御嶽山の噴火は、大惨事となってしまいました。
なお、全容は明らかになっておりませんが、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
噴火発生後、これまでに様々な情報や意見などが報道されてきています。
噴火当時入山していて、辛くも下山されて来た方などの話やさまざまな画像などを見ますと、一瞬の判断や、リーダーの指示、山荘の方々の尽力などが明暗を分けるのに少なからぬ働きがあったように思われます。
そして、やはり予想していた通り、危険予報を出せなかったのかという声が出てきています。
現在、わが国にある110の火山(北方領土・海底を含む)のうち47山について常時観測が行われていて、現に有珠山など予報に成功した例もありますが、それはマグマ噴火であって、今回のように水蒸気噴火の予知は極めて難しいそうです。
さらに、今回も火山性の地震(身体に感じない程度のものでしょうが)の数に若干の変化は見られていたようですが、その程度の変化はよくあることで、警報を発するには至らなかったようです。
さらに、噴火の7分ほど前に地殻の変化が観測されたようですが、それを何とか伝達するとはできなかったのかと主張しているコメンテーターの方もおられましたが、あれ、本気で言っているのでしょうか。
それはともかく、今回の噴火は、わが国の火山観測に対する軽視ともいえそうな問題が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
御嶽山の昭和54年(1979)の噴火により、火山観測に対する見直しが行われたようですが、今回の大惨事を教訓として、他の防災予算、例えば地震や津波に対する物の一部を裂いてでも、今少し観測機器や人員を充実させるべきではないでしょうか。
一部の報道によれば、火山観測に対する予算は、むしろ減額された経緯もあるようです。いつ起こるか分からない災害の観測に金はかけられないというらしいのです。誰が言ったことなのかは知りませんが、いつ起こるか分かっているような災害に観測する費用などいらないのですよ。
今回の噴火に対しても、テレビ報道などでは、必ずいつ終息するのかということが話題になっています。専門家といわれる人は、「分からない」と答えられています。実に正しい答えだと思うのです。
これまでの経験則を語ることはできても、自然の営みである火山活動を、人間の知恵や経験で完全に把握することなど不可能というのが正しいのではないでしょうか。
いつ終息するのか、と尋ねる人は、1週間とか、1ヶ月程度の期間、あるいは長くても数年程度を期待しての質問なのでしょうが、相手(火山)は、千年単位、万年単位で活動しているのですから、無理な質問ではないでしょうか。
考えてみれば、私たちの周囲は危険だらけです。「危ない山など行かなければよい」と言っても、街中が安全なわけでもなく、歩道を歩いていても物が落ちてくることがあり、寝ている所に車に飛び込まれた人も居ります。
結局、どんなに安全だというものにも、それらすべてに限界があり、それを容認し受け入れながら生きていくしかないのかもしれません。
( 2014.10.02 )
なお、全容は明らかになっておりませんが、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
噴火発生後、これまでに様々な情報や意見などが報道されてきています。
噴火当時入山していて、辛くも下山されて来た方などの話やさまざまな画像などを見ますと、一瞬の判断や、リーダーの指示、山荘の方々の尽力などが明暗を分けるのに少なからぬ働きがあったように思われます。
そして、やはり予想していた通り、危険予報を出せなかったのかという声が出てきています。
現在、わが国にある110の火山(北方領土・海底を含む)のうち47山について常時観測が行われていて、現に有珠山など予報に成功した例もありますが、それはマグマ噴火であって、今回のように水蒸気噴火の予知は極めて難しいそうです。
さらに、今回も火山性の地震(身体に感じない程度のものでしょうが)の数に若干の変化は見られていたようですが、その程度の変化はよくあることで、警報を発するには至らなかったようです。
さらに、噴火の7分ほど前に地殻の変化が観測されたようですが、それを何とか伝達するとはできなかったのかと主張しているコメンテーターの方もおられましたが、あれ、本気で言っているのでしょうか。
それはともかく、今回の噴火は、わが国の火山観測に対する軽視ともいえそうな問題が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
御嶽山の昭和54年(1979)の噴火により、火山観測に対する見直しが行われたようですが、今回の大惨事を教訓として、他の防災予算、例えば地震や津波に対する物の一部を裂いてでも、今少し観測機器や人員を充実させるべきではないでしょうか。
一部の報道によれば、火山観測に対する予算は、むしろ減額された経緯もあるようです。いつ起こるか分からない災害の観測に金はかけられないというらしいのです。誰が言ったことなのかは知りませんが、いつ起こるか分かっているような災害に観測する費用などいらないのですよ。
今回の噴火に対しても、テレビ報道などでは、必ずいつ終息するのかということが話題になっています。専門家といわれる人は、「分からない」と答えられています。実に正しい答えだと思うのです。
これまでの経験則を語ることはできても、自然の営みである火山活動を、人間の知恵や経験で完全に把握することなど不可能というのが正しいのではないでしょうか。
いつ終息するのか、と尋ねる人は、1週間とか、1ヶ月程度の期間、あるいは長くても数年程度を期待しての質問なのでしょうが、相手(火山)は、千年単位、万年単位で活動しているのですから、無理な質問ではないでしょうか。
考えてみれば、私たちの周囲は危険だらけです。「危ない山など行かなければよい」と言っても、街中が安全なわけでもなく、歩道を歩いていても物が落ちてくることがあり、寝ている所に車に飛び込まれた人も居ります。
結局、どんなに安全だというものにも、それらすべてに限界があり、それを容認し受け入れながら生きていくしかないのかもしれません。
( 2014.10.02 )