『アメリカン・スナイパー』(原題:American Sniper)
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー,シエナ・ミラー, マックス・チャールズ,ルーク・グライムス,
ジェイク・マクドーマン,ケヴィン・レイス,コリー・ハードリクト,ナヴィド・ネガーバン他
予告編を観てムビチケを購入、封切り日の翌日にTOHOシネマズ西宮にて。
クリント・イーストウッド監督とブラッドリー・クーパー主演に惹かれて
ほとんど前知識なく観に行ったら、実在の人物の話だったのですね。
テキサス州で生まれ育ったやんちゃ坊主のカイル。
弟のコルトンがいじめられているのを見れば飛んで行き、相手に倍返し。
カウボーイを目指し、荒くれ馬に乗りこなす大会で優勝。
30歳になってもそんな気ままな生活をつづけていた。
1998年、アメリカ大使館爆破事件をTVで観たカイルは、
ふつふつと沸き上がる愛国心から海軍に志願する。
厳しい訓練に耐え、特殊部隊“ネイビーシールズ”に配属されることに。
ちょうどこの頃、美しい女性タヤと知り合って結婚、幸せな日々を送る。
2001年、9.11アメリカ同時多発テロが起こり、イラク戦争が勃発。
カイルも戦地へと派遣され、初の任務に就く。
仲間の命を守る狙撃手として配置されたカイルは凄腕を発揮、次々と敵を射殺。
軍内でいつしか“伝説(レジェンド)”と称賛されるようになるとともに、
敵からは“悪魔”と呼ばれて懸賞金をかけられるようになる。
テロ組織(のちの“イスラム国”)の狙撃手は、元射撃のオリンピック選手で、
1000m離れたところからでもターゲットを殺すことができるムスタファという男。
守れなかった仲間の仇を討つため、カイルはムスタファに狙いを定めるのだが……。
イラクへの4度の派遣で160人以上の敵を射殺したとされる“英雄”、カイル。
彼の回顧録『ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』を基にした作品なのだそうです。
繰り広げられた死闘の記憶は消えません。
あらゆるものが銃声や悲鳴に聞こえ、戦場にいるような錯覚に陥ります。
そんな恐ろしい記憶とすべてが結びついてしまうのに、
なぜかまた戦場に引き寄せられる兵士たち。
愛国心からだと言っても、意味のない殺し合いにしか見えません。
カイルもムスタファも、見る側がちがえば神にも悪魔にもなり得るスナイパー。
“英雄”をただ称賛するアメリカ万歳的な作品とは正反対。
けれども実在の人物であることに最大の配慮がなされ、
それはカイルに対してだけではなく、敵や後にカイルを殺した犯人に対してもそう。
今年85歳ですよ、イーストウッド監督。
ええ加減、もっとお気楽なのほほんとした作品を撮ってもいいだろうに、
こうして世間に、世界に訴えかける作品を撮りつづける姿勢が凄いです。
いつもならご自分もしくはご子息が奏でるピアノのエンディング曲で終わりそうなところ、
無音のエンドロールが重く静かに。黙祷。
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー,シエナ・ミラー, マックス・チャールズ,ルーク・グライムス,
ジェイク・マクドーマン,ケヴィン・レイス,コリー・ハードリクト,ナヴィド・ネガーバン他
予告編を観てムビチケを購入、封切り日の翌日にTOHOシネマズ西宮にて。
クリント・イーストウッド監督とブラッドリー・クーパー主演に惹かれて
ほとんど前知識なく観に行ったら、実在の人物の話だったのですね。
テキサス州で生まれ育ったやんちゃ坊主のカイル。
弟のコルトンがいじめられているのを見れば飛んで行き、相手に倍返し。
カウボーイを目指し、荒くれ馬に乗りこなす大会で優勝。
30歳になってもそんな気ままな生活をつづけていた。
1998年、アメリカ大使館爆破事件をTVで観たカイルは、
ふつふつと沸き上がる愛国心から海軍に志願する。
厳しい訓練に耐え、特殊部隊“ネイビーシールズ”に配属されることに。
ちょうどこの頃、美しい女性タヤと知り合って結婚、幸せな日々を送る。
2001年、9.11アメリカ同時多発テロが起こり、イラク戦争が勃発。
カイルも戦地へと派遣され、初の任務に就く。
仲間の命を守る狙撃手として配置されたカイルは凄腕を発揮、次々と敵を射殺。
軍内でいつしか“伝説(レジェンド)”と称賛されるようになるとともに、
敵からは“悪魔”と呼ばれて懸賞金をかけられるようになる。
テロ組織(のちの“イスラム国”)の狙撃手は、元射撃のオリンピック選手で、
1000m離れたところからでもターゲットを殺すことができるムスタファという男。
守れなかった仲間の仇を討つため、カイルはムスタファに狙いを定めるのだが……。
イラクへの4度の派遣で160人以上の敵を射殺したとされる“英雄”、カイル。
彼の回顧録『ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』を基にした作品なのだそうです。
繰り広げられた死闘の記憶は消えません。
あらゆるものが銃声や悲鳴に聞こえ、戦場にいるような錯覚に陥ります。
そんな恐ろしい記憶とすべてが結びついてしまうのに、
なぜかまた戦場に引き寄せられる兵士たち。
愛国心からだと言っても、意味のない殺し合いにしか見えません。
カイルもムスタファも、見る側がちがえば神にも悪魔にもなり得るスナイパー。
“英雄”をただ称賛するアメリカ万歳的な作品とは正反対。
けれども実在の人物であることに最大の配慮がなされ、
それはカイルに対してだけではなく、敵や後にカイルを殺した犯人に対してもそう。
今年85歳ですよ、イーストウッド監督。
ええ加減、もっとお気楽なのほほんとした作品を撮ってもいいだろうに、
こうして世間に、世界に訴えかける作品を撮りつづける姿勢が凄いです。
いつもならご自分もしくはご子息が奏でるピアノのエンディング曲で終わりそうなところ、
無音のエンドロールが重く静かに。黙祷。