『ひまわりと子犬の7日間』
監督:平松恵美子
出演:堺雅人,中谷美紀,でんでん,若林正恭,吉行和子,夏八木勲,
檀れい,小林稔侍,左時枝,草村礼子,近藤里沙,藤本哉汰他
近頃の迷惑メールは、タイトルも差出人名もなかなか凝っていて、
朝から大笑いすることがよくあります。
この間は、タイトルではなく差出人名が「奥さん少しならエエやろ」というものがあり、
すんごいセンスだとウケました。
先週の金曜日、「わたくしのスイートハートが、」というタイトルのメールが来て、
また迷惑メールだと思ったら、差出人は大学時代の友人。
「結婚してしまうなんて」という本文でした。バカウケ。
はい、そんなわけで、友人のスイートハート、堺雅人の主演作。
貯まったポイントを利用して、109シネマズ箕面にて。
本作の監督は、山田洋次監督の数々の作品で脚本を執筆、
助監督も務めてきた人だそうで、『東京家族』も同じく。
これが記念すべき監督デビュー作とのこと、今後が楽しみです。
かつては動物園の飼育係、現在は保健所に勤務する神崎彰司。
動物園勤務時の同僚だった妻を交通事故で亡くし、
母親の琴江の手を借りながら、娘の里美と息子の冬樹を育てている。
捨て犬のほか、さまざまな事情で飼い主を失った犬が
保健所には次々と運び込まれてくる。
保健所で犬を収容できるのはたった7日間。
その間に引き取り手が見つからなければ、犬は殺処分されてしまう。
(殺処分については『犬と猫と人間と』(2009)をご参考までに。)
彰司から犬の里親探しを毎日のように頼まれる里美は
殺処分の事実を知らずにいたが、
あるとき同級生の母親からそれとなく聞かされ、愕然とする。
自分の父親が犬を殺しているなんて。
彰司は懸命に説明しようとするが、里美の心は怒りと悲しみでいっぱい。
そんな折り、農家に紛れ込んでいた母犬と子犬が保護される。
母犬は人間に対して敵意をむき出しにし、凶暴性を発揮する。
子犬だけならともかく、母犬を含めた引き取り手を見つけるのは無理だと彰司は判断。
しかし、母犬と子犬を引き離さないでほしいと里美から懇願される。
子犬を懸命に守ろうとする母犬の姿に心を打たれた彰司は、
なんとか母犬と信頼関係を築こうと考えはじめ……。
冒頭、この犬が生まれてから飼い主と離ればなれになってしまうまでが
無声映画のイメージで映し出されます。
犬好きだけでなく、動物好きであればこれでもう参ってしまうでしょうね。
けれどもわりと控えめにつくられていて、お涙頂戴っぽくはありません。
動物にも、それまで生きてきた歴史と物語がある。
亡き妻の言葉を思い出した彰司は、保健所に泊まり込むと、
母犬に話しかけ、母犬がこうなるに至った所以に想像を巡らせます。
元の飼い主がいない今、それは想像にしかすぎないわけですが、
そうして相手の身になって考えなきゃいけないのは、
相手が人間であっても動物であっても同じこと。
わかるかわからないかではなく、考えてみることが大事なのかなって。
彰司が差し出す魚肉ソーセージ、彰司の頬を伝う涙。
母犬がそういったさまざまなものに元の飼い主を思い出すシーンは、
そりゃもう涙なしでは観られませんけれども、ハッピーエンドです。
安心して観に行きましょう。
目の前の一匹の犬を救えない奴が世界を救えるか。
そんな伊坂幸太郎の『砂漠』の台詞をまた思い出しました。
監督:平松恵美子
出演:堺雅人,中谷美紀,でんでん,若林正恭,吉行和子,夏八木勲,
檀れい,小林稔侍,左時枝,草村礼子,近藤里沙,藤本哉汰他
近頃の迷惑メールは、タイトルも差出人名もなかなか凝っていて、
朝から大笑いすることがよくあります。
この間は、タイトルではなく差出人名が「奥さん少しならエエやろ」というものがあり、
すんごいセンスだとウケました。
先週の金曜日、「わたくしのスイートハートが、」というタイトルのメールが来て、
また迷惑メールだと思ったら、差出人は大学時代の友人。
「結婚してしまうなんて」という本文でした。バカウケ。
はい、そんなわけで、友人のスイートハート、堺雅人の主演作。
貯まったポイントを利用して、109シネマズ箕面にて。
本作の監督は、山田洋次監督の数々の作品で脚本を執筆、
助監督も務めてきた人だそうで、『東京家族』も同じく。
これが記念すべき監督デビュー作とのこと、今後が楽しみです。
かつては動物園の飼育係、現在は保健所に勤務する神崎彰司。
動物園勤務時の同僚だった妻を交通事故で亡くし、
母親の琴江の手を借りながら、娘の里美と息子の冬樹を育てている。
捨て犬のほか、さまざまな事情で飼い主を失った犬が
保健所には次々と運び込まれてくる。
保健所で犬を収容できるのはたった7日間。
その間に引き取り手が見つからなければ、犬は殺処分されてしまう。
(殺処分については『犬と猫と人間と』(2009)をご参考までに。)
彰司から犬の里親探しを毎日のように頼まれる里美は
殺処分の事実を知らずにいたが、
あるとき同級生の母親からそれとなく聞かされ、愕然とする。
自分の父親が犬を殺しているなんて。
彰司は懸命に説明しようとするが、里美の心は怒りと悲しみでいっぱい。
そんな折り、農家に紛れ込んでいた母犬と子犬が保護される。
母犬は人間に対して敵意をむき出しにし、凶暴性を発揮する。
子犬だけならともかく、母犬を含めた引き取り手を見つけるのは無理だと彰司は判断。
しかし、母犬と子犬を引き離さないでほしいと里美から懇願される。
子犬を懸命に守ろうとする母犬の姿に心を打たれた彰司は、
なんとか母犬と信頼関係を築こうと考えはじめ……。
冒頭、この犬が生まれてから飼い主と離ればなれになってしまうまでが
無声映画のイメージで映し出されます。
犬好きだけでなく、動物好きであればこれでもう参ってしまうでしょうね。
けれどもわりと控えめにつくられていて、お涙頂戴っぽくはありません。
動物にも、それまで生きてきた歴史と物語がある。
亡き妻の言葉を思い出した彰司は、保健所に泊まり込むと、
母犬に話しかけ、母犬がこうなるに至った所以に想像を巡らせます。
元の飼い主がいない今、それは想像にしかすぎないわけですが、
そうして相手の身になって考えなきゃいけないのは、
相手が人間であっても動物であっても同じこと。
わかるかわからないかではなく、考えてみることが大事なのかなって。
彰司が差し出す魚肉ソーセージ、彰司の頬を伝う涙。
母犬がそういったさまざまなものに元の飼い主を思い出すシーンは、
そりゃもう涙なしでは観られませんけれども、ハッピーエンドです。
安心して観に行きましょう。
目の前の一匹の犬を救えない奴が世界を救えるか。
そんな伊坂幸太郎の『砂漠』の台詞をまた思い出しました。