『 巨大企業の統合 』
ヤフーとLINEが 経営統合に合意との会見
この分野では わが国内からはみ出しそうな規模になるが
米中のIT企業は 遥か先を走っている
世界のトップと戦える企業が 増えていくことは嬉しいが
さて 私たちの懐へは 芥子粒程度の恩恵はあるのかな??
☆☆☆
麗しの枕草子物語
あまり腹を立てないで
中宮様が南の院においでになられました頃のお話をいたしましょう。
「急ぎの御仕立物です。たれもたれも、すぐに手分けして、急いで縫って差し上げよ」
と、中宮様からの御命令がございました。
私たちは、日差しのよい南の部屋に集まって、御衣の片身ずつを「誰が早く縫い上げられるか」とばかりに、互いに顔を見合わせることもせず競争で縫うさまは、なんとも凄まじいものでございました。
やがて、命婦の乳母が随分早くに縫い上げて、得意げにその場に置いて席を立ったのですが、さて、片身ずつ縫い上げたものを合わせる時になりますと、生地が裏返しになっていたのです。
みんなは笑ったり、苦情を言ったりしあって、
「早く、これを縫い直しなさい」
というのに対して、命婦の乳母は、
「『誰が間違いに気が付く』というのですか。綾などの立派なものなら縫い直しもしましょう。無地のお召物なのですから、誰も分からないでしょう。それに、縫い直すのなら他に人がいるでしょう。まだ縫っていない人にやらせて下さい」
と、不服たらたら、言うことをきかないのです。
「そうは言っても、時間が限られているのですよ」
ということで、源少納言、中納言の君などという人たちが縫い直しにかかりましたが、、人の縫った物のやり直しですから面白いはずなどありません。
いかにもうっとうしげに縫い直しているのを、少し離れて命婦の乳母がいかにも癪だとばかりに眺めている様子は、せっかく皆で仕事を成し遂げながら実に気まずく、滑稽にさえ見えてしまいました。
何事につけ、あまり腹を立てることはよくありませんわねぇ。
(第九十段 ねたきもの、より)