスなのか不明)が朝日文庫から2011年に刊行されているようです。
さて、読み終わってみると全部が全部おもしろかったわけではありません。
ふ~んてな調子で終わってしまう話も多かったのですが、
いくつかはプッとふきだしたりニヤリとしたりしてしまう話がありました。
表題の「ヒマラヤ下着」、ご存じでしたか。
その名のとおり、ヒマラヤの寒さにも耐えられるという触れ込みの下着なのだそうです。
値段は堂々の15000円、しかも品質によほど自信があるのか、色は白のみ。
さすがにエベレストまでは行けないから、北尾氏は相当寒い信州、駒ヶ岳の標高2612m地点へ。
絶景ポイントゆえ、撮影に訪れているカメラマン多数。
そんななか、意を決して服を脱ぎ、白のシャツとパッチ姿に。
隣には商品の性能を比較すべく、ヒートテックを着た同行者。
結果はヒマラヤ下着の圧勝で、ヒートテック着用者は寒さに耐えきれずに降参。
街なかでは「寒いどころじゃなかった。気分が悪くなるほどの暖かさ」のヒマラヤ下着、
そうそう必要になることもないでしょうが、体験談はおもしろおかしく。
そのほか、北尾氏がチャレンジしたのは、
サラリーマンの平均小遣い45000円で1カ月を乗り切る、高齢者用のオムツを着けてみる、
路上ライブや詩集売り、足の立たない沖のブイまで泳いでみる、などなど。
オムツ着用体験は、着けているからと言ってそこで放尿はなかなかできないもの。
人間たることの何かをあきらめた老人の気持ちがじんわりわかって、ちょっと悲しい。
気持ちがめちゃわかる!と笑ったのは、「居酒屋で説教オヤジに意見する」。
いえ、何も私は意見したいわけではありません。
他人同士の会話を耳にして、喉まで出かかっていることってありますよね。
たとえば最近なら、劇場トイレの順番待ちで、おばちゃん3人が交わす会話に、
「名前の表記を変えた人、なんていう人だっけ。以前はローマ字だったんだけど」。
「井浦新やで」と口を挟みたくなりました。
同じくこんなこともありました。
ラジオを聴いていたら、ラグビーの大八木淳史が「大森さんのお父さんで、
ほら、どうしよう、あれ~、名前が出てこない、坊主頭の」。
その時点では大森さん=大森南朋であることも周囲の人はわからないから、
父親の名前なんて出てきそうにもない。
私はラジオのこちら側で「麿赤兒やってば~」と叫んでいました。
北尾氏が自分で企画を考えるひまがなかったときに、
編集者から提案されたのがマラソンかバンジージャンプかの二択。
二択と言っても、こんな二択ではバンジージャンプしかない。
よみうりランドで22mの高さまで上がって悪態をつく様子は笑えます。
「なんちゅうか本人は決して望んでいないのに飛ばねばならないこともあるわけよ」などと、
往生際悪く係員に絡むのですから、係員、失笑。
係員によれば、カップルで来ても騒ぎつつちゃんと飛ぶのは女性のほう、
男性はかなりの確率でリタイアするんだとか。
私も一度やってみたいと思いつつ、今まで来てしまいました。
こりゃやっぱり一度飛んでみるか!?
長~いタイトルの本を取り上げたことがありますが、
これも長めのタイトルとそのインパクトに惹かれて買った本です。
『キミはヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか』は今年の2月に朝日文庫より刊行されました。
著者の北尾トロ氏は、1958年生まれのフリーライター。
日々の生活のなかで、気になって仕方がないけれども、やるにはちょっと勇気がいる。
そんなことにチャレンジしてみようじゃないかという企画で、
同企画の第1弾は『キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか』(幻冬舎文庫2006年刊)でした。
これはデラックス版(何がデラックスなのか不明)が朝日文庫から2011年に刊行されているようです。
さて、読み終わってみると全部が全部おもしろかったわけではありません。
ふ~んてな調子で終わってしまう話も多かったのですが、
いくつかはプッとふきだしたりニヤリとしたりしてしまう話がありました。
表題の「ヒマラヤ下着」、ご存じでしたか。
その名のとおり、ヒマラヤの寒さにも耐えられるという触れ込みの下着なのだそうです。
値段は堂々の15000円、しかも品質によほど自信があるのか、色は白のみ。
さすがにエベレストまでは行けないから、北尾氏は相当寒い信州、駒ヶ岳の標高2612m地点へ。
絶景ポイントゆえ、撮影に訪れているカメラマン多数。
そんななか、意を決して服を脱ぎ、白のシャツとパッチ姿に。
隣には商品の性能を比較すべく、ヒートテックを着た同行者。
結果はヒマラヤ下着の圧勝で、ヒートテック着用者は寒さに耐えきれずに降参。
街なかでは「寒いどころじゃなかった。気分が悪くなるほどの暖かさ」のヒマラヤ下着、
そうそう必要になることもないでしょうが、体験談はおもしろおかしく。
そのほか、北尾氏がチャレンジしたのは、
サラリーマンの平均小遣い45000円で1カ月を乗り切る、高齢者用のオムツを着けてみる、
路上ライブや詩集売り、足の立たない沖のブイまで泳いでみる、などなど。
オムツ着用体験は、着けているからと言ってそこで放尿はなかなかできないもの。
人間たることの何かをあきらめた老人の気持ちがじんわりわかって、ちょっと悲しい。
気持ちがめちゃわかる!と笑ったのは、「居酒屋で説教オヤジに意見する」。
いえ、何も私は意見したいわけではありません。
他人同士の会話を耳にして、喉まで出かかっていることってありますよね。
たとえば最近なら、劇場トイレの順番待ちで、おばちゃん3人が交わす会話に、
「名前の表記を変えた人、なんていう人だっけ。以前はローマ字だったんだけど」。
「井浦新やで」と口を挟みたくなりました。
同じくこんなこともありました。
ラジオを聴いていたら、ラグビーの大八木淳史が「大森さんのお父さんで、
ほら、どうしよう、あれ~、名前が出てこない、坊主頭の」。
その時点では大森さん=大森南朋であることも周囲の人はわからないから、
父親の名前なんて出てきそうにもない。
私はラジオのこちら側で「麿赤兒やってば~」と叫んでいました。
北尾氏が自分で企画を考えるひまがなかったときに、
編集者から提案されたのがマラソンかバンジージャンプかの二択。
二択と言っても、こんな二択ではバンジージャンプしかない。
よみうりランドで22mの高さまで上がって悪態をつく様子は笑えます。
「なんちゅうか本人は決して望んでいないのに飛ばねばならないこともあるわけよ」などと、
往生際悪く係員に絡むのですから、係員、失笑。
係員によれば、カップルで来ても騒ぎつつちゃんと飛ぶのは女性のほう、
男性はかなりの確率でリタイアするんだとか。
私も一度やってみたいと思いつつ、今まで来てしまいました。
こりゃやっぱり一度飛んでみるか!?