雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

かけはし ・ 心の花園 ( 56 )

2014-03-31 08:00:50 | 心の花園
          心の花園 ( 56 )
               『 かけはし 』

桜が満開を迎えようとしています。
しばらくは、桜にまつわる話題でいっぱいになるでしょうが、その陰に隠れるように、清楚な姿を見せている花木があります。
「ハナミズキ」です。
心の花園にも、間もなく花の季節を迎えようとしている「ハナミズキ」がつつましやかに出番を待っています。

庭木として人気の高い「ハナミズキ」ですが、原産地は北アメリカで、わが国に入ってきたのは比較的新しい植物なのです。
あの有名なアメリカ合衆国ワシントンD.C.の桜は、1912年に当時の東京市長が贈ったことはよく知られていますが、その返礼として日本に贈られたのが「ハナミズキ」なのです。1915年のことで、わが国で栽培されるようになったのはこの時からなのです。

「ハナミズキ」の開花は、四月の中頃から五月の中頃のころで、白・ピンク・赤といった花色があるようですが、やはり「ハナミズキ」には淡い色合いが似合うように思われます。
もっとも、一般に花とされているものは、総苞といわれるものです。苞(ホウ)というのは、花の基部にあるものですが、花を包み込むようになるものを総苞と呼ぶようです。
また、「ハナミズキ」は春の花ばかりでなく、秋の実も可愛く、紅葉も美しいものです。

「ハナミズキ」の花言葉は「返礼」です。ワシントンの桜に関する逸話から生まれたもので、いかにも直接的な感じもします。
桜で大騒ぎした後には、ひっそりと花を付ける「ハナミズキ」を鑑賞するのはいかがでしょうか。
  
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苦みの女王 ・ 心の花園 ( 55 )

2014-03-07 08:00:08 | 心の花園
          心の花園 ( 55 )
               苦みの女王

春まだ浅いこの季節は、時には冬の顔を見せ、特に北国ではまだまだ雪の季節ともいえます。
しかし、寒い地方も含めて、草花たちは春の訪れを知り、活動が活発になってきています。
身体的にも、そして何よりも精神的に、大きく羽ばたく季節の訪れです。

心の花園にも、新しい生命の活動が見られます。
今回は、山すそで静かに芽吹いている草花をのぞいてみましょう。「センブリ」もその一つです。
漢字では「千振」と書きますが、草花というよりは、薬草として知られている植物です。植物園などでも、山野草というより、薬草として区分けされていることが多いようです。

「センブリ」は、わが国では、北海道南西部より南の広い地域で自生しています。
草丈は5~30cmで、夏の終わりから秋にかけて白い花を咲かせます。「センブリ」は、リンドウ科センブリ属の植物ですが、その花もリンドウに似た実に可憐なものです。
変種に「ヒロハセンブリ」と呼ばれるものがあり、近縁種に「ムラサキセンブリ」「イヌセンブリ」と呼ばれるものがあり、紅花を付けるものもあるそうです。これらは、「センブリ」より少し大きくさらに可愛い花を付けるようですが、自生地は限定的のようです。

「センブリ」が、その存在感を示すのは薬効にあります。胃腸を中心に優れた薬効を発揮するようで、ゲンノショウコ・ドクダミとともに、わが国の三大民間薬とされています。また、漢方薬としては使われておらず、わが国固有の生薬なのです。
「センブリ(千振)」の名前の由来は、「千回振り出してもまだ苦い」ということから来ているそうですが、かつては、苦い物の代表とされていました。

わが国に広く分布し、民間薬として大きな働きをしてきた「センブリ」ですが、近年、自生地は減少の一途をたどり、すでに、絶滅したり、絶滅危惧種とされている地域もあるようです。
個人の園芸種としては一般的ではありませんが、山野草として根強い愛好者も少なくないそうです。
「センブリ」の花言葉には「はつらつとした美しさ」というのがあります。花から受ける印象は、「楚々とした美しさ」といった感じですが、その苦味から「はつらつさ」を感じ取っているのでしょうか。
そうだとすれば、「センブリ」を、「苦みの女王」と表現するのも決して大げさではないと思うのですが。

     ☆   ☆   ☆
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雪にも負けず ・ 心の花園 ( 54 )

2014-02-11 08:00:13 | 心の花園
          心の花園 ( 54 )
               雪にも負けず

立春を過ぎても、寒さはなお厳しく、特に雪の多い地方では、雪解けはまだまだ先のことになりましょう。

まだ春浅い季節ですが、「雪割草」という実に美しく、そしてたくましい名前を持った草花があります。
心の花園には、すでにたくさんの花を咲かせていますが、プリムラと間違えそうな姿と豊富な花色がとても素敵でしょう?

実は、「雪割草」と呼ばれる物には、大きく分けて二種類あるのです。
まず一つは、高山植物でわが国の高山地帯や亜高山地帯の湿った岩場などに自生しているもので、五、六月頃に淡い紅紫色の花をつける十センチ程の可憐な花で、こちらは、サクラソウ科の植物です。
もう一つは、キンポウゲ科の植物で、別名「ミスミソウ」とも呼ばれる物で、ご紹介している心の花園に咲いているのも、こちらの仲間です
「ミスミソウ」の仲間は、北半球に九種類あるそうで、わが国にはその中の一種から生まれたものが四種分布しています。
「ミスミソウ」「オオミスミソウ」「スハマソウ」「ケスハマソウ」の四種ですが、それぞれ地域性があるようです。
心の花園の物もそうですが、園芸種の多くは、「オオミスミソウ」から生まれたもので、こう配による変種が生まれやすく、栽培も比較的容易です。
花色や花の形も多く、白・桃・赤・紅・紫・紅紫や、藍・緑・黄などもあるそうで、複色の物も生まれています。
花期は、おおむね三、四月のようですが、すでに花をつけている園芸種もあるようです。

それにしても、「雪割草」というのは実に美しい名前です。
花言葉は、「信頼」「忍耐」など数多くあるようです。
まだ寒さ厳しいこの季節にこそ、園芸店などで「雪割草」を見つけた時には、ぜひ一鉢買い求めてはいかがでしょうか。

     ☆   ☆   ☆
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自然に親しむ ・ 心の花園 ( 53 )

2014-01-18 08:00:13 | 心の花園
          心の花園 ( 53 )
               自然に親しむ

自然に親しむと言っても、この寒さ厳しい折、冬山とか山スキーとでもいうのなら別ですが、野山を散策するわけにはいかないでしょう?

確かにその通りですが、近くにある公園や、少し郊外に出てみれば、厳しい季節の中にも、自然の息吹のようなものは感じられるものですよ。
心の花園も同様です。
季節の花となれば、やはりこの季節は、心の花園とて少なくなりますが、厳寒の中で、はや蕾を膨らませかけている「モクレン」などは、ちょっと良いものですよ。

「モクレン」は、漢字で書けば木蓮となりますが、その花の形が蓮(ハス)に似ていることから名付けられたものです。何でも、もともとは木蘭(モクラン)と呼ばれていたそうですが、蘭の花より蓮の花に似ているということから名前が変わったそうです。
「モクレン」というのは、春に赤紫の花を付けるもので、木の高さも3~5m程度のものを指します。
真っ白な花を付けるものもモクレンと呼ばれることが多いですが、本当はこちらは「ハクモクレン」という、近い仲間ですが別種のもので、木の高さも10~15mにもなります。

「モクレン」と「ハクモクレン」の交雑種に「サラサモクレン」というものもあります。
こちらは、両者の遺伝子を均等に引き継いだのか、木の高さは6~10mほどで、花の色も、ピンクを主体として白から紫まであるようです。
花の咲き始めるのも、「ハクモクレン」が一番早く三月上旬ぐらい、次は少し遅れて「サラサモクレン」、最後が「モクレン」で三月下旬ごろになります。

「モクレン」の原産地は中国ですが、一部の国には、原産地は日本として伝えられた経緯があって日本と紹介されている国もあるそうです。
いずれにしてもその花や木の姿は高貴な感じがあり、中国の庭園に似合う感じがしますし、日本の家庭の庭木や公園なのでも、すっきりとした存在感を見せてくれます。

「モクレン」の花言葉は、「自然への愛」です。
寒風の中で、小さいながらもくっきりと蕾を付けている「モクレン」や「ハクモクレン」の姿は、自然の愛おしさが感じられますよ。

     * * *
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もっと陽気に ・ 心の花園 ( 52 )

2013-12-25 08:00:04 | 心の花園
          心の花園 ( 52 )
               もっと陽気に

クリスマスだとかで街は賑やかな雰囲気に包まれています。
年の瀬にかけては、何となく慌ただしく、むりやり賑わいを演出しているようにも見えます。
クリスチャンでもないし、正月といっても今さらねぇ・・、と仰るあなた、まあ、一年の締めくくりの時でもありますから、あまり堅苦しく考えないで、もう少し陽気にはしゃいでみませんか。

心の花園には、『金魚草』が華やかな姿を見せてくれています。
その名前の通り、一つ一つの花は、よく見てみますと金魚の口のようですし、風にゆれる姿は金魚が泳いでいるように見えることからこの名前が付けられました。
もっとも、私たちには可憐な金魚が泳いでいるように見えるのですが、お国によっては、「鼻に似た花」とか、「龍の頭」といった意味の名前も付けられていますから、人の感性は様々ということが出来ます。

『金魚草』の原産地は南ヨーロッパから北アフリカにかけての地中海沿岸地方です。わが国には江戸時代に入って来ましたが、今では園芸種として欠かせない存在となっています。
もともとは多年草ですが、わが国の園芸種は一年草扱いになっていますが、年を越させることはそれほど難しくないようです。
花色は、赤・桃・黄・橙・白や複色のものなど実に豊富で、背丈もバラエティに富んでいます。花の時期も、本来は春から初夏にかけてですが、種類にもよりますが、ほとんど年中可憐な姿を見ることが出来ます。

『金魚草』の花言葉は、『おしゃべり』そして『出しゃばり』というのもあります。
年の瀬を、一年を振り返ってしんみりするのもいいのでしょうが、今年は、出しゃばりといわれるほど前に出て、もっと陽気に過ごしてみましょうよ。


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聖なる願い ・ 心の花園 ( 51 )

2013-12-01 08:00:37 | 心の花園
          心の花園 ( 51 )
               聖なる願い

十二月ともなると、園芸店などには「ポインセチア」の花が溢れるほどに並びます。
心の花園にも、真っ赤な鉢植えがいっぱいに並んでいますよ。

「ポインセチア」は、私たちにクリスマスを連想させる花ですが、あの見事な赤い色は、「キリストの血の色」に例えられるそうですから、まさしくクリスマスには欠かせない花なのでしょう。
「ポインセチア」の原産地は、メキシコあたりですが、その名前は、アメリカの初代メキシコ公使であるポインセット氏に由来しているようです。
メキシコでは、ノーチェ・ブエナと呼ばれていて、その意味は「聖夜」だそうですから、まさにクリスマスにふさわしい名前と言えます。

わが国には、明治時代には入ってきていますが、園芸種として広く楽しまれるようになったのは、それほど古い話ではないようです。
「ポインセチア」は熱帯性の低木で、私たちは鉢植えとして楽しむのが普通ですが、原産地辺りでは五メートルにも達するものもあるそうです。私たちが花として楽しんでいる部分は、苞葉と呼ばれる部分ですが、最近では赤色以外の物も生み出されていますが、やはりあの真っ赤な色は印象に残ります。

「ポインセチア」の花言葉は、「聖なる願い」そして「祝福」です。
寒さが厳しくなっていく頃ですが、真っ赤な鉢植えを一つ二つ買い求めて、欲得を離れた「聖なる願い」など祈ってみてはいかがでしょうか。
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芳しき香り ・ 心の花園 ( 50 )

2013-11-07 08:00:52 | 心の花園
          心の花園 ( 50 )
               芳しき香り

長かった夏もようやく終わり、急ぎ足の秋の気配が漂っています。
夏の疲れもようやく癒えて、秋の冷涼な季節感を楽しみたいものです。

心の花園には、菊の花がほころび始め様々な花色が目立ち始めています。
そして何よりも、その芳しい香りは、古くから人々に愛されてきた魅力の一つではないでしょうか。

「菊」の原産地はアジア東部といわれ、わが国へは中国から入ってきたようですが、わが国にも自生している野菊の仲間は三百五十種ほどもあるとされていますから、中国からの物はいわゆる園芸種にあたるものではないのでしょうか。

わが国では、「菊」は古い時代から人々に愛されていて、古今集には幾つもの歌に詠まれています。
『 心あてに折らばやおらむ初霜の をきまどわせる白菊の花 』
これは、古今集にある凡河内躬恒の和歌で、百人一首にもあるのでよく知られています。
わが国最古の歌集とされる万葉集には「菊」は登場していないとされていますが、「百代草(モモヨクサ)」という植物が歌われていて、これはどうやら「菊」らしいのです。

「菊」は花色も種類も多く、また愛好家も多く様々な形で栽培され各地で盛んに品評会なども催されています。
また、私たちの生活の中では仏花や献花として定着しており、一方で、皇室の象徴として敬愛されています。
わが国の国花は、桜と「菊」とされるのが一般的ですが、実は法的に定められているものではなく、桜は国民一般に親しまれていること、「菊」は皇室の象徴であることから定着してきているようです。

「菊」には様々な花言葉が作られています。色や種類によっても違う花言葉も紹介されていますが、ここでは、「高潔」と「思慮深い」を紹介させていただきます。
深まる秋を、紅葉と共に、芳しい菊の香りに、穏やかな時間を求めたいものです。
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夏から秋へ ・ 心の花園 ( 49 )

2013-10-14 08:00:20 | 心の花園
          心の花園 ( 49 )
               夏から秋へ


季節は夏から秋へと移って行きます。
ごく自然な時の流れだと思うのですが、今年はあまりにも残暑が厳し過ぎて、どのあたりに秋の気配を感じればよいのか、悩んでしまいます。

心の花園の「ニチニチソウ」は、まだまだ元気なようです。
初夏から夏の終りまで、次々と花を咲かせ続けてくれる「ニチニチソウ」も、ぼつぼつお役御免の頃かと思うのですが、まだまだ元気に花をつけています。
それでも、鉢植えにしている物の中には、かなり弱ってきているものも見受けられます。
やはり、季節は夏から秋へと移っているのでしょう。

「ニチニチソウ」の原産地はマダガスカルですが、熱帯地帯の各地に自生している物が見られます。
温帯での栽培も可能で、わが国でも園芸種として人気の草花の一つです。
花色は、白・桃・赤・赤紫など多くはありませんが、中心に違う色をつけるものもあります。
花は、一日花ではありませんが、3~5日程度と短命ですが、次々と新しい花を咲かせ、厳しい夏の間も休むことがありません。
栽培も比較的やさしく、初心者には嬉しい草花といえます。わが国の冬を越えるのは無理で、秋には枯れてしまいますが、花壇に植えている場合には、翌春、あちらこちらから新しい芽を出してくれますよ。

「ニチニチソウ」の花言葉には、「楽しい想い出」「優しい追憶」「生涯の友情」などが付けられていて、いずれも心が優しくなるようなものばかりです。
間もなく、心の花園の「ニチニチソウ」も、全てがその命を終えるのでしょうが、私たちに優しい心を芽生えさせてくれたかもしれません。
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一朝の夢 ・ 心の花園 ( 48 )

2013-09-20 08:00:02 | 心の花園
          心の花園 ( 48 ) 
               一朝の夢

今日は、心の花園の「むくげ」の花を紹介しましょう。
漢字で書くと「木槿」と大変難しい字になりますが、これは中国での名前をそのまま使ったからのようです。

夏の初めから初秋にかけてまで、厳しい暑さの中で、次々と可憐な花をつけてくれる「むくげ」は、実に逞しい花でもあります。
原産地はインド・中国あたり。中近東にも自生しているようです。わが国には、奈良時代にはおそらく朝鮮半島を経てでしょうが入ってきており、一部の地域では自生しています。
園芸種は、数多く生み出されています。花色は、白・濃紅・薄紅・濃紫・青紫などがあり、花弁も一重・八重・半八重とあり、種類は多彩です。

「槿花(キンカ)一朝の夢」と歌われるように、次々と咲く花は夕方にはしぼんでしまうことから、その儚さが人々の心に訴えるのでしょう。
おとなり韓国の国花にも定められていますが、逞しくて、そしていじらしいところが多くの人に好まれるのでしょう。
園芸種は、だいたい3~4メートルまでに選定されますが、本来は10メートルにまでなる高木なのです。また、一日で閉じてしまう花は一日花として紹介されていますが、本当は翌日もまた開くそうで、一重のもので2~3日、八重のものは一週間以上も咲いているそうです。

「むくげ」の花言葉は、「信念」「慈しみ」「ゆかしさ」などいくつもの花言葉が紹介されています。そして、そのいずれもが、とても優しさを感じさせるもののようです。
たとえひとときでも、「むくげ」の花に心を委ねてみてはいかがでしょうか。 
        
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冷涼な花姿 ・ 心の花園 ( 47 )

2013-08-27 08:00:27 | 心の花園
         心の花園 ( 47 )
               冷涼な花姿 


残暑厳しいこの季節、園芸店を覗いてみても花の種類も減り気味です。それに、第一、庭いじりなどする気にもなりません。
しかし、こんな時こそ、涼しげで可憐な花など眺めて、一息つきたいものです。

心の花園なら、いつでもお望みの花に出合うことが出来ます。
「スカビオサ」が薄青紫色の涼しげな姿を見せています。
この名前は、英名をそのまま使ったものですが、園芸種では主にこの名前が使われています。原産地は、ヨーロッパ、アジア、アフリカなど広く分布していて、その種類は八十種にも及び、地域により少しずつ違う雰囲気をもっています。いずれも、高地など冷涼な気候を好むようです。

和名は「セイヨウマツムシソウ」ですが、「セイヨウ」とついているのは、わが国にもわが国を原産地とする「マツムシソウ」があるからです。
名前の由来は、花が落ちた後のネギ坊主のような姿が、僧侶が巡礼の時に持つ松虫鉦(マツムシガネ)に似ていることから名付けられたものです。
「「スカビオサ」には、「不幸な愛情」「私はすべてを失った」などいくつもの花言葉がありますが、いずれも寂しげで不幸を暗示させるようなものばかりです。花の姿から連想したという外国の花言葉がそのまま用いられたものですが、私たちが園芸種の花姿を見る限り、もう少し違う、涼しげな花言葉が欲しい気がします。
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