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『なん・なんだ』

2022年02月04日 | 映画(な行)
『なん・なんだ』
監督:山嵜晋平
出演:下元史朗,烏丸せつこ,佐野和宏,和田光沙,吉岡睦雄,外波山文明,三島ゆり子他
 
晩はおそらく35年ぶり、京都のライブハウス“磔磔”へ。
お誘いいただいて大西ユカリと憂歌団の木村充揮を聴きに。
木村さんって今おいくつなのかと思ったら、来月68歳。
ということは、私がよく聴いていた頃は30代前半でいらっしゃったのですね。
そんな年齢のときからあんな酔っぱらいであんなダミ声であんな歌。凄いよ。
天使のダミ声とはよく言ったものです。確かに天使だわ。
 
そのめっちゃ楽しかったライブの前に京都シネマで映画を2本、まずは本作を鑑賞。
上映前にプロデューサー、寺脇研氏のご挨拶がありました。
寺脇氏は、本作の主人公夫婦と同世代の70歳。
それに対して山嵜晋平監督は40歳。スタッフは監督より年下の20~30代。
若い世代が撮る親世代はどんな感じなのでしょう。
 
小田三郎(下元史朗)と美智子(烏丸せつこ)は東京に暮らす熟年夫婦
結婚してまもなく40年が経とうとしている。
 
ある日、美智子が出先で交通事故に遭い、昏睡状態に陥っているとの連絡が入る。
文学教室に行くと言って美智子は出かけたのに、搬送されたのは京都の病院。
事情がわからず困惑しながら三郎は病院に駆けつける。
 
容体は安定しているというのに目を覚ます気配のない美智子。
三郎が彼女の所持品を確認すると、長年愛用していたカメラも含まれていた。
フィルムを現像に出してびっくり、そこには写っていたのはホテルとおぼしき場所で、
三郎の知らない同世代の男が被写体となっているではないか。
 
何が起きているのかをどうしても知りたい。
三郎は一人娘の知美(和田光沙)に美智子の浮気疑惑について話し、
ふたりは美智子の実家である奈良へと向かうのだが……。
 
夫・三郎のあまりの駄目駄目ぶりに失笑が客席に生まれることしばしば。
相方がやきもちを焼くほど実際にはモテないものなのでしょうが、
この夫婦の場合は「浮気は気のせい」ではありません。
美智子の浮気相手・甲斐田一雄(佐野和宏)を探し当てて問いただしてみれば、
ふたりが初めて出会ったのは53年前、再会したのは33年前で、
以来ずーっと不倫関係にあったというではないですか。三郎唖然(笑)。
 
三郎は憤りますが、知美は美智子の味方。
お母さんの気持ちがわかる、それにこれは浮気じゃなくて本気だとも言います。
もう三郎の立つ瀬はないうえに、自身に認知症の兆候が現れていることも感じている。
こういうとき、夫は、妻は、そして浮気じゃなくて本気の相手はどうするでしょう。
 
でもねぇ、玄関あがって「水」とだけ言うような奴はこんな目に遭いますよ(笑)。
社会的ステータスもそうだけど、男としての器の大きさが違いすぎる。(^^;
「オレの人生、なんなんだ」。アンタの人生、そんなもん。
 
いろんな立場から見ることができて面白かった。

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