夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『エスケイプ・フロム・トゥモロー』

2014年07月26日 | 映画(あ行)
『エスケイプ・フロム・トゥモロー』(原題:Escape From Tomorrow)
監督:ランディ・ムーア
出演:ロイ・エイブラムソン,エレナ・シューバー,カテリン・ロドリゲス,
   ジャック・ダルトン,アリソン・リーズ=テイラー他

前述の『思い出のマーニー』とハシゴ、同じくTOHOシネマズ梅田で。

ランディ・ムーア監督は、フロリダ州ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで無許可撮影を敢行。
夢の国の楽しいお話ならともかく、ものすごくダークなファンタジー。
今日現在、ディズニーから訴えられずに済んでいるというのですから、
ディズニーの懐が深いのか、相手にするのもアホらしいと思っているのか。
全編モノクロ、徹底して不気味。イカレています。

中年男性ジムは、妻エミリー、息子エリオットと娘サラを連れて、
休暇を過ごすためにディズニー・ワールドを訪れている。
休暇最後の日の朝、上司からの電話で突然クビを告げられるが、
家族にそれを言い出せないまま、アトラクションへと出発。

凹んだ気持ちを知る由もない妻は口うるさいし、息子も娘もワガママの言い放題。
現実から逃避しようとアトラクションに目を向けるが、
なぜか人形の顔つきが歪み、邪悪な眼差しをジムに送るではないか。

そんなとき、フランス人の若い女性がジムの視界に入る。
露出度の高い服を着た2人に目が釘付けになり、
追いかけるように2人と同じアトラクションにばかり入るジム。

おかげでエリオットは気分が悪くなって吐くわ、
サラは押されて転び、膝をすりむくわ。
ジム自身も爪先に怪我して出血の惨事に見舞われ……。

ぶっ飛んではいますが、無許可・低予算で撮ったと思えないほど映像が綺麗。
ぶれぶれではないから、映像に酔うこともありません。
その点はB級っぽくないとでも言えばいいでしょうか。

しかし、話ははちゃめちゃ。
黒いプリンセスにはベッドに縛り付けられてヤラれちゃうし、
最終的には猫インフルエンザなるものに感染、毛玉を吐いて猫目になって死亡。
ジムは脳内をスキャンされていて、フランス人女性の登場も陰謀の一環。
ジム亡き後はエリオットが次のターゲットになったのか。

一度観ただけでは理解に苦しみ、たぶん何度観ても理解に苦しむ。
もっとも、居心地悪い音楽のせいもあり、何度も観る気にはなれませんけれども。

完成させて、訴えもされずに世界中で公開したのですから、それだけでもアッパレ。
目が点になるおもしろさはあります。
世の中にはいろんな変態がいるということで。

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