マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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長谷の行事

2011年02月02日 06時18分53秒 | 楽しみにしておこうっと
1月の成人の日の祝日はコンピラ講の集まりがある。

かつては成人の日も固定の15日だった。

その日は小正月の日で覚えやすかったがハッピーマンデー法によって月曜日。

当然ながら日にちは替わるので覚えにくく忘れてしまう。

今年は何時だったけ?という言葉は間違いなく出る長谷町の人。

その日はどんど焼きの日でもある。

供えた主月飾りやシメナワサンをも燃やす。

火を点けるのは自治会長。

点ける方角は決まっているそうだがアキの方角ではないという。

それを終えたら一旦は解散し自宅に戻る。

数時間してから公民館に集まる。

コンピラさんの千本杵でモチを搗く。

その木はビョウブの木だという。

それは白い花が咲くというからビョウブが訛ったリョウブの木だと思われる。

かつてコンピラさんの行事は垣内単位で行われていた。

現在は村の行事としている。

平成2年の統合まではコンピラ講のヤドの人がその都度に12本の千本杵を作っていたそうだ。

それがビョウブの木で夏に白い小さな花を咲かせる。

モチ米も集めていたヤドの人。

地区を巡ってアズキを3合、お米は1合だった。

その量は家族の人数分だったようだ。

それはともかくコンピラさんの行事はキンケンチョチクだという。

どういう漢字を充てるのか判らないが、還暦の人に42歳になった人や結納した家、嫁もらいの家、前年に長男長女が誕生した家を祝うようだ。

コジュゥタにモチ。底にはキナコを塗しているというモチを供えて清酒1本。

昔はコンピラさんの掛け軸(コトヒラ宮)があったそうだ。

ヤドの床の間に掲げていたが今はもうない。

この様相は隣村の日笠町の行事とよく似ている。

伊勢講は現在も続いている講の集まり。

家の料理がたいへんだと昨年からは6月、12月にした。集まりやすい16日の前の土曜か日曜。

賞味は男の飲み会だと笑って話す。

かつては愛宕さんの講もあった。

伊勢講とともに代参する人を選ぶフリアゲをしていた。

1月3日の初集会でしていた。

四角い箱に入れるクジ。

二つの講の代参対象者の名前を書いたクジを入れて箱を振り上げた。

それぞれ4人ずつフリアゲで選ぶ。

最初の二人が当たりクジ。

次の二人は予備の人たち。

それぞれ六人衆の長老がフリアゲをしていたそうだ。

代参の人は神社まで出かけてお札を授かってくる役目だ。

10年ほど前に改正して愛宕山は笠の荒神さんに替わった。

しかもクジは伊勢も笠も同じ人にした。

一人二役に統合を図ったわけだ。

1組から4組まであるので8年にいっぺんが回ってくる勘定だ。

なお、伊勢講で掲げられる掛け軸はアマテラスとトヨウケダイジングウだそうだ。

(H23. 1. 1 SB932SH撮影)